企業が社員を国際貢献に出せばいい ――前回までのお話で、アフリカはじめ国際貢献が必要な年収3000ドル以下の低所得者層を抱えるBOP(ベース・オブ・ピラミッド)と呼ばれる地域で、新しい市場が芽生え始めていることを教えていただきました。 池上 その通りです。ダルフール紛争の痛手から抜け出ていないスーダンのような、世界でも最貧国のひとつに数えられる国でさえ、現地を足で回ると成長の兆しが見え始めています。 1970年代アミン大統領の圧政下にあったウガンダも、地政学的にはタンザニア湖に面した高地で過ごしやすい土地であり、取材で訪れた首都カンパラには今や高層ビルやホテルが立ち並び、活気にあふれている空気を直に感じました。 かつてアパルトヘイトで揺れた南アフリカも、2010年夏にサッカーワールドカップの開催国としての使命を終え、第二次世界大戦後の東アジアにおける日本のような、アフリカの経済成長の核とし