ブックマーク / synodos.jp (112)

  • 迷走する運命にあるワーク・ライフ・バランス政策/筒井淳也 - SYNODOS

    萩原久美子による『迷走する両立支援―いま、子どもをもって働くということ』は、ワーク・ライフ・バランスの問題が、「両立支援が整備されていない」ことの問題であるというよりは、「両立支援が充実してきた環境で働いているのに、仕事と家庭を両立することの苦しみは依然として存在する」ことの問題であることを見抜いた貴重なエッセイである。 両立支援が制度として整備され、それを活用できるようになっても、それを利用して実際に両立をすることによって、何かしらの妥協やストレスがある。同年代の男性社員(一部には専業主婦のサポートがある)と差をつけられる、夫が家事に協力的であるといっても専業集やパートのに比べて「子どもを十分にかまってあげられない」という負い目を感じてしまう、同僚の女性が時短勤務に不公平感をいだいている、などなど…。 そして結局のところ、子持ちの働く女性たちは、「これだけ苦労して両立する価値がこの仕事

    迷走する運命にあるワーク・ライフ・バランス政策/筒井淳也 - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2015/09/09
    “「男性稼ぎ手モデル」を尊重する体制においては、労働市場が硬直化・分断する傾向がある。したがってグローバル化・サービス労働化への対応が遅れ、経済パフォーマンスを悪化させる可能性さえある。”
  • なぜ私たちには中国が「脅威」にみえるのか/『日本と中国、「脱近代」の誘惑』著者、梶谷懐氏インタビュー - SYNODOS

    安保法案の議論とともに、「中国の脅威」が注目されるようになった。しかし、私たちが触れる中国の情報は「共産党の共青団派と太子党の対立」「中国のバブルが崩壊寸前」といった政治のごたごたと経済崩壊論のみ。いったい、中国はどのような国なのだろうか。そして、なぜ日中関係は緊張しているのだろうか――『日中国「脱近代」の誘惑』で「近代化」を切り口に日中・東アジアの現在を分析した梶谷懐氏に話を伺った。(聞き手・構成/島田昌樹) ――今日は、中国現代経済がご専門の梶谷さんにお話を伺います。『日中国「脱近代化」の誘惑』を執筆中に、今話題の『進撃の巨人』にハマっていたと伺いました。 そうなんです。にはあとがきで少しだけ触れましたが、『進撃の巨人』は中華圏でも非常に人気で、香港の雨傘革命でも中国政府の支配・干渉のアイコンとして使われていました。 ――「進撃の共産党」というやつですね。 日では、中国共産

    なぜ私たちには中国が「脅威」にみえるのか/『日本と中国、「脱近代」の誘惑』著者、梶谷懐氏インタビュー - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2015/08/12
    “日本と中国で共通するのは、近代化がもたらす矛盾やリスクが問題にされる際に、「近代以前の社会に学ぼう」という発想が必ず出てくる点です。”
  • 薬物依存症は罰では治らない/松本俊彦 - SYNODOS

    わが国では、第二次大戦後より60年あまりものあいだ覚せい剤の乱用問題が続いてきました。覚せい剤は、覚せい剤取締法によって規制されている違法薬物です。そのせいで、一般の人たちはもとより、精神科医のような専門家のあいだでも、薬物依存症は医療的ケアを要する「病気」ではなく、取り締まりの対象となる「犯罪」と見なす人がいまだに多い現状にあります。 しかし、薬物依存症を犯罪として処罰するだけでは限界があります。かつて私は、ある刑務所で「薬物依存離脱教育プログラム」に携わっていました。プログラムは覚せい剤取締法の累犯者を対象とした、1クール12セッションのグループ療法であり、毎回、初回のセッションを私は担当していました。 私は、セッションの冒頭で必ず次のような質問をすることにしていました。 「このなかで、これまで覚せい剤のことで、親、兄弟、友人、恋人、親分、兄貴といった人たちから、『ヤキ』を入れられたこ

    薬物依存症は罰では治らない/松本俊彦 - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2015/07/25
    “薬物を使えば使った分だけ進行するのが依存症です。そういう意味では、「ヤキを入れた」周囲の思惑とは裏腹に、周囲はその人が覚せい剤を使うのを促し、依存症をさらに重症化させるのに一役買ったことになります”
  • シングルマザーが福祉から排除されるとき/赤石千衣子 - SYNODOS

    あなたが離婚したシングルマザーだとする。子どもは4歳。かわいくもあり、そして若干生意気でもある。仕事は契約社員で月収20万円。人とかかわるのが好きなので、シェアハウスに暮らすことになった。家賃は6万円。ほんとうに暮らすのはギリギリだけど、児童 扶養手当3万なにがしかを月々もらってなんとかやっていけている。平均的なシングルマザーだ。 このシェアハウスは、いろいろな人が出入りしている、楽しいシェアハウスだ。女性三人と男性二人がいて、キッチンは共有しているが、部屋は独立してある。広いロビイでは音楽のイベントなどもやっている。住人は子どもたちをかわいがってくれるので、ひとりだけで育てるよりもずっと気持ちが楽になった。 ところが最近、役所が変なことを言ってきた。どうも、同じ屋根の下に、独身男性がいたら、事実婚とみなすから、その独身男性が私の配偶者であり、配偶者から子どもが扶養されているということにな

    シングルマザーが福祉から排除されるとき/赤石千衣子 - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2015/06/23
    子連れのコレクティブハウスは欧州ではよくある形。孤立育児を防ぐための選択的拡大家族。日本でもこんなの→ http://www.asahi-kasei.co.jp/maison/ma-net/archives/2011/01/post_311.html
  • 自由と平等の攻防 ―― アメリカでの同性婚合法化の波を理解するために/北丸雄二 - SYNODOS

    米最高裁が伝統的な男女結婚しか当の結婚と認めないとした連邦法の結婚防衛法(DOMA=Defence Of Marriage Act)を違憲と判断したというニュースは日でも大きく報道されました。それに付随して新聞各紙やテレビも、たとえば米国でのゲイの認知度の高まりや様々な社会的な変化を、さらには世界ではすでに15カ国で同性婚が認められていることなどを紹介しています。 ところが半年ぶりに帰国しているこの日国内で、そういう事情が一般にどれだけ理解されているのだろうかというと、なんだかみなさん、きょとんとしているというか、うーんと唸ったきり思考停止になっているような感じなのです。ニュースを伝える各メディアのアメリカ特派員たちも、限られた紙面や放送時間の中で何をどう伝えればよいのか、いまひとつ決めかねて米国での報道をそのまま受け売りしたような、結果的にとても断片的な、あるいは断面的なリポート

    自由と平等の攻防 ―― アメリカでの同性婚合法化の波を理解するために/北丸雄二 - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2015/06/04
    “ストーンウォールから44年かかって欧米などではLGBTたちはやっと「セックスのバケモノ」という偏見から解放され、やがてほんとうにすぐ隣にいる「身近な生活者」なのだということが徐々に徐々に理解されてきました”
  • 「共働き社会化」の光と影――家族と格差のやっかいな関係/筒井淳也 - SYNODOS

    人口減少社会において、社会保障制度を支える労働力を確保する必要性が叫ばれるなか、あらためて女性の労働力参加が課題として浮き彫りになっている。現状で「共働き」世帯は増加傾向が続いているが、多くの場合女性はパートタイム労働などの非正規雇用に就きつつ就労調整をしているため、女性の労働は「男性の所得の不足を補う」ものではあっても「社会保障制度を支える」ものにはなっていないという問題がある。 他方で女性の労働参加の促進には、いくつか気をつけるべき点がある。のちに述べるように、世帯間の格差の拡大が懸念事項の1つである。 ■この記事は、筆者の新刊『仕事と家族』(文末に掲載)で論じた「共働き社会化」に伴ういくつかの論点を短くまとめたものである。 「共働き」世帯の割合が増えている(参照)。しかしほんとうの意味での共働き社会はいまだに実現していない。 というのは、この間の共働き世帯の増加は、一部には両立支援制

    「共働き社会化」の光と影――家族と格差のやっかいな関係/筒井淳也 - SYNODOS
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    akupiyo 2015/06/01
    選択肢は限られていて、もうあまり自由度はないんと思うんだよね。 pic.twitter.com/wRdeEEWkFc
  • なぜ若者は遣い潰されるのか――日本のアニメはブラック業界/くみかおる - SYNODOS

    先月(2015年4月)の末にようやく公表された「アニメーション制作者 実態調査報告書 2015」が大きな反響を呼んでいる。 まずNHKニュースで「アニメ若手制作者 平均年収は110万円余」と報じられるや、ネット上で話題になり、その反響の大きさを受けて調査を請け負った日アニメーター・演出家協会(通称ジャニカ)はこの報告書の公開を早める判断をして、同月29日の日付が変わるのとほぼ同時に公式サイトにアップされた。 日国内でのアニメ労働人口は1万人前後といわれている。文化庁の企画で今から6年前にも同種の調査がなされ、基礎データのいくつかはネット上で公表されてはいたのだが、今回は報告書そのものの無料公開に踏み切ったこともあって、ジャニカ側も想定していなかったほどの反響が今も続いているという。 なにしろそこに綴られている労働実態のデータは衝撃的だ。NHKニュースでの取り上げられ方をみれば、アニメが

    なぜ若者は遣い潰されるのか――日本のアニメはブラック業界/くみかおる - SYNODOS
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    akupiyo 2015/05/19
    離職9割と他人ごとではない理由。 “マッカーサー元帥が最初に手を付けたのは、敗戦国・日本からさまざまな牙を抜くことだった。憲法の改正は無論のこと、それより急がせたのが、なんと労働組合法の成立”
  • 枠組み外しの旅 ―― 「個性化」が変える福祉社会 /竹端寛 - SYNODOS

    今回上梓した『枠組み外しの旅-「個性化」が変える福祉社会』は、著者であるぼくにとっても「予想外」の内容となった。ぼくはこれまで、福祉現場からのソーシャル・アクションに関する研究や実践に関わり続けていたので、その原理と方法論を示したい、と元々考えていた。だが、書き進める中で、「社会を変えたい」というスタンスの中に含まれている誤謬や矛盾に気づいてしまった。社会の「枠組み」を変えようと志すならば、まずはその前に、自分自身の変容という「個性化」が必要不可欠なのである。 社会を変える前に自分を変える。 この言葉が陳腐なフレーズに聞こえるなら、それはあくまでも「他人事」だからである。これを「自分事」として受け止めるならば、このフレーズはとてつもない重さを持って響いてくる。 私たちが何気なく口にする「○○が悪い」という表現。これは、まじめに考えてみると、「そう評価・査定する私は悪くない」という査定者の無

    枠組み外しの旅 ―― 「個性化」が変える福祉社会 /竹端寛 - SYNODOS
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    akupiyo 2015/05/10
    “入所施設や精神科病院への「社会的入院・入所」問題を研究してきたが、他国より多すぎる施設や病院構造の問題を分析する中で、この「支援」関係が「支配」関係にすり替わる、という問題をずっと考え続けてきた。”
  • 世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い/小山エミ - SYNODOS

    米国をはじめとする海外の日研究者ら187名が、連名で「日歴史家を支持する声明」を発表した。 内容よりもまず注目すべきは、『ジャパン・アズ・ナンバーワン』のエズラ・ヴォーゲル氏、『敗北を抱きしめて』のジョン・ダワー氏、『歴史としての戦後日』のアンドリュー・ゴードン氏、『歴史で考える』のキャロル・グラック氏、『国民の天皇』のケネス・ルオフ氏、『天皇の逝く国で』のノーマ・フィールド氏ら、学問的にトップクラスであるばかりか米国のアジア政策にまで影響を与えるような名を知られた大物が、ほぼ全員名を連ねていること。わたし自身も署名したが、あとになってリストを見ると、わたしなんかが入って当にすみません、と謝りたくなる気分だ。権威主義的だと言われるかも知れないが、これだけ有名人が揃うと壮観。そして、この声明が発表されたことが、尋常ならぬ事態だということが分かる。 声明は、安倍首相が日の総理として

    世界の日本研究者ら187名による「日本の歴史家を支持する声明」の背景と狙い/小山エミ - SYNODOS
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    akupiyo 2015/05/09
    なるほど、皮肉にもやぶへびだったとは。
  • アスペルガー症候群の特性と犯罪――『アスペルガー症候群の難題』著者による解説/井出草平 - SYNODOS

    昨今、不可解な犯罪が相次いで起こっていることから、少年犯罪に注目が集まっています。昨年7月に佐世保で中学生が同級生の首を絞めて殺害した事件は皆様も覚えておられるでしょう。容疑者の少女は事件以前にアスペルガー症候群(注)の診断がされていたことが判明しました。 (注)診断名は世界保健機関(WHO)の診断基準であるICDに従って非定型自閉症となっている。稿では知的障害のない自閉症スペクトラム障害をアスペルガー症候群と呼ぶ。アメリカ精神医学学会の診断基準であるDSMの改定についてはこちらを参照。https://synodos.jp/society/4414 この事件では、殺害後に首と手首を切断していたことが衝撃を与えました。また、その行動を裏付けるように「体の中を見たかった」「人を殺して解体してみたかった」と容疑者少女は語っています。その他に、容疑者少女は過去に、父親を金属バットで殴ったこと、家

    アスペルガー症候群の特性と犯罪――『アスペルガー症候群の難題』著者による解説/井出草平 - SYNODOS
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    akupiyo 2015/04/14
    ASに限らず、幼少期から適切に扱われないことで、自己責任とされている人がどれくらいいるのだろう。これおいておくわ。https://twitter.com/t_chise/status/429659070916620288
  • 新しいセックスワークの語り方―― 風俗、援デリ、ワリキリ…、同床異夢をこえて/水嶋かおりん×鈴木大介×荻上チキ - SYNODOS

    新しいセックスワークの語り方―― 風俗、援デリ、ワリキリ…、同床異夢をこえて 水嶋かおりん×鈴木大介×荻上チキ 社会 #風俗で働いたら人生変わったwww 現役セックスワーカーによる性風俗業界のレポートとして話題になっている新書『風俗で働いたら人生変わったwww』(コア新書)は、従事する女性たちの貧困や不幸ばかりに特化されがちであったセックスワーク論に新たな視点を導入し、性風俗業界のイメージを更新した。その著者である水嶋かおりん氏、そして『最貧困女子』の著者でありルポライターの鈴木大介氏と共に、あらためてセックスワーカーの全体像を捉え直すと同時に、正しいセックスワーク論のあり方を模索する。(構成/岡堀浩太) 荻上 日は現役風俗嬢であり風俗嬢講師の水嶋かおりんさんと、ルポライターの鈴木大介さんをお招きしての鼎談をお送りします。鼎談のきっかけとなったのは、今年の2月に水嶋さんが出された『風俗で

    新しいセックスワークの語り方―― 風俗、援デリ、ワリキリ…、同床異夢をこえて/水嶋かおりん×鈴木大介×荻上チキ - SYNODOS
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    akupiyo 2015/03/25
    女だったらだれでもできるという偏見は保育、介護の専門性が無化されるのと同じだな。 "実は身体を売るということはすごく難しいことなんだということ、そのハードルの高さがまだまだ認識されていない。"
  • 思考や発見を誘発するささやかな介入――「ガブリエル・オロスコ展―内なる複数のサイクル」/東京都現代美術館学芸員・西川美穂子氏インタビュー - SYNODOS

    思考や発見を誘発するささやかな介入――「ガブリエル・オロスコ展―内なる複数のサイクル」 東京都現代美術館学芸員・西川美穂子氏インタビュー 文化 #オロコス#東京都現代美術館 東京都現代美術館で「ガブリエル・オロスコ展―内なる複数のサイクル」が開催中だ。ガブリエル・オロスコ氏は1962年メキシコ生まれ。90年代から活躍し、現在も世界の主要美術館での大規模な個展が続く現代アートの巨匠であるが、その作風は誰にでも開かれていて、非常にユニバーサル。世界各地を回りながらその土地その土地で制作をするスタイルで、会期中は日に滞在しているらしい。世界中で多くの人を惹き付ける彼の魅力を知りたいと、展覧会を担当する東京都現代美術館学芸員・西川美穂子さんに話をうかがった。(取材・構成/長瀬千雅) ――ガブリエル・オロスコ氏の個展は国内の美術館では初だそうですね。 現代美術ファンには名前が知られていますし、19

    思考や発見を誘発するささやかな介入――「ガブリエル・オロスコ展―内なる複数のサイクル」/東京都現代美術館学芸員・西川美穂子氏インタビュー - SYNODOS
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    akupiyo 2015/03/07
    どん兵衛の謎が解けた。面白かったのでオススメ。
  • グレンデール市の慰安婦像裁判は、なぜ原告のボロ負けに終わったのか/小山エミ - SYNODOS

    米国カリフォルニア州グレンデール市が市立図書館横の公園に設置した日軍「慰安婦」被害者の像が、州憲法や州法に違反するとして在米日人数名とその団体(GAHT)が訴えていた裁判で、ロスアンゼルス先週一審判決が下された。結果は、昨年一審判決があった連邦裁判所における訴訟と同じく、原告の訴えを棄却する内容。 昨年11月末にはじまった裁判がこれほど早く決着したのは、被告グレンデール市の請求にこたえ、裁判所が今回の訴訟をSLAPP(strategic lawsuit against public participation 直訳すると「市民参加を妨害するための戦略的訴訟」)と認定したからだ。 一般にSLAPPとは、政府や大企業など権力や資金力のあるものが、自分たちに批判的なジャーナリストや一般市民など比較的力を持たない者による批判的な言論をやめさせようとして起こす訴訟であり、恫喝的訴訟とも呼ばれてい

    グレンデール市の慰安婦像裁判は、なぜ原告のボロ負けに終わったのか/小山エミ - SYNODOS
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    akupiyo 2015/03/06
  • 「文化が違うから分ければよい」のか――アパルトヘイトと差異の承認の政治/亀井伸孝 - SYNODOS

    文化が違うから分ければよい」のか――アパルトヘイトと差異の承認の政治 亀井伸孝 文化人類学、アフリカ地域研究 社会 #アパルトヘイト#曽野綾子 ・曽野綾子氏の産経新聞コラムには、第一の誤謬「人種主義」と、第二の誤謬「文化による隔離」の二つの問題点がある。 ・現状において、より危険なのは、第二の誤謬の方である。 ・文化人類学は、かつて南アフリカのアパルトヘイト成立に加担した過去がある。 ・アパルトヘイト体制下で、黒人の母語使用を奨励する隔離教育が行われたこともある。 ・「同化」を強要しないスタンスが、「隔離」という別の差別を生む温床になってきた。 ・「異なりつつも、確かにつながり続ける社会」を展望したい。そのために変わるべきは、主流社会の側である。 2015年2月11日の『産経新聞』朝刊に、曽野綾子氏によるコラム「透明な歳月の光:労働力不足と移民」が掲載された。 「外国人を理解するために、

    「文化が違うから分ければよい」のか――アパルトヘイトと差異の承認の政治/亀井伸孝 - SYNODOS
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    akupiyo 2015/02/26
    ”実は、このコラムがはらむ危険性の本丸は、文化をめぐる「第二の誤謬」にある。こちらは、一見説得的に見えてしまうだけに、かえってその危うさに気付きにくい。”
  • 『絶叫』――人生は、壊れるときには壊れてしまう/葉真中顕×水無田気流 - SYNODOS

    『絶叫』著者であるミステリー作家・葉真中顕さんと、『シングルマザーの貧困』著者の社会学者・水無田気流さんによる特別対談! 母の呪い、家族のかたち、自由論議……同世代の二人が語りつくす。(構成/山菜々子 sponsored by 光文社) 母の呪い 水無田 『絶叫』読みました。とても緊張感があるミステリーでしたね。特にオチがすばらしいですね。もう、これは! 葉真中 ありがとうございます! 水無田 『絶叫』は、日の高度成長期を背景にしたギリシャ悲劇のようですね。物語の中では「母」が大きな役割を果たしていますが、母親との対峙に成功している点でも、大変に珍しい作品です。 日小説には、母性に対する幻想が捨て切れなかったり、結局は母性に回収されて終わりという話が多い中で、きちんと母性と対決している。そして、あの結末にいたります。 葉真中 それはまさに核心で、あの結末は書き始めてすぐに決まったん

    『絶叫』――人生は、壊れるときには壊れてしまう/葉真中顕×水無田気流 - SYNODOS
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    akupiyo 2014/12/28
    途中で記事を読むのをやめてキンドルでダウンロードしました。後に残しておこう。
  • 関東の看護師が足りない――西高東低と地域活性化/上昌広 - SYNODOS

    看護師が足りない。今年6月、千葉県は県内の59病院で合計2517床が稼働していないと発表した。このうち38病院は「看護師不足」を理由に挙げた。 看護師不足は千葉県に限った話ではない。07年7月には、東京都保健医療公社荏原病院の産科病棟の一つが看護師の欠員を原因に閉鎖した。当時、荏原病院の看護体制は定数316人に対し、欠員が58人だったという[*1]。これでは、病院機能は維持できない。 看護師不足は全国一律に生じているわけではない。図1をご覧いただきたい。人口あたりの看護師数が極端な西高東低になっていることがおわかりいただけるだろう。関東は九州、四国、中国地方の半分強しかいない。 図1:各県の人口10万人あたりの看護師数(正看護師と准看護師の合計) [*1] 『深刻な医師・看護師不足、東京都の危機的な病院運営』東洋経済 意外かもしれないが、我が国でもっとも看護師が不足しているのは関東圏だ。東

    関東の看護師が足りない――西高東低と地域活性化/上昌広 - SYNODOS
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    akupiyo 2014/11/12
    ジェンダー問題かとおもいきや、廃藩置県の流れをくむ養成施設設置の問題だったとは。
  • 特別永住資格は「在日特権」か?/金明秀 - SYNODOS

    「在日特権」というデマがある。《在日コリアンは日人にはない特権を享受している》と誣告するもので、例えば「申請するだけで生活保護を受給できる」「税金は納めなくてよい」「医療、水道、いろいろ無料」といったたぐいの流言群のことである。 この種のデマは、その原型を1990年代末ごろに右派メディアが報じるようになり、山野車輪『マンガ嫌韓流』(普遊社、2005年)などの影響もあって2000年代半ばごろからネットで尾ひれを付けながら普及したものだ。 その間15年余りに渡って一貫して勢力を拡大し、《在日コリアンは弱者を装いながら不当に利益をむさぼる悪徳民族だ》といった差別的な認識を増幅させることに一役買ってきた。加えて、真実に誠実であろうとする人にも、「そんなバカげた話はないと思うけど、でも『ない』と言い切るほど知識があるわけじゃないから……」と差別への反論を沈黙させる効果を生み出してきた[*1]。 [

    特別永住資格は「在日特権」か?/金明秀 - SYNODOS
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    akupiyo 2014/10/22
  • 大人が「子どもの貧困」を隠してきた/『チャイルド・プア』著者・新井直之氏インタビュー - SYNODOS

    6人に1人の子どもが、貧困に陥っている――8月29日に「子供の貧困対策大綱」が出されるなど、近年注目を集めている「子どもの貧困」。支援者だけでなく、当事者である子ども、そしてその親への取材を重ね、「子どもの貧困」の実態に迫った『チャイルド・プア~社会を蝕む子どもの貧困~』(TOブックス)が出版された。なぜ「子どもの貧困」は放置されてきたのか。そして今後の支援はどう考えるべきなのか。著者の新井直之氏にお話を伺った。(聞き手・構成/金子昂) ―― 「子供の貧困対策大綱」が出され、「子どもの貧困」への注目が集まっています。子どもの相対的貧困率は16.3%、つまり「6人に1人」が貧困という衝撃的なデータがありますが、書に収録されている4人の当事者の話は、データからは見えにくい、「子どもの貧困」の問題の根深さを感じさせるものでした。 特に深刻なのは、ひとり親家庭です。貧困率は54.6%。先進国で最

    大人が「子どもの貧困」を隠してきた/『チャイルド・プア』著者・新井直之氏インタビュー - SYNODOS
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    akupiyo 2014/10/20
    “本書は「特報首都圏」という番組での取材がもとになっています。「子どもの貧困」を取りあげるにあたって、苦労したことはなんでしょうか? ーまずは企画を通すことですね(苦笑)”
  • 絵本の読み聞かせが、子供の学力を伸ばす――全国学力・学習状況調査からの示唆/荒木啓史 - SYNODOS

    の読み聞かせが、子供の学力を伸ばす――全国学力・学習状況調査からの示唆 荒木啓史 教育社会学・比較教育教育 #絵#読み聞かせ 子供の学力は、家庭の経済水準や保護者の学歴と密接に結びついている。昨今、そうした見解を様々なメディアで目にすることが多くなったが、果たして当なのだろうか。また、仮に当であるとしたら、どうすれば家庭の経済水準等にかかわらず、子供の学力を高めることができるのだろうか。 三菱総合研究所が文部科学省より委託を受けて実施した分析結果を見ると、確かに家庭の社会的・経済的な要素が子供の学力に影響を与えていることが明らかとなった。一方で、家庭環境にかかわらず、子供が小さいころに絵の読み聞かせをすることにより、子供の学力が高まる可能性が示唆されている。そのエビデンスと、今後に向けた若干の示唆を紹介していきたい。 文部科学省は平成19年度から、全国の児童生徒の学力・学習

    絵本の読み聞かせが、子供の学力を伸ばす――全国学力・学習状況調査からの示唆/荒木啓史 - SYNODOS
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    akupiyo 2014/10/09
    絵本の読み聞かせの国際比較が知りたいのですが、探せません。どなたかご存知ではないですか?
  • 自由と幸福のリベラルアーツ――「ソルジャー」ではなく「よき市民」を/斉藤淳(『10歳から身につく、問い、考え、表現する力』)×浅羽祐樹 - SYNODOS

    自由と幸福のリベラルアーツ――「ソルジャー」ではなく「よき市民」を 斉藤淳(『10歳から身につく、問い、考え、表現する力』)×浅羽祐樹 情報 #新刊インタビュー#リベラルアーツ#10歳から身につく、問い、考え、表現する力 7月に刊行されたJ PREP 斉藤塾代表の斉藤淳氏の『10歳から身につく、問い、考え、表現する力 ぼくがイェール大で学び、教えたいこと』(NHK出版新書)。一回限りの人生を後悔しないために、そして自由民主主義社会を支える「よき市民」となるために、いま必要とされる教育とはなにか? 比較政治学者・浅羽祐樹氏によるインタビューをお送りします。(構成/金子昂) 浅羽 って、読み返すたびにグサリとくるところが違いますよね。だから、同じを何度でも手にとるわけですけど、今回、この部分がキタんです。 「人間の知的『創造力』には大きな可能性がありますが、同時にひとりの人間がめぐらすこと

    自由と幸福のリベラルアーツ――「ソルジャー」ではなく「よき市民」を/斉藤淳(『10歳から身につく、問い、考え、表現する力』)×浅羽祐樹 - SYNODOS
    akupiyo
    akupiyo 2014/10/02
    “教育は人を育てるものと考えるのって傲慢だと思うんですよね。子どもは勝手に伸びていくものなんですよ。時間を忘れて熱中できるものがある子どもはたくさんいる。それを潰さないほうが大切なんです。”