2011年9月8日掲載 尹 : いま森田さんは「たくらみゼミ」や「数学の演奏会」などを通じて、全国各地で数学のおもしろさを伝えています。ときに言語の成り立ちや仏像のたたずまいを通じて、数学の世界について語るなど、たいへん刺激のある内容です。 今回は改めて、森田さんと数学との出会いを尋ね、世界の鮮やかさと出会えるような内容になればと思っています。それにしても僕がワークショップでいつも感じるのは、森田さんの衒いなく真理を探求しようという真摯さです。 森田 : 高校生のときに思ったことがあって、それは真理というのは、哲学のような言葉だったり物理の数式のようなもので書けるといった考え方があるけれど、そうじゃなくて“真理は生きられるものだ”。 つまり真理は書き出されるものじゃなく、生きられるものだから、僕は真理を生きなきゃいけない。生きて行く時間の全体が自分にとって「これが真理なんじゃないか」