競争が熾(し)烈(れつ)な電機業界の中で「勝ち組」のシャープが、いまなお事業の「選択と集中」を加速させている。主力の液晶テレビで数千億円規模の巨額投資が繰り返される中、企業規模から考えて、幅広い製品を自前で手がけるには無理があるとの判断があるからだ。主力の液晶テレビはパネルから完成品までを一貫生産する一方、弱点分野は外部からの調達を増やしていく。徹底したメリハリで成長路線に弾みをつける考えだが、液晶依存の収益構造がますます鮮明になるリスクを懸念する声も上がっている。 シャープと東芝は昨年12月末、液晶パネルと最先端半導体の相互供給で提携した。シャープの片山幹雄社長が唱える「エレクトロニクス(電機)業界は3カ月先の展開も予想できない。必要な技術をすべて自社だけでまかなおうとすれば、莫大(ばくだい)な時間と人材、費用が必要になり、勝機を逸する」との持論が背景にある。 今回の提携でシャープは、約