有名な料理にはそれなりに、客にまつわるエピソードがあるものだ。 ポテトチップスは「ジャガイモをできるだけ薄く揚げろ!できるだけだ!」と言った客に、店が意地になってフォークでさせないほどの薄さで揚げて出したら逆に喜ばれてしまってできた、とか。 ラーメンの麺が残っていたので、店員がまかないとして、濃い汁でモリソバのように食べてたら、客が「それうまそうだ、俺にもくれ!」と言われ「つけ麺」が誕生した、とか。 スパゲティ屋で「キャビアでパスタを作ってくれ!」と頼まれて作ってみたら美味しかったけど、さすがに高いからタラコを使い始めた結果タラコスパゲティが看板メニューになった、など__枚挙にいとまがないのだが、今回はそんな「タラコスパゲティ」にまつわる話だ。 うらやましい。僕も、そんな客になってみたい。新メニューを考えるのはまだまだ難しいから、せめて「食べたいけど、メニューにないもの」をお願いできるくら