大阪府の千頭(ちかみ)雄介さん(44)は、高校生の頃から障害者の入所施設や精神科病院を転々としてきた。それは千頭さんに知的障害と自閉症に伴う激しい行動障害があるからだ。周囲からすると理解困難な自傷行為や暴力・破壊行動を繰り返す。「強度行動障害」と呼ばれる状態で、多くの親や福祉関係者は「入所施設に入れるしかない」と考える。だが、千頭さんは今、東大阪市内の長屋で1人暮らし。大丈夫なのだろうか。どうして1人暮らしできるようになったのだろうか。(共同通信=市川亨) ▽無言だが、行動で意思表示 「千頭さん、かばん見せて。洗濯物を出すよ」。通い先の施設から一緒に帰って来たなじみのヘルパー北村賢治さん(57)が、千頭さんのリュックを開け、洗い物を取り出した。千頭さんは無言。しばらくすると、茶だんすからカップを二つ取り出した。北村さんと麦茶を一緒に飲もうという意思表示のようだ。2人でソファに座り、麦茶を飲
