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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (9)

  • 日本語は論理的である - 池田信夫 blog

    学校文法では、「文は主語と述語によって成り立つ」と教わる・・・という文には主語がない。こういう場合、学校では「生徒は」という主語が「省略されている」と教わるが、この基準で日語の日常会話を分析すると、90%以上の文で主語は「省略」されている。世界の他の言語をみても同じで、主語が不可欠なのはインド=ヨーロッパ語族の一部に限られる。主語・述語モデルにもとづく生成文法も、「普遍文法」どころか「ヨーロッパ語文法」でしかない。 こうした英語をモデルとする文法に対する批判も古くからあり、時枝文法や三上章など、「日語の論理は英語とは違う」とする議論も多い。書は、学校文法や生成文法を否定する点ではこうした理論と同じだが、「日語特殊論」も批判し、日語も英語も基的には同じ論理の変種だと論じる。著者の理論的根拠とする認知言語学は第2章に要約されているが、くわしいことは著者の前著を読んだほうがいいだろ

  • 温暖化懐疑論のまとめ - 池田信夫 blog

    最近、地球温暖化や排出権取引について懐疑的な議論が急速に増えている。とても全部は紹介しきれないので、私の目についた中から、これまで紹介したを除いて今年に限り、前の記事の5段階の疑問にそって分類すると、そもそも温暖化は起きていない(寒冷化が起こる)とするもの 丸山茂徳『地球温暖化」論に騙されるな! 』 Lawrence Solomon, The Deniers 温暖化は自然現象であり、人為的な要因は重要ではないとするもの 赤祖父俊一『正しく知る地球温暖化』 槌田敦『CO2温暖化説は間違っている』 Roy Spencer, Climate Confusion 温暖化をCO2削減で止めることは不可能だとするもの デニス・エイヴァリー&フレッド・シンガー『地球温暖化は止まらない』 地球温暖化のリスクよりその対策(京都議定書)のコストのほうが大きいとするもの 池田清彦・養老孟司『ほんとうの環

  • 「食糧自給率」の向上は食糧危機を悪化させる - 池田信夫 blog

    自民党の「米粉加工品を普及推進する議員連盟」が発足し、福田首相が糧危機に関連して「こういう内外情勢になると、糧自給率を上げることは国家戦略上の課題だ」とあいさつしたという。この点は民主党も同じで、「自給率100%をめざす」などと言っている。 しかし、この政策は論理的に間違っている。いま起こっている糧危機は、穀物価格の上昇である。以前の記事でも書いたように、高騰した小麦の国際価格でさえ、国内価格の約半分。米は1/3だ。自給率を高めるというのは、割高な国内穀物を増産することだから、価格高騰の対策にはならない。むしろ自給率(国内農家)を守るための補助金が、穀物の価格をさらに高くしているのだ。 では、供給の絶対的不足は起こるだろうか。1993年、米の凶作で260万トンの緊急輸入が行なわれたことがある。その原因は、減反政策で半分近い水田が休耕田になっていたためだ。普通に生産していれば、凶

  • エコロジーという宗教 - 池田信夫 blog

    Freeman DysonがNY Review of Booksに、Nordhausの新著とイェール大学で行なわれた国際会議について書いている:Nordhausの分析は、地球が温暖化することを前提にした、環境経済学の第一人者による政策評価である。その結論は、炭素に課税することが地球温暖化に対応する必要十分条件だということで、排出権取引などは非効率な結果をもたらす有害なレトリックである。 イェール大学の会議では、科学者の賛否両論がわかれている。MITのLindzenは温暖化は起こっていると認めるが、その弊害は誇張されており、人間活動の影響も過大評価されていると主張する。これに対して議長は中立な立場だが、「多数派」を代表するポツダム大学(ドイツ)のRahmstorfは、Lindzenの議論を「世界の気象学者によって否定されたバカ話だ」と一笑に付す。 Rahmsdorfは、科学の歴史を学んだ

  • 中山信弘氏の情熱 - 池田信夫 blog

    知的財産権研究会のシンポジウムに行ってきた。1985年から2ヶ月に1回つづけられ、100回記念という息の長い研究会だ。テーマは「著作権法に未来はあるのか」。驚いたのは、会長の中山信弘氏が「今のままでは、著作権法に未来はない」と、現在の制度の抜改革の必要を説いたことだ。特に検索エンジンが「非合法」になっている問題については、6月16日の知的財産戦略部の会合で「合法化」の方向が出され、来年の通常国会で著作権法が改正されるという。メモから再現すると、こんな感じだ:著作権法は、300年前にできて以来、最大の試練に直面している。特にPCやインターネットで膨大なデジタル情報が流通し、数億人のユーザーがクリエイターになる時代に、限られた出版業者を想定した昔の法律を適用するのは無理だ。私も最近、教科書を書くために初めて全文を読んだが、こんなわかりにくい法律は他にない。昔建てた温泉旅館に建て増しを重ねた

  • ジョブズの頭の中 - 池田信夫 blog

    一時は「グーグル」が流行したが、最近は「アップル」があふれている。しかし私の読んだ限りでは、"iCon"が読み物としておもしろかったぐらいだ。特に日人の書いたものは、ウェブの2次情報の切り貼りとジョブズ礼賛ばかりで、何の参考にもならない。 その中では、Wiredの編集者が書いた書は、ジョブズ自身へのインタビューを含めて、新しい情報がある。"iCon"など、これまでのアップルは内部抗争のゴタゴタ(確かにおもしろいのだが)ばかり書かれていて、肝心の経営戦略について書かれたものがほとんどないが、書は「スティーブの頭の中」をさぐることによって、その戦略を分析している。 ・・・といっても、常識的な意味での企業戦略とかマーケティングが解説されているわけではない。「アップルには戦略チームというものがないんだ。マーケティングリサーチの予算もない」と同社のエヴァンジェリストだったガイ・カワサ

  • 崩壊する「日本ブランド」 - 池田信夫 blog

    福島中央テレビのアナウンサーが「ぐっちーさん」なる証券マン(?)のブログの記事を盗用した事件は、会社側が事実を認めて、アナウンサーを降板させる処分を決めた。ところが、当のぐっちー氏の植草一秀氏に関する記事が捏造だという記事が植草氏のブログに出て、話はややこしくなってきた。 まず問題のアナウンサーの記事は魚拓に残っているものを読むかぎり、原文の丸ごと盗用であることは明らかで、処分は当然だろう。植草氏の件は、まだ真偽のほどはよくわからないが、すでに支援グループの2年前の記事で指摘されていて、ぐっちー氏は捏造の事実を認めたという。だとすれば、彼のコラムを連載している『AERA』や、彼を匿名のままアルファブロガーと持ち上げた毎日新聞も、メディアとして失格だ。 この事件は、発端となった記事を読むと皮肉である。ぐっちー氏は、最近の品偽造事件が日人は正直だという「日ブランド」が崩壊している兆候

  • なぜ日本は失敗し続けるのか - 池田信夫 blog

    今週のEconomist誌の日特集は、これまでになくきびしいトーンだ。もう一つの要約記事とあわせて、簡単に紹介しておく(訳はかなり適当):いま世界の注目は、日に集まっている。それはその未来に対してではなく、過去に対してである。サブプライムローン問題は、1990年代に日の経験した不良債権問題に、性格も規模もよく似ている。そして日は、考えられるかぎり最悪の対応によって、その危機を10年以上も引き延ばし、経済を壊滅させた。アメリカはこの教訓に学び、すばやい償却や金融緩和などによって、危機を早く克服しようとしている。 しかし当の日には、あまり危機感が感じられない。小泉政権によって日は改革の方向に歩みだしたようにみえたが、その終わりとともに元に戻り始めている。その最大の原因は、政治が脳死状態に陥っていることだ。これについて当誌の記者が、自民党の大島国対委員長に取材したところ、彼は「何か

  • 池田信夫 blog 生産性をめぐる誤解と真の問題

    知らない人から「これは当の話なんでしょうか。 もしよろしければ論評をお願いします」というコメントが来た。そのリンク先にあった「生産性の話の基礎」という記事は、私には(おそらくほとんどの経済学者にも)理解不能である。筆者の山形浩生氏によれば、これは「経済学のほんの基礎の基礎」だそうだが、それは少なくとも大学で教えられている普通の経済学ではない。 これだけ徹頭徹尾ナンセンスだと、どこがおかしいかを指摘するのはむずかしいが、山形氏が赤いデカ文字で強調しているのは、「賃金水準は、絶対的な生産性で決まるんじゃない。その社会の平均的な生産性で決まるんだ」ということである。この平均的な生産性というのは、どうも日全国のすべての部門の労働生産性の平均ということらしいが、そんなもので賃金が決まるメカニズムは存在しない。 普通の経済学では、賃金は労働の限界生産性と均等化すると教えている。たとえば喫茶店の

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