東京発の下水道技術に世界が注目している。雨水と汚水が一緒に流れる合流式下水道の中で、水面に浮いた油やごみなどが河川へ流出しないよう防ぐ「水面制御装置」。装置といっても燃料も機械も要らず、アルミ製の板を二枚付けるだけ。国内外で特許を取り、既に国内二社と米国、ドイツ、韓国の企業とも契約。ベテラン技術者の執念と偶然から生まれた発明が世界を席巻するかもしれない。(浜口武司) 装置は、降雨の際に下水処理場の能力以上の水が処理場に流入するのを防ぐために下水管路の途中に設けられた「雨水吐(ばき)」に設置される。雨水吐では、一定量を超える下水が、分水堰(せき)を越えて河川に排出されるが、水面に浮いた油やごみも一緒に河川へ流れ出てしまい、川や海の汚染原因となっている。 そこで、分水堰と並ぶ形で横長のアルミ板「ガイドウォール」を取り付け、浮遊物が河川に流出するのを防ぐ。さらに、処理場へ向かう汚水流出管の近くに