日本政府が米政権と重ねてきた関税交渉は、米側からの一方的な相互関税率25%の通知により苦しい状況に陥った。各国の中で当初先頭集団にいたはずの日本の協議はなぜ難航したのか。舞台裏を探ると「誤算続き」の現実が見えてきた。 <関連記事> 「もはや体力勝負だ」 自動車関税、先行き見えずメーカーに焦り 「なぜ日本は農産品の関税を下げず、米国の関税を下げろと言ってくるのか」。カナダ西部カナナスキスで6月16日。主要7カ国首脳会議(G7サミット)の会場内で開かれた日米首脳会談で、同席したグリア米通商代表部(USTR)代表が突如、日本への批判を始めた。 これに対し、石破茂首相に同行した赤沢亮正経済再生担当相は「日本では農業がセンシティブで難しい」などと反論。2人の応酬が続き、日本が重視した自動車関税の見直しの議論が十分できないまま30分の会談は終了した。トランプ大統領はこの間目をつぶり、ほとんど話さず「眠
