「分厚い」ことを強みにしてみよう ――『独学大全』は全788ページで、とにかく分厚い印象ですが、元から分厚い本にする予定でしたか? 田中:大全の名を冠しているので、ある程度厚くなると思っていましたが、ここまで厚くするつもりはありませんでした。最初のうちは私もびびって、もうどうにかして削らないと……と思っていたのですが、だんだん全体を読んで学んでいくうちに、ごく一部を削って済ませられる本ではないんだと気づいたんです。それで、途中から薄くするのは諦めました(笑)。読書猿さんの「圧倒的な狂気」みたいなものを形に表現した方が、この本の強みになるんじゃないかと思うようになりました。 分厚くなった理由はいくつかありますが、当然ながら一番大きいのは、元の原稿がすごく充実していたからです。本書の構成として、学びの技法の後に解説がついています。技法の部分は、あくまでマニュアルであり、マニュアルの後に、学術的