ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (15)

  • リベラリズムにとって「手続き」と「平等」が大切な理由(読書メモ:『リベラリズム:リベラルな平等主義を擁護して』) - 道徳的動物日記

    リベラリズム: リベラルな平等主義を擁護して 作者:ポール・ケリー 新評論 Amazon ジョン・ロールズなどの特定の思想家の解説や思想史のではなくリベラリズムの「理論」への入門書が数少ないことには先日にも言及したが、今月の上旬にめでたく邦訳が出版されたポール・ケリーの『リベラリズム:リベラルな平等主義を擁護して』は現代の英米政治哲学におけるリベラリズム理論へとしっかり入門させてくれる、稀有なだ*1。 書でとくに中心的になるのが、ジョン・ロールズに由来する「政治的リベラリズム」と、ロナルド・ドゥオーキンなどに代表される「リベラルな平等主義」である。 …私は、書の主題はリベラリズムと呼びうる多様なアプローチのうちの一つであるとだけ主張する。私は、規範的政治理論としてのリベラリズム、もっと正確には、政治的リベラリズムと呼ばれうるものを扱う。政治的リベラリズムとは、もっと広いリベラル

    リベラリズムにとって「手続き」と「平等」が大切な理由(読書メモ:『リベラリズム:リベラルな平等主義を擁護して』) - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2023/08/27
    手続きというのは本来弱者のためのものなんですよね、手続きさえ踏襲するなら誰でも許容する仕組みだから。これを経由して現代では手続きに対応できないさらなる弱者が可視化されただけ。平等=根性。見せてみろよ。
  • 「思想の自由市場」の価値とはなんだろうか? - 道徳的動物日記

    ヘイト・スピーチという危害 作者:ジェレミー・ウォルドロン みすず書房 Amazon 前回の記事でも紹介したジェレミー・ウォルドロンの『ヘイト・スピーチという危害』では、表現の自由を擁護する議論の古典であり現代でも頻繁に参照されているジョン・スチュアート・ミルの『自由論』について、批判的に述べられている。 …(前略)…『自由論』におけるミルの立場とは、真理の探究は論争の唯一の重要な点ではない、というものだった。彼の言うところでは、論争は公衆の間に確立された真理についての「生き生きとした理解」を維持し、それらの真理が「感情の中に浸透し、行動に対する真の支配を獲得する」ようにするためにも、言い換えれば、それらがたんに教説の空っぽの殻にならないようにするためにも、重要である。この観点からは、コンセンサスの出現は不利益のように見えるかもしれない。「真理をその反対者に対して擁護する…必要によって、真

    「思想の自由市場」の価値とはなんだろうか? - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2023/06/09
    フラットアーサーと代々の豪族と、私により遠いのはどちらか。なお、現実からの偏向具合は同じくらいとする。
  • ミソジニー論客たちのエコーチェンバー - 道徳的動物日記

    お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード ジェンダー・フェミニズム批評入門 作者:北村 紗衣 文藝春秋 Amazon 大して話題になっている問題でもないが、つい気になってしまってTwitterで言及してしまったので、ブログのほうでも考えを残しておく。 togetter.com 上記のTogetterにもまとめられているように、2月25日から、山内雁琳 (@ganrim_)が北村紗衣の単著『お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード』に記載されている「歴史修正主義」に関する記述について批判を行うツイートをしている。 Togetterには載っていないが、発端は、高橋雄一郎弁護士による以下のツイート。 北村紗衣「お嬢さんと嘘と男たちのデス・ロード」(文藝春秋)読了。映画音楽演劇と凄まじい量の前提知識を要求する。検索しつつ読むのが大変。p91に「歴史修正主義というのは来、新史料の発掘や再解釈によってこれまでの

    ミソジニー論客たちのエコーチェンバー - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2023/02/27
    げに、げに、じつにけしからん。身分というものをわきまえとけという話ですなあ。
  • フェミニズムの「むずかしさ」に向き合う(読書メモ:『むずかしい女性が変えてきた:あたらしいフェミニズム史』) - 道徳的動物日記

    むずかしい女性が変えてきた――あたらしいフェミニズム史 作者:ヘレン・ルイス みすず書房 Amazon 出版社による紹介は下記の通り。 女性が劣位に置かれている状況を変えてきた女性のなかには、品行方正ではない者がいた。危険な思想に傾く者も、暴力に訴える者さえもいた。 たとえばキャロライン・ノートン。19世紀に困難な離婚裁判を戦い抜いて貴重な前例をつくった人物だが、「女性は生まれながらにして男性に劣る」と書き残した。たとえばサフラジェットたち。女性の参政権獲得に欠かせない存在だったが、放火や爆破などのテロ行為に及ぶこともあった。たとえばマリー・ストープス。避妊の普及に尽力し多産に悩む多くの女性を救った彼女は、優生思想への関心を隠さなかった。 しかしだからといって、その功績をなかったことにしてはいけない。逆に功績があるからといって、問題をなかったことにしてはいけない。歴史は、長所も短所もある一

    フェミニズムの「むずかしさ」に向き合う(読書メモ:『むずかしい女性が変えてきた:あたらしいフェミニズム史』) - 道徳的動物日記
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    anmin7 2022/07/04
  • 社会運動をするなら心理学を知らなければならない理由 - 道徳的動物日記

    Change Of Heart: What Psychology Can Teach Us About Spreading Social Change (English Edition) 作者:Cooney, Nick Amazon ニック・クーニーによる Change of Heart: What Psychology Can Teach Us About Spreading Social Change (『心を変える:社会変革を拡げるために心理学が教えてくれること』)を初めて読んだのは大学院生の頃だが、他にはないオリジナリティを持ったであるために印象が深く、これまでにもこのブログで折に触れて紹介してきた。いま書いている原稿の参考にするため、先日に改めて読み返したから、こちらでも内容を紹介しよう。 著者はこのの他にも、効果的利他主義に関するである How To Be Great A

    社会運動をするなら心理学を知らなければならない理由 - 道徳的動物日記
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    anmin7 2022/04/23
    実際に幾つかの社会運動ではこれをしていないから無駄に敵を作ってるのが多いよね。あとは社会運動を盾に感情をばら撒いていらぬ憎しみをかう連中の対策だけど、当事者だからこそ感情をばら撒いてしまうからなあ。
  • 社会は「男性の幸福度の低さ」について配慮するべきか? - 道徳的動物日記

    新版 現代政治理論 作者:W. キムリッカ 日経済評論社 Amazon 最近はキムリッカの『現代政治理論』をじっくりと読んでいたのだが、最終章の「フェミニズム」の章で、近頃の日(のネット上)における議論にとっていろいろと示唆に富む箇所があったので、かなり長くなってしまうけど引用する。 フェミニズム政治理論の一種である「ケアの倫理」アプローチに対する批判的なコメント、という文脈の文章であるが、政治や倫理一般にひろく当てはまる議論であるだろう。 なぜ正義を唱える理論家は、他者への責任を公正の要求に限定することが重要だと考えるのであろうか。仮に、主観的苦痛が常に道徳的な要求を呼び起こすとするならば、倫理的ケアにかかわる事柄として、私のあらゆる利益に注意を向けるよう他者に期待するのは正当である。しかし正義を唱える理論家にしてみれば、このように言うことは、自分自身の利益の一部については全責任を負

    社会は「男性の幸福度の低さ」について配慮するべきか? - 道徳的動物日記
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    anmin7 2022/03/09
    陰謀論にハマる人って「痛快!」って思うらしいですよ。
  • 生物学者に「道徳」は語れるか?(『社会はなぜ左と右にわかれるのか』+『社会はどう進化するのか』読書メモ) - 道徳的動物日記

    社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学 作者:ジョナサン・ハイト 紀伊國屋書店 Amazon 〔ジョシュア・グリーンによる「カントの魂の密かなジョーク」論文に関して〕 これは統合知の格好の例である。ウィルソンは一九七五年に、「倫理学はすぐに<生物化>され、脳における<情動センター>の活動を解釈するものとして再構築されるだろう」と予言したが、この考えは、当時の支配的な見方に真っ向から逆らうものだった。何しろコールバーグらの心理学者によって、倫理学の中心は情動ではなく嗜好であるとされていた頃のことだ。当時の政治的な風潮は、進化思考が、人間の行動を探求するための妥当な方法だとあえて示唆するウィルソンのような人物に対し、きわめて辛辣だった。 しかし、それから三十三年後にグリーンの論文が執筆される頃には、すべてが変わっていた。多くの研究分野の科学者は、情動を含めた無意識的なプ

    生物学者に「道徳」は語れるか?(『社会はなぜ左と右にわかれるのか』+『社会はどう進化するのか』読書メモ) - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2021/11/13
    かわいそうだよ ズボンのオナラ 右と左に なきわかれ
  • 社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記

    anond.hatelabo.jp 普段ははてな匿名ダイアリーの投稿にはあまり反応しないのだけれど、最近の事例についてはいろいろと思うところがあるので、昨日にTwitterに下記のような投稿をした。 社会的制裁を生み出すような道徳感情は集団や社会の秩序を維持したりするうえでは不可欠なはずであり、社会的制裁が望ましい結果を生み出すこともあるけれど、法律的な制裁と違ってコントロール不可能でありいつ望ましくない結果が出るのかもわからないので、原則的に「社会的制裁はよくない」とすべき https://t.co/xyqyMgRvhh— デビット・ライス (@RiceDavit) 2021年7月18日 "「正しい怒り」と「正しくない怒り」が存在するという考え方は、ただちに「自分の怒りは正しいが、あいつの怒りは正しくない」という発想に結び付くことは火を見るよりも明らかだ。" ネットリンチとかpublic

    社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記
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    anmin7 2021/07/19
    “有名人というものは社会的立場や能力が高かったり創造的で個性的な人格をしたりしている” ウンコ食わすのが想像的で個性的とな。
  • 「弱者男性」でありたがることのなにが問題か - 道徳的動物日記

    gendai.ismedia.jp ↑ 「弱者男性論」に関するわたしの記事が講談社現代ビジネスに掲載されてからちょうど一ヶ月になるが、この記事をきっかけに「弱者男性論」が盛り上がったようで、SNSや個人ブログに匿名ダイアリーなどで、弱者男性について書かれた文章がいくつも登場することになった。 そのなかでも特に重要なのは、文春オンラインに掲載された杉田俊介さんの記事だろう。 bunshun.jp また、はてなブックマークでは以下のツイートに数百以上のブクマが付いている。 これはわたしの話ですけれども「モテないオトコの欲求不満の解消」に必要だったのは「オンナの再分配(!)」なんぞではなく長年にわたるセルフネグレクトを自覚し解消することでした。冷蔵庫を重曹で磨くと綺麗になってうれしいとか、自炊すると美味しいとか、そこに救いがありました。 — はまりー (@travis02130213) Apri

    「弱者男性」でありたがることのなにが問題か - 道徳的動物日記
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    anmin7 2021/05/04
    このひと「くすぐる」のが上手いと感じる。いい気持ちにされてる人達がいる。
  • 能力主義は魅力的である(読書メモ:『実力も運のうち』②) - 道徳的動物日記

    実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル サンデル 発売日: 2021/04/14 メディア: Kindle版 前回の記事で論じたように、サンデルによる能力主義批判の核心は、能力主義が人々の「心情」に与える影響についての議論にある。 生まれ落ちた環境のちがいや才能の有無などの「運」の要素を無いものとする能力主義では、ある人の成功はその人自身の能力と努力と意志が成せるものだと認識されて、ある人の失敗はその人自身の無能さや怠惰さが原因であると認識されてしまう。結果として、能力主義社会の勝者たちは驕りを抱き、敗者のことを侮蔑するようになる。そして、能力主義のロジックを内面化した敗者たちは屈辱を感じるようになるのだ……というのが、サンデルの主張のポイントだ。 とはいえ、『実力も運のうち』というの面白いところは、批判対象である能力主義のロジックの魅力についても、ある程度までは説明されてい

    能力主義は魅力的である(読書メモ:『実力も運のうち』②) - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2021/04/27
    「うだつの上がらない後ろ向きな凡人」がマジョリティだからってマイノリティの諸問題を自身から切り離して凡人に押し付けて来るところあるよね。
  • 「社会学叩き」についての私見 - 道徳的動物日記

    出勤前に、サクッとメモ的に書いておこう。 Twitterはてなブックマークをはじめとしたネット・SNS界隈では、十年一日という感じで、相変わらず「社会学叩き」が盛んだ。 といっても他人事ではなくて、このブログでも、過去に、社会学や社会科学の現状について批判するHeterodox Academyの記事を訳したことがある。 davitrice.hatenadiary.jp davitrice.hatenadiary.jp また、わたしもちょっと関わっている『経済学101』でも、社会学を批判する記事が訳されて投稿されることがある。代表的なものは、ジョセフ・ヒースによる以下の記事だろう。 econ101.jp ヒースの記事における「規範的社会学」という言葉に示されているように、これらの記事で問題視されていることは、「社会学(社会科学)が、特定の道徳的規範・政治的規範に影響を受けすぎている」ことで

    「社会学叩き」についての私見 - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2021/02/03
    事故の件で揶揄してるコメあるけど、あの件は容疑者ではなく元院長呼ばわりとか公権力から庇われてるのが批判対象だった。それは理系にかかるものではなく元官僚にかかるものだからそのコメ全くナンセンスやぞ
  • ジェンダー論が男性を救わない理由 - 道徳的動物日記

    Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success 作者: Thomas Joiner Ph.D. 出版社/メーカー: St. Martin's Press 発売日: 2011/10/25 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 思うところあって、トマス・ジョイナーの『Lonely at the Top: The High Cost of Men's Success(てっぺんで一人ぼっち:男性の成功の高い代償)』を数年ぶりに読み返している。 2017年に、このの内容を紹介する記事を書いた*1。そのしばらく後には、社会学者の平山亮による「男性が自殺するのは支配欲が原因」発言を批判した*2。そして2019年には「有害な男らしさ」概念がフェミニズムやジェンダー論の文脈で流行するようになり、「有害な男らしさ」概念についての批判記事を

    ジェンダー論が男性を救わない理由 - 道徳的動物日記
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    anmin7 2020/11/07
    「提案したら断られる、怒り出す」って言っておけばいつまででも見下せるから便利よね。単に見下したいだけの人には。
  • 「研究」ってそんなに魅力的か?(読書メモ:『在野研究ビギナーズ』) - 道徳的動物日記

    在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活 作者: 荒木優太 出版社/メーカー: 明石書店 発売日: 2019/09/06 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 私自身、「在野」にありながら学術書や洋書を読んだりその内容をまとめてブログにして発信したり、という活動をしている。だから自分の活動の参考になるかと思って読んでみたが、結論から言うと not for me だった。このに寄稿している著者たちの大半とは趣味関心や「やりたいこと」や性質が違い過ぎているし、また、仮に参考にしようと思っても真似できなくて参考にできない部分が多過ぎる。 自分にとってはあまり参考にならない、ということなのでまた別の誰かにとっては参考になるのかもしれず、批判する気などはないのだが、せっかく読んだので「なぜ自分にとってはあまり参考にならなかったのか、自分にとっては受け付けられなかったか」という点だけ

    「研究」ってそんなに魅力的か?(読書メモ:『在野研究ビギナーズ』) - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2019/09/15
    そういう世界があることをもっと若いうちに知りたかった。
  • 「男性のつらさ」論についての雑感 - 道徳的動物日記

    前回の記事の続き…と言いたいところだが、大したことが書けそうにないので箇条書きで。 ●議論が盛り上がるきっかけとなった「男性のつらさの構造」記事では、男性のつらさの原因の一つを「女性の高望み」と分析していた。そして、それに対する解決策の一つとして「女性の意識改革」を主張したために、あちこちから批判されることになってしまった。 しかし、いわゆる「女性の上方婚」志向が存在して、それが男性にとっての経済力獲得プレッシャーやそれに伴うストレスや孤立の原因となっていることは、事実だと私も思う。進化心理学や経済学、あるいはジャーナリズムや文学など様々なジャンルのメディアにおいて、「女性の上方婚」の存在の実証やその原因の解説、具体例などを見つけることができる。普通に生きていて友人や知人や見知らぬ人々の会話をしていたり、SNSにおける人々の書き込みを見ていても、「女性の上方婚」志向の存在は感じられるものだ

    「男性のつらさ」論についての雑感 - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2019/06/25
    「異性に相手にされる」を社会的認証手段としている不具合を解消すべき。これのせいで「外見が悪い→異性に相手されなさそう→異性に相手にされないから性犯罪しそう、異常者だろう」って短絡した偏見持ち多過ぎ。
  • 原罪としての"男性特権" - 道徳的動物日記

    tocana.jp 上述の記事は最近話題になった「ジェンダー学版ソーカル事件」というべき事件についての紹介記事だが、この事件を起こした数学者ジェームズ・リンゼイ(James A. Lindsay) と哲学者のピータ・ボゴシアン(Peter Boghossian)が昨年にネット上で公開していた記事が興味深かったので、軽く紹介しようと思う。 www.allthink.com 記事のタイトルは「特権:左派にとっての原罪(Privilege: The Left's Original Sin)」。近年、英語圏の左派の社会運動界隈や学問界隈では"白人特権"や"男性特権"など、マジョリティである人々が持つとされる"特権(Privilege)"についての議論が盛んになっているのだが、この"特権"という概念の問題点について指摘する記事である。 それぞれ無神論に関する著作を出している無神論者であるリンゼイとボ

    原罪としての"男性特権" - 道徳的動物日記
    anmin7
    anmin7 2017/06/21
    ここより下TOCANAを信じちゃう悲しい人達の動物園
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