国政選挙で有権者1人当たりの票の重みに不平等が生じる「1票の格差」の解消を目指し、15年前から訴訟に取り組む弁護士がいる。升永英俊さん(82)だ。1年後の参院選を見据え、この問題への関心を高めるため、8月中に約2万人の法曹関係者らに手紙を送る作業を進めている。何がベテラン弁護士を駆り立てるのか。(大杉はるか) 「ようやく1万通まできました」。印刷された文書の束を前に升永さんは語った。一通一通、文書の冒頭にペンで自署する作業を6月から続けている。文書の送り先は裁判官、弁護士、憲法学者、訴訟を取材した記者ら。ぜひ読んでほしいと「親展」と表示した封筒に入れて発送する予定だ。