コメントで教えてもらったが、翻訳の難航していた"The Black Swan"の訳本が、ようやく6月に出るようだ。アマゾンで予約を受け付けている。 たぶん10年に1冊ぐらいしか出ない、世界経済危機を予告した本だ。経済を破滅に追い込むのは、金融工学がヘッジしたと称しているリスクではなく、予測不可能な不確実性だ、という本書の警告をアメリカの金融当局が真剣に受け止めていたら、こんなひどいことにはならなかったかもしれない。
まずはおつかれさま>kenn & the Gang LingrとRejawサービス終了のお知らせ:江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance - CNET Japan5月末をもって、LingrとRejawの両サービスをシャットダウンすることになりました。いずれのサービスも、すでに新規サインアップは受付停止済み、5月15日までユーザデータのダウンロード依頼を受け付け、5月16日からは新規発言ができなくなり、5月末の完全停止までの間にデータをダウンロードしていただく段取りになります。 いや、「おつかれさま」は「日本人の知らない日本語」によれば目上から目下へ使う言葉とのことなので、「お疲れの出ませんように」と言い直すことにしましょう。 それでは、何が問題だったのか。 しかし一方で思うのは、4人というのはやはり大所帯だったということです。アーキテクト・デザイナ・クライアントとい
不況の第2段階になると雇用不安が話題になるのはいつものことだが、今回は日本的雇用慣行の見直しが大きな話題になっている。いま書いている本でも雇用が主要なテーマの一つなので、この機会に「雇用」と名のつく最近の本を片っ端から読んでみた。結論からいうと、参考になる本はきわめて少ない。★5つを満点として採点してみた(読んではいけない本にはリンクを張ってない):労働市場制度改革:★★★★ 経済産業研究所の研究報告。バランスのとれた専門的なサーベイだが、ほとんどの読者には編者の論文で足りるだろう。 日本的雇用システム:★★★ これも専門的な論文集。歴史的な解説はくわしいが、理論的な分析はほとんどない。 たった1%の賃下げが99%を幸せにする:★★★ 「雇用断層」の研究:★★★ データを一通り見るには便利だが、分析や提言が弱い。 反貧困―「すべり台社会」からの脱出:★★★ 雇用はなぜ壊れたのか(
労働市場を柔軟にすべきだというと、「終身雇用が労働意欲の源泉だ」という類の反論がある。こういう人々は、日本のサラリーマンは会社が好きだから遅くまで残業すると思っているのだろうが、本書も指摘するようにそれは神話である。日米の企業で社員に質問をすると、答は次のようになる:「この会社をよくするために、いわれたよりよく働く」:日54.3%、米74.3% 「私の価値観はこの会社の価値観とまったく同じだ」:日19.3%、米41.5% 「いま知っていることを入職時に知っていたら、もう一度この会社を選ぶ」:日23.3%、米69.1%このように日本のサラリーマンは欧米人よりも会社がきらいで、今の会社に入ったことを後悔している。その原因は、転職によっていやな会社をやめることがむずかしいためと考えられる。こうした調査結果はドーア『日本の工場、イギリスの工場』で30年以上前に発見されて以来、定型的事実である。サラ
識者から指摘が出てきたので後出しじゃんけん的になるが、やはり今回の豚インフルエンザに「弱毒性」の可能性が出てきた。もっともそのことはパンデミックに至る判断とは別だが。 日経新聞記事「新型インフルの専門家「感染力あるが弱毒性」の見方多い」(参照)より。 世界保健機関(WHO)が豚インフルエンザから変異した新型インフルエンザの警戒水準(フェーズ)を引き上げたことについて、専門家の間には「パンデミック(世界的大流行)になる恐れが強まっているが、ウイルスは健康影響のリスクが小さい弱毒性の可能性が高く、すぐに重症患者が多発する事態になるとは考えにくい」と、冷静な対応を求める声が多い。 また。 ただ、ウイルスの病原性については、今のところ「感染しても健康被害のリスクが小さい弱毒性」との見方が大勢だ。「今回のウイルスが(重症者が多発する)強毒性とは考えにくい」(鳥取大学の伊藤寿啓教授)、「病原性はそれほ
今はネットワークを使ったWeb APIを提供するサービスが増え、それを利用したMashupも増えてきている。様々なデータを容易にとれ、Webシステムを開発できるのは魅力だが、開発中にもネットワークが必須というのが大きな足かせになる。 Mashupのテストがしやすくなる便利なライブラリ また、アクセス自体に料金がかかる場合、開発中の利用を躊躇してしまう。そのような経験がある方はFakeWebを使うべきだ。 今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはFakeWeb、Webアクセスを偽装する便利なライブラリだ。 この手のものは一時期考えなくもなかったが、自分でサーバを立てる方法がいいかと思っていた。だがFakeWebの場合は違う。指定したURLへのHTTP(恐らくHTTPSも)接続を横取りし、予め指定した結果を返すライブラリだ。 複数アクセスによって返却値を変えられる 予め返却されるデータと、接
人材派遣業「マルゼンロジスティックス」(名古屋市中村区)がキヤノンの子会社「長浜キヤノン」(滋賀県長浜市)との請負契約終了に伴い従業員を契約途中で解雇する際、会社が解雇通告したのに、自己都合で辞める内容の「退職届」を書かせていたことが分かった。 自己都合退職の場合、会社は解雇予告手当を払う必要がない一方、労働者は失業給付をすぐに受け取れないなど不利益が大きい。マルゼンは「退職届」への署名を長浜キヤノンから支給された「生活支援金」の受給や有給休暇買い取りの条件にしていたといい、支援の労働組合は「卑劣なやり方」と非難している。 長浜キヤノンは今年2月、マルゼンなど請負8社との契約終了を発表。請負労働者約1000人への支援金として8社に計約4億円を支払うとし、マルゼンには既に支払った。 「退職届」は「生産停止に伴い、2009年○月○日付けをもって退職を希望したいのでお願い致します」と印刷され、署
JavaScriptはAjaxを境にして一気に進化の階段を上っている。JavaScriptフレームワークをはじめとして、様々なJavaScript周囲の実装が出始めている。そんな中にあって、JavaScriptの立ち位置はまだクライアントサイドが中心になっている。 サーバサイドJavaScriptのみならずアプリケーションフレームワークも提供 そろそろ一歩脱しよう。そう、サーバサイドJavaScriptを目指すのだ。 今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはEjscript、サーバサイド&フレームワークのJavaScriptエンジンだ。 サーバサイドJavaScriptを実現する技術やソフトウェアは幾つか存在する。その中にあって、特にEjscriptに注目したいのはWebフレームワークも実装されている点だ。それもScaffoldやMVCのサポート、Webサーバ機能などがある。Ruby o
これは便利かも。標準でWindowsが提供しているコピー/移動機能を使っていると、サイズの大きいファイルや多数のファイルを一気に移動させようと思った時に相当な時間がかかることがある。そのせいでいらいらさせられた経験がある人も多いはずだ。 ファイルコピー/移動を高速化 それを改善するには専用のコピー/移動ツールを使うことが多かったが、実際にコピー処理を行ってみないとファイルが多いか少ないか分からない場合も多い。その際、毎回専用ツールを立ち上げるのは面倒だった。だがこれからはSuperCopierを使えば良い。 今回紹介するオープンソース・ソフトウェアはSuperCopier、エクスプローラ拡張として提供される高速ファイルコピー/移動ソフトウェアだ。 SuperCopierの利点はエクスプローラを拡張する形式で提供される点だ。SuperCopier自体は常駐型のアプリケーションなので、常に起動
【ニューヨーク=田中光】米食品医薬品局(FDA)は1日、脂肪燃焼をうたった健康食品(サプリメント)のハイドロキシカットの使用を中止するよう警告を出し、カナダにあるメーカー側も自主回収を始めた。死亡例や、肝臓移植を必要とする肝機能障害が報告されているという。 FDAによると、ハイドロキシカットは主に脂肪を燃焼させ、体重を減らす効果をうたい、薬局やコンビニなどで売られている。昨年1年間で900万個が販売され、日本のインターネットサイトでも販売されている。 これまでに19歳の男性が死亡するなど、23件の肝機能障害が報告されている。このほか、発作や横紋筋融解症などの健康被害もあった。どの成分が健康被害につながっているか調査しているという。
2009年04月28日18:30 カテゴリLove 無銭は貧困にあらず - 佐々木秀嶺師との邂逅 まさか、生きてお会いできるとは。 しかも、この日本で。 破天 山際素男 あの「男一代菩薩道」の佐々井秀嶺師が、実に44年ぶりに日本にいらっしゃった。それに生きて立ち会うことが出来ただけでも信じられない良縁なのに、直に話ができるとは。機会を設けて下さったアスペクトに改めて感謝。 佐々井秀嶺氏の伝記としては、さらに「破天」がある。その著者である山際素男氏は、今回不在だった。今年三月に逝去されたのだ。「佐々井秀嶺師を囲む会」の席でそのことを知り、自らの縁のよさを改めて噛み締めた。 囲む会で、インドと日本の違いについての質問が出ることは当然とも言えよう。その質問に、師はこう答えられた。 日本では、お金がなければ何も出来ないようだ。インドでは無一文の人でも托鉢に応じてくれる。 実に師らしい。拝金主義を糾
元同僚から送ってもらったNIRAの緊急提言は、よくできている。内容はおおむね経済学者のコンセンサスだが、長期雇用だけを「正規雇用」として転職を悪とみなす労働行政を変えるべきだと明確に提言し、flexicurityの理念を掲げたことは注目に値する。 この表でもわかるように、終身雇用と呼べるような実態は従業員1000人以上の大企業の男性社員に限られており、その労働人口に占める比率は8.8%にすぎない。これは戦後ずっと変わらない事実であり、終身雇用が日本の伝統だなどというのは幻想である。しかも次の図のように、この30年間で産業別の成長率は大きく差がついている。全産業で一律に雇用を守ることは不可能であり、労働市場の硬直性が労働生産性を(したがって成長率を)制約している。 図のように生産性格差が大きく開いている現状では、雇用政策は衰退産業から成長産業に労働力を移転する産業政策の役割も果たす。かつ
ニューズウィーク日本版で、「映画ザ・ベスト100」のリストを紹介している。アメリカの映画関係者が選んだものなので、ハリウッド映画に片寄っているが、連休にDVDを借りる参考になるかもしれない。このリストのうち80本以上見たが、私のベスト10はかなり違う:博士の異常な愛情 タクシー・ドライバー 戦艦ポチョムキン 大列車追跡 パルプ・フィクション 勝手にしやがれ ストレンジャー・ザン・パラダイス ブルー・ベルベット 真夜中のカーボーイ カッコーの巣の上で1は文句なしのトップで、「2001年宇宙の旅」より映画としておもしろい。あとは順不同だが、この種のリストでいつもトップになる「市民ケーン」は、何がいいのかちっともわからない。「ワンシーン・ワンカット」の技法は溝口のほうが早いし、作品の完成度も高い。映画史上の重要性なら、3には及ばない。4のキートンは、日本ではチャプリンに比べてま
昨今の非正規労働者をめぐる議論では、終身雇用の正社員こそ理想の雇用形態で契約労働者は変則的な好ましくない形態だという前提があるが、これは根拠のない思い込みにすぎない。以前の記事でも書いたように、企業が労働者を直接雇用する形態は請負制度より新しく、垂直統合型の企業組織で熟練労働者を囲い込むためにできたものだ。このような自由を奪われた「社畜」を理想だと思い込んでいるのは奴隷根性である。 直接雇用のもう一つの意味は、農村から出てきた労働者を企業のコミュニティに組み込んで労使紛争を抑制することだった。この点で、日本の「家族主義経営」と企業別組合は、企業をイエのような大家族として組織し、世界に冠たる成功を収めた。しかし90年代以降、こうした家父長的システムが崩壊して「核家族化」し、日本的中間集団の求心力が失われてきた。 本書はこの問題を「リベラル/コミュニタリアン論争」から説き起こす。そこではア
『はてな廃人』の著者、石垣終風氏に聞く inspired by ゲーム依存・ネット中毒…。「廃人」の実態が明らかに ――まず、ぶこめとか増田にはまる人々を取材しようと思われたきっかけと、取材相手をどのように募集したかを教えてください。 終風 僕の知り合いで、30歳過ぎたいいおっさんが増田やブコメに熱中し、偉そうにブックリストをひけらかしたり、派遣村支援に行ったりという話を、何人かから聞いたためです。これはどうしたことだ、というのが取材を始めたきっかけでした。 調べてみると、ぶこめや増田にはまったのは社会からきちんとドロップアウトできない人が増えたかららしい。彼らは「はてな廃人」と呼ばれるが、これは蔑称的な意味合いだけでなく、「ネットの世界ではこんなに知的だ」という尊敬や、自嘲、プライドのようなものも混じっているようだ。 例えば、本の最初に登場する30代男性は、東大を中退した人でした。2番目
もう憲法について自分が思うことは書いてしまった、卒業、的な感じがするのと、まだよくわかってないなという部分もあるにはあるけど。 まあ、新味な話でもないが。 日本国憲法っていうのは、あれ、constitutionつまり、国家の骨組みということで、どういう骨組みかというのを一言でいうと、立憲君主国、ということ。 だから、君主国というのと、主権在民をどう骨組みすんの? というのが最初の課題になっている。だから、第一章が天皇になっているのだけどね。そのごく基本もわかってないおばかも多くなってきたというか、いや、これずっとわかってないの戦後史でもあるのだけど。 橋爪大三郎が、天皇はくじ引きで決めたらいいんじゃないの、と以前朝日新聞で提言していて、橋爪ともあろうがなんて頽落しちゃったんだと思ったけど、「皇位は、世襲のものであつて」とあるのにね。ただ、どう世襲するかは「皇室典範の定めるところにより」なの
中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計 (1/2ページ) 2009.4.30 19:03 中国が東トルキスタンで実施した核実験による被害で同地区のウイグル人ら19万人が急死したほか、急性の放射線障害など甚大な影響を受けた被害者は129万人に達するとの調査結果が札幌医科大学の高田純教授(核防護学)によってまとめられた。被害はシルクロード周辺を訪れた日本人観光客27万人にも及んでいる恐れがある。 5月1日発売の月刊「正論」6月号掲載の「中国共産党が放置するシルクロード核ハザードの恐怖」と題する論文で明らかにした。 高田教授は2002年8月以降、中国の核実験に伴う影響を調査した。高田教授によると、中国の核実験は1996年までに爆発回数で46回。爆発威力や放射線量、気象データや人口密度などをもとに被害を推定した。
⇒はてなブックマーク - http://anond.hatelabo.jp/20090430150642 元⇒http://anond.hatelabo.jp/20090430150642 洋物ばっかりなので、実は翻訳の質がかなり問題でもあるのと。 あと、私もこれけっこう読んでいたり、それなりに知っているのが大半なので、それほど新味はない。デイヴィドソン『真理と解釈』とかローティ『哲学と自然の鏡』はちょっとへぇと思う。それなりに取り組んでいる日本人もいるのだろうとは思う。 個別に見ていくと、チョムスキー『文法理論の諸相』とヴィゴツキー『思考と言語』が並んでいるあたりで、まあ、リスト作った人のレベルがわかる部分はある。 クリシュナムルティ『生と覚醒のコメンタリー』は、ちょっとあれ?と思う部分はある。この作品はたしか第二次大戦中のもので、そういう文脈がわかっているだろうか。読みにくくはないが、
⇒ムーミン谷に行ってきた2 - concretism 先日これ↓を見た。 ムーミン谷の彗星 [DVD]: 斎藤博, 高山みなみ, かないみか, 佐久間レイ, 子安武人, 中尾隆聖, 谷育子, トーベ・ヤンソン, ラッセ・ヤンソン: DVD 感動というのもでもないけど、いや、感動かな。けっこう完成度が高くて驚いた。 天文台の人々が特に良かった。 ジャコウグマもよかったな。北欧というか、西欧のあるとても大切な部分の人の感覚をうまく写し取っていた。
久々の更新なのでちょっとは刺激的なことを書いてみる。 今時のプログラマにはオブジェクト指向は必須、常識、みたいな言説はよく聞きます。 しかし、煽りでもなんでもなく、実のところ現場ではあまり使わない、というのも事実だったりします。 そりゃ、ライブラリやフレームワークでは使いますよ。しかし、多くのプロのプログラマが会社で作るような「業務アプリ」の世界において、プログラム全体の中でライブラリやフレームワークの占める割合は大きくはない。10万行のシステムを書いて、5万行が(自社開発の)共通ライブラリやフレームワークだというのなら、それはおそらく設計が間違っています。まず8割以上は「業務ロジック」のプログラムになるんじゃなかろうか。 そして、たいがいの「業務アプリ」は、フロントエンドがWebであろうがクライアントアプリであろうが、データの本体はRDBMSにあり、それを操作するのはSQLです。よって、
普通の有線マウスを何年も使い続けてきたが、他の人の使っているコードレスマウスを使ってみて、なかなか良いものだと思うようになった。自分のMac Book Pro用にコードレスマウスを買おうと物色していたところ、BluetoothかUSBかという問題で行き詰ってしまった。意外なことに、BluetoothとUSBタイプのマウスの正確性、(マウス及びノートブックの)バッテリー消費量や無線干渉などについて体系的に比較したデータはあまり出回っていないようだ。MacユーザとしてはUSBポートを塞がないBluetoothは利点かな、と思っている。またBluetoothは(理論上)USB程バッテリを食わないようなのだが、実際のところはどうなのか気になるところだ。 更にいろいろ調べていたところ、Bluetoothマウスの方が付属機能の数がずっと少ない(またシャレた機能も少ない)ことに気付いた。例えばこのLog
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