《前説》 今日から秋の火災予防運動が始まりました。住宅火災の死者を減らそうと、国は住宅用火災警報器の設置を進めていますが、高齢者の犠牲を防ぐにはそれだけでは足りないことがわかってきました。山﨑解説委員に聞きます。 火災警報器の効果はどうなっているのですか? 住宅用火災警報器の設置が義務化され、設置が進むにつれて効果が出始めています。 東京消防庁の分析では、平成22年の東京の住宅火災の件数は1869件で、平成に入ってから初めて2000件を下回りました。警報器によって、火災に至らなかったケースが増えています。また住宅火災100件あたりの死者は、警報器がなかった場合は6.1人でしたが、あった場合は3.3人と2倍の開きがありました。 しかし限界もみえてきました。 65歳以上の高齢者に限ってみると、死者数はあまり変わっていません。警報器が設置されていたにも関わらず死者がでた火災では、死者の71%