どっちがホンネ? 子どもたちの教育はなんのため、と尋ねられれば、まずは「健全な発達と成長を促し、おとなになってからの充実した人生に備えるため」と答えるべきだろう。子どもは、周囲からどんどん新たな情報を吸収し、それを自分のなかで体系づけながら、自分自身の世界をつくっていく。そうやってつくられたアイデンティティが、その後の人生を支えていく。そういった自然な成長の過程をサポートする活動を教育という。多くの人に異論はないはずだ。 ただし、実際に教育現場で行われていることは、そうではない。子どもたちの内部にニーズがあろうがなかろうが出来合いのカリキュラムに設定されたことをあの手この手を使ってインストールすること、そして、その結果とされている知識や技能を点数化して競わせることが教育の実際になっている。さらにわるいことに、カリキュラムに設定された知識や技能の本当の意味は大半無視されて、その成果を測定する