ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (94)

  • 女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明

    32歳の健康な女性の頭部MRI冠状断画像(画像は着色されている)。最近の研究により、女性の特定の脳領域の体積は月経周期とともに変化することが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY DR P. MARAZZI, SCIENCE PHOTO LIBRARY) 月経周期を生じさせている女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の増減にあわせて、感情や記憶、行動、情報伝達の効率などをつかさどる脳の領域も劇的に変化していることが、同時期に発表された2つの研究で示唆された。2023年10月5日付けで学術誌「ネイチャー・メンタル・ヘルス」に発表された研究と、2023年10月10日に査読前論文を投稿するサーバー「bioRxiv」で公開された研究だ。 女性の脳の変化が感情や認知にどんな影響をもたらしているのかまではまだわからないが、米ノースウェスタン大学の神経生物学者であるキャサリン・ウーリー氏は、

    女性の脳は月経周期で劇的に変化する、感情や記憶への影響は不明
  • そもそもなぜ1日8時間、週5日、週40時間労働が標準的なのか

    1927年頃、米デトロイトのフォード・モーター社の工場内で、自動車のボディの組立ラインで働く男性たち。実業家ヘンリー・フォードは、現代では当たり前になっている週5日勤務制の普及に貢献した。(PHOTOGRAPH BY POPPERFOTO, GETTY IMAGES) 週の最大労働時間を現在の40時間から32時間とする法案が、米国の議会に再提出されたのは3月上旬のこと。週4日勤務制を採用するべきかどうかは、何年もの間、米国の人々の強い関心の的となってきた。 だが、そもそもなぜ週40時間働くことを求められているのだろうか。土曜日と日曜日が聖なる休日とされている理由はなんだろうか。こうした概念が職場の常識となった経緯を紹介しよう。 なぜ週5日働くのか 何世紀もの間、米国の雇用主は週ごとの休みを設けることなく、労働者を長時間働かせていた。しかし19世紀初頭、多くの雇用主が日曜日を休みとすることを

    そもそもなぜ1日8時間、週5日、週40時間労働が標準的なのか
  • 依存症の万引き、店内風景を誤って学習、薬物と同様の仕組みか

    悪い結果を分かっているのに、一時の充足感のために万引きを繰り返すケースは、窃盗症によるものが少なくないという。その場合、行動依存症の一種と考えられるが、仕組みの科学的な解明はほとんど行われてこなかった。刑罰を与えても止められず、また、効果の限定的な治療法しかなかった。 例えばアルコール依存症では、飲酒時に居酒屋や自宅の卓などの場所を関連付けて不適切な学習をしてしまう結果、そうした環境が引き金となって強い欲求が起きる。同様に窃盗症でも、手がかりの刺激に対する不適切な学習があり、行動や脳の活動が変化している可能性がある。 そこで研究グループは、窃盗症患者11人と健常者27人の協力を得て実験をした。スーパーマーケットの店内風景、陳列された品と文房具、全く無関係の屋外、それぞれの写真や動画を示し、視線の注視などの特徴や瞬き、瞳孔の変化、脳の活動を測定し、結果の組み合わせのパターンを比較した。

    依存症の万引き、店内風景を誤って学習、薬物と同様の仕組みか
    arakik10
    arakik10 2023/03/16
    窃盗症 依存症
  • 300万年前の「意外な」石器を発見、作者はヒト属でない可能性

    科学者たちはケニア南西部のニャヤンガ遺跡を発掘し、300点以上の石器を発見した(写真は発掘調査開始前の2014年に撮影したもの)。(PHOTOGRAPH BY T.W. PLUMMER, HOMA PENINSULA PALEOANTHROPOLOGY PROJECT) 考古学者たちがケニア南西部のニャヤンガ遺跡で特徴的な石器を発見した。石器は最も古くて300万年ほど前のものと考えられる。オルドワン技術(旧石器時代初期にアフリカ東部で発達した道具製作の伝統)を用いた石器としては世界最古のものだ。 さらに意外だったのは、これらの石器がパラントロプス属の化石と共に発見されたことだ。パラントロプス属は、現生人類を含むヒト属とは異なる系統の初期人類である。 この発見は、私たちヒト属以外の初期人類も石器を使っていたという説を裏付けると同時に、オルドワン技術の始まりが、これまで考えられていたよりも数十

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  • 「感染力は最強」、コロナXBB.1.5について今わかっていること

    オミクロン株のウイルス粒子(オレンジ色)に感染した細胞(紫色)の着色走査型電子顕微鏡写真。新型コロナ感染症の患者から分離した。(MICROGRAPH BY NIAID/NIH) 極めて感染力の強いオミクロン株の亜系統「XBB.1.5」は現在、米国で支配的な株となっている。初期のデータは、以前に獲得した免疫をXBB.1.5がほかの変異株より効果的に逃れていることを示しており、公衆衛生当局者の間では、冬の間に感染の波が起こるのではないかとの懸念が高まっている。 2022年12月から2023年1月の第一週までに、XBB.1.5の割合は、米国全土で確認された新型コロナウイルス感染症の陽性例の約1%から40%以上にまで急増した。北東部の州では、12月25日からの1週間における全症例の75%以上をXBB.1.5が占めた。一方で、この株がより重症化するかどうかを示すデータはまだ存在しない。 「XBB.1

    「感染力は最強」、コロナXBB.1.5について今わかっていること
  • 2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった

    毎年、世界中の研究者が、人類の知の蓄積に貢献している。 古生物学者や考古学者は過去の痕跡から、はるか昔に失われた生命や文明を明らかにする。生物学者や地球科学者は地球とこの星に暮らす生命の仕組みを解明し、天文学者は地球の外に広がる謎を追求する。そして医学者は、人体の複雑さとそれを脅かす病気を研究し、人類という種を守るための新たな手段を開発する。 人類の絶え間ない探求と実験からもたらされる発見は、予想もしなかったようなものであることも少なくない。今年、特に大きな驚きとなった発見を以下にまとめた。

    2022年の驚くべき発見22 人類の知はこれだけ広がった
  • 世界は「ゾンビ」だらけ、寄生されれば人間も…

    エメラルドゴキブリバチはゴキブリをゾンビ化し、我が子の保育室にしてしまう。ゴキブリバチはゴキブリの脳に毒を注入して行動を操作する。たとえ卵を産み付けられ、孵化した幼虫に体を中からい破られたとしても、ゴキブリは無抵抗だ。(Photograph by Anand Varma, Nat Geo Image Collection) ゾンビは実在する。いや、自然界はゾンビであふれている、というほうが正確か。菌類はアリの脳を乗っ取り、ハチはゴキブリの体を麻痺させる。いずれも寄生体による宿主のゾンビ化と呼ばれる行為だ。「研究によれば、菌類、バクテリア、蠕虫(ぜんちゅう)、そしてハチの中に、ゾンビ化させる生物がいます」と、先日発売された書籍「Plight of the Living Dead」の著者、マット・サイモン氏は話す。「動物界では、非常に広く見られる現象です」 映画でよく見るゾンビの元となった狂

    世界は「ゾンビ」だらけ、寄生されれば人間も…
  • いま主流のオミクロン株の「危険度」、従来株と同レベルか

    2022年4月18日、米ニューヨーク、ブルックリンの会場で新型コロナ感染症の検査を行う医療従事者。ニューヨークでは、感染力の高いオミクロン株のBA.2系統が感染者の増加に拍車をかけている。(PHOTOGRAPH BY SPENCER PLATT, GETTY IMAGES) 米国では新型コロナウイルス感染症の感染者数が再び増加している。背景にあるのはオミクロン株のBA.2系統と、その“子孫”でさらに感染力が強いBA.2.12.1亜系統だ。わずか2カ月間という短い停滞期の後、多くの人々がマスクの着用をやめ、パンデミック前の生活に戻ろうとしている中での増加に、専門家らは懸念を募らせている 4月1日から24日の間に、新型コロナの新規感染者は75%も増加した。その多くがBA.2系統によるものだ。 4月22日の時点で、BA.2は米国の感染者の約68%、BA.2.12.1は約29%を占めている。入院患

    いま主流のオミクロン株の「危険度」、従来株と同レベルか
  • 世界初のプログラマー、19世紀の伯爵夫人エイダ・ラブレス

    1835年、20歳のエイダ・ラブレスの肖像画。母親譲りの数学的な厳密さと父親譲りの想像力を合わせもつ女性だった。(IAN DAGNALL COMPUTING/ALAMY) 1833年夏のとある月曜の夜、17歳のエイダ・バイロンは母アナベラとともに、英国の数学者チャールズ・バベッジの家を訪ねた。その12日前に上流社会の夜会でバベッジに会ったバイロン嬢は、彼が製作しているという機械の説明に心を奪われていた。 その機械は青銅と鋼鉄でできた手回し式の装置で、何層もの歯車と、ハンマー状の金属製のアームと、番号のついた数千個の円盤を使い、自動的に数式を解くことができた。バベッジが「階差機関(Difference Engine)」と呼ぶこの機械は未完成で、高さ80cmほどの小さな試作機しかできていなかったが、ガラガラと音を立てて回転し、難しい数式の答えをはじき出した。 バベッジは、階差機関が完成すれば、

    世界初のプログラマー、19世紀の伯爵夫人エイダ・ラブレス
  • 「コロナのつま先」の謎、コロナと同時に急増でも検査は陰性

    典型的なしもやけは、痛みを伴う皮膚の微小血管の炎症で、何度も寒さにさらされるせいで発症する。新型コロナのパンデミックの初期には、しもやけの症状を呈する患者が急増した。その原因が新型コロナウイルスなのかどうか、医師たちは首をかしげた。(PHOTOGRAPH BY SCIENCE SOURCE) 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)発生後の数か月間に、リサ・アーキン医師は、これまでにないほど多くの腫れて変色したつま先を診察した。 アーキン氏は、米ウィスコンシン大学マディソン校の小児皮膚科医だ。例年なら、年間に診察する凍瘡(とうそう)、いわゆるしもやけの患者は2人ほどしかいない。ところが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最初の波が発生した2020年4月には、30人のしもやけ患者が受診した。「オンライン診療でも対面診療でも、救急外来は、つま先が紫色になり、腫れや水疱、不快

    「コロナのつま先」の謎、コロナと同時に急増でも検査は陰性
  • 長引くコロナの心臓後遺症、なぜ? 治療法は? 研究に進展

    新型コロナウイルス感染症患者の肥大した心臓のX線写真。74歳の女性。回復から何カ月もたち、胸部スキャンやその他の検査結果が正常に戻ったにもかかわらず、心血管系の症状が続く患者もいる。(PHOTOGRAPH BY P. MARAZZI/SCIENCE SOURCE) ダニエル・ハフさんが最初に胸の痛みに気づいたのは、ランニングマシンで走っているときだった。米イリノイ州で学校運営に携わる30代の彼女は、その2、3週間前に新型コロナウイルス感染症から回復したばかりだった。回復するまでは、喉の痛み、頭痛、鼻づまり、咳(せき)、嗅覚の消失、体の痛み、軽い結膜炎、胸にボウリングの玉がのしかかるような重さなど、新型コロナのあらゆる症状を経験した。 しかし、今回の胸の痛みはその時とは違った。鋭い痛みが突然襲ってきたのだ。毎日、ヨガやウォーキングをするなど、健康的な生活を心がけていたのに、恐ろしくなって全く

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  • 解説:ウクライナ情勢、分断と対立を生んだロシアとの根深い歴史

    2014年、モスクワの圧力を受けたウクライナ政府が欧州連合との関係強化の合意を断念したことにより、キエフのマイダン(独立広場)は騒乱の渦に巻き込まれた。ウクライナの西側への接近に反対するロシアは、隣国に侵攻する構えを見せている。(PHOTOGRAPH BY JEFF J. MITCHELL, GETTY IMAGES) ロシアによるウクライナ侵攻の脅威が連日報道されているが、両国の対立は昨今に始まったわけではない。長く複雑にからみあったその歴史を振り返れば、今日の対立の舞台がどのようにできあがったかが見えてくる。 両国の歴史は、1000年以上前にバイキングが現在のウクライナの首都キエフを中心に築いたスラブ系の大国、キエフ公国の時代に遡る。ウクライナロシアも起源は同じ国だった。(参考記事:「バイキング、知られざるその壮大な歴史」) 西暦988年、キエフ公国のノヴゴロド公ウラジーミル1世がギ

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  • 事故のおかげでマリアナ海溝の深さが偶然判明、1万983メートル

    1台だけ無事に戻ってきたディープサウンド・マーク2。(PHOTOGRAPH BY DIETER BEVANS) それは、何かが起こったことを知らせる最初のサインだった。2014年12月、調査船ファルコーに乗船していたデビッド・バークレー氏が、船体に付けた水中マイクの音をヘッドホンで聞いていると、打ち付ける波の音に混じってかすかな破裂音がした。 船の下の海中では、2台の科学機器が、深い太平洋の底を目指してゆっくりと下降しているはずだった。そこは、マリアナ海溝の水深1万メートルを超えるチャレンジャー海淵。世界最深の海だ。(参考記事:「地球最深マリアナ海溝で微生物の群集を発見か」) カナダのダルハウジー大学で准教授を務めるバークレー氏は、米スクリップス海洋研究所の大学院生だったときに、海中の音を録音する小型で安価な機械を開発するプロジェクトを始めた。海中の音を調べることで、海の構造がわかるだけで

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  • 新型コロナの臓器損傷、世界最高輝度のX線が明らかに

    欧州シンクロトロン放射光研究所(ESRF)の科学者ポール・タフォロー氏が参加する国際プロジェクト「ヒト臓器アトラス」は、階層的位相コントラスト断層撮影法(HiP-CT)を使って新型コロナウイルスによる死者の脳などの臓器をスキャンした。HiP-CTスキャンは、臓器の全体像からズームインして、関心のある領域の細胞まで見せてくれる。(PHOTOGRAPH BY LUCA LOCATELLI) 階層的位相コントラスト断層撮影法(HiP-CT)という強力なX線スキャン技術によって、人体の最も微細な毛細血管や、個別の細胞のレベルまで拡大した画像が撮影できるようになった。この新技術は、30人以上の科学者による国際チームが生み出した。 HiP-CTはすでに、新型コロナウイルスが血管や肺にどのような損傷を与えるかについて、新たな見方を提供している。研究者たちは、この撮影法に大きな可能性を見出しており、病気や

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    arakik10
    arakik10 2022/02/07
  • トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰

    立ちのぼる噴煙の中、1分あたり5000~6000回という記録的な頻度で火山雷が発生した1月14日の様子。(PHOTOGRAPH BY TONGA GEOLOGICAL SERVICES, REUTERS) トンガの首都ヌクアロファの北約65キロメートルに位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイは、もともとは山頂の一部だけを海面から覗かせていた細長い2つの小さな島で、フンガトンガ島とフンガハアパイ島と呼ばれていた。2014年の噴火で第3の島ができると、やがて、3つの島がつながって1つになった。2021年12月の噴火では、噴出した火山岩と火山灰によって新たな土地が生まれ、島は徐々に大きくなっていった。 そして2022年1月15日の大噴火となった。衛星写真で見ると、巨大火山はほぼ完全に海中に没し、見えているのは2つの小さな岩礁だけになった。しかし、数週間後か数年後には、火山は再び隆起するはず

    トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰
  • コロナ感染で人格が変わる? 脳研究でわかってきたこと

    フォトジャーナリストのジャラル・シャムサザラン氏は、アルツハイマー病と闘う父の姿を記録した。写真は、母が父に、ここは父自身が若い頃に建てた家なのだと教えているところ。神経科学者らは、新型コロナ後遺症の症状の一部がアルツハイマー病などの神経変性疾患の症状と似ている点に注目している。(PHOTOGRAPH BY JALAL SHAMSAZARAN, NVP IMAGES) 2020年の前半、新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加していた米ニューヨーク市で、尊敬される救急医ローナ・ブリーン氏が自死した。49歳だった彼女は、ニューヨーク長老派アレン病院の医長を務めており、聡明で、精力的で、有能な人物と評価されていた。精神疾患の病歴はなかったが、新型コロナに感染したことで状況は一変した。 ブリーン氏は同年3月18日に発症し、10日間の闘病を経て仕事に復帰した。しかし家族は心配していた。氏が混乱し、

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    arakik10
    arakik10 2022/01/10
  • アカシア、樹液でアリを奴隷に変える

    アリは、アカシアの樹液に含まれる酵素によって糖分依存状態に陥る。 Photograph by Alexander L.Wild 互いに利益を得ながら進化してきたアカシアとアリだが、その相利共生の関係(共進化)には、一方を依存状態に追い込む巧妙な戦略が潜んでいたことがわかった。 中央アメリカでは、アリがアカシアのボディガードの役割を担っている。はびこる雑草を防ぎ樹液を狙う動物から守るアリは、代わりに住処とエサを得る。自然界の代表的な共生関係の1つだ。 しかし、メキシコのシンベスタブ・ウニダード・イラプアト(Cinvestav Unidad Irapuato)研究所のマーティン・ヘイル(Martin Heil)氏は、アカシアの樹液が含む酵素によって、アリがほかの糖源を摂取できないように仕向けられている状況に気付いた。 住処と事を得るアリは、死ぬまで労働を強制されるのである。「受け身で移動でき

    アカシア、樹液でアリを奴隷に変える
  • コーヒーが森を劇的によみがえらせる、研究成果

    コスタリカ、アキアレスの上空から撮影したコーヒー農園。摘んだばかりのコーヒーの実をワゴンに入れる作業中だ。最近の実験で、コーヒー生産時の廃棄物が森林再生に役立つことが判明した。(PHOTOGRAPH BY EDWIN REMSBERG, VW PICS, UIG, GETTY IMAGES) 人間と同じように、森も、少しのコーヒーで動きが活発になるようだ。 コーヒーの生産過程で取り除かれるコーヒーパルプが、コスタリカの熱帯雨林をよみがえらせるのに役立つことが実験で明らかになった。3月28日付けで学術誌「Ecological Solutions and Evidence」に研究成果が発表された。 米ハワイ大学マノア校の研究チームは、森林伐採された土地にコーヒー廃棄物がどんな影響を与えるかを調べるため、草に覆われた2つの区画を用意。片方のみに約50センチの厚さでコーヒーパルプを敷き詰めた。 2

    コーヒーが森を劇的によみがえらせる、研究成果
  • ミツバチ、動物の糞でスズメバチを撃退、研究

    スズメバチの攻撃を防ぐため、ミツバチは工夫をこらした多様な戦術を編み出してきた。(PHOTOGRAPH BY SATOSHI KURIBAYASHI, MINDEN) 東アジアのミツバチは、天敵であるスズメバチの際限のない攻撃を迎え撃たなければならない。スズメバチは集団でミツバチの巣に襲いかかり、まず、遭遇したすべてのミツバチの頭部をかみ切る。それから巣を占領して、ミツバチの幼虫を時間をかけてべつくすのだ。 スズメバチから身を守るため、トウヨウミツバチ(Apis cerana)は、進化の過程で工夫をこらした多様な戦術を編み出してきた。侵入者を取り囲んで熱で蒸し殺す「熱殺蜂球」も、そのひとつだ。 だが、ベトナムで行われた新たな調査では、さらに風変わりな戦術が発見された。巣の入り口に動物の糞を塗るという方法だ。 黒い物体の正体 この「糞の塗りつけ」は、スズメバチを撃退するだけではない。これは

    ミツバチ、動物の糞でスズメバチを撃退、研究
  • 新型コロナが再感染するのは確実、今わかっていることは

    2020年11月24日、英国オールダム地区科学センターのガラス窓に貼られたウイルスのポスターと、その前を通り過ぎるマスク姿の男性。(PHOTOGRAPH BY CHRISTOPHER FURLONG, GETTY IMAGES) 新型コロナウイルスには2度感染する。最近では、それが専門家の共通認識だ。今のところ、再感染の報告は世界で数百例とそれほど多くはないが、パンデミック(世界的大流行)が続けばその数字は増えるだろう。 既に感染して「免疫パスポート」を手にしたと思っていた人々にとっては、ありがたくない話に違いない。パンデミックが続く限り、自分には免疫があるのでマスクもソーシャルディスタンスも必要ないというわけにはいかなさそうだ。10月には、再感染による初の死者が報告された。オランダに住む89歳の女性だった。 他のコロナウイルスと同様に、新型コロナでも時間とともに免疫が失われる可能性がある

    新型コロナが再感染するのは確実、今わかっていることは