成否はさておき、その決断力は日本企業も少しは見習うところがあるのかもしれない。韓国サムスン電子は稼ぎ頭のスマートフォンが失速する中、1980~2000年代の成長を支えた半導体を再び“主役”に据えることを決めた。業績を立て直すため、今後の方向性をきちんと示すことは経営の常道だろう。経営再建策が後手にまわり、赤字経営から抜け出せないソニーとは対照的といえる。 サムスンの限界か…市場創出できず 「無謀な投資だ」「市場を混乱させる」 業績不振にあえぐサムスンが6日、約1兆6千億円を投じ、ソウル近郊に半導体の新工場を建設すると発表すると、一部の業界関係者からは厳しい声が上がった。売上高の半分以上を稼ぐスマホ部門が中国、台湾メーカーの攻勢で低迷する中、サムスンが打ち出したのは80年代からの成長神話のきっかけとなった半導体部門への“原点回帰”である。 一見すると、半導体への回帰は、「スマホの次」となる新