現在の香川県で生まれた平安時代の僧、弘法大師・空海(774~835年)。書にも優れ、嵯峨天皇、橘逸勢とともに「三筆」に数えられた空海の筆遣いを人工知能(AI)で再現した文字が地域振興にも一役買っている。水族館版の御朱印「魚朱印」やイベントの題字などに使用。再現を担当した香川大創造工学部の岡崎慎一郎教授は「空海の再現文字は香川らしさをアピールできる」と活用に意欲をみせる。 「面白いことしたい」空海生誕1250年にあたる令和5年。香川大の広報誌の表紙に、「人×テクノロジー 次の進化への挑戦」との文字が躍った。文字は空海の筆遣いを再現したものだ。 岡崎教授は広報室から依頼され、再現に向けた研究を開始した。当時、広報室に在籍していた若井亜希子さんは「生成AIや対話型人工知能のチャットGPTが登場して話題となる中、これまでできなかった面白いことができるところをみせたかった」と振り返る。 現存する史料
