安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日に主催した夕食会の費用補填問題で、政治資金収支報告書の訂正を巡る政治資金規正法違反容疑で安倍氏らを不起訴とした東京地検特捜部の処分について、東京第五検察審査会が、配川博之元公設第一秘書(63)と東京の秘書について、「不起訴不当」と議決していたことが弁護士らへの取材で分かった。特捜部は再捜査を迫られる。
岸田首相は17日朝、衆院予算委を前に、官邸に関係閣僚を集めて世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について協議した。永岡桂子文部科学相に、宗教法人法に基づく質問権の行使について検討するよう指示。永岡氏は「すぐに始めたい」と語った。 続く予算委で岸田氏は、旧統一教会について「2016年、17年に法人自体の組織的な不法行為を認めた民事裁判例が見られる」などと指摘し、「宗教法人法にもとづき質問権行使に向けた手続きを進める必要があり、文科相に速やかに着手させる」と述べた。「旧統一教会と関係を持たない私が責任をもって問題解決していきたい」と、「私が」の部分を強調し、前向きに取り組む姿勢も示した。 このタイミングで質問権行使の検討を打ち出した背景について、与党関係者は「予算委での野党の追及に備える必要があった。前例のないことで、首相は相当踏み込んだ」と解説する。同日には、河野太郎消費者担当相が設置した消費
専門職の人の労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度が、導入を主導した安倍晋三元首相らの当時の説明と懸け離れた運用になっている。経験が浅く希望もしていない人が高プロを適用された疑念が直近の調査で浮上。当時も今も所管の厚生労働相を務める加藤勝信氏は、当初の説明通りになっていない実態を指摘されても正面から答えず、制度を見直さない姿勢を示した。(池尾伸一、写真も) 高度プロフェッショナル制度 証券トレーダー、コンサルタントなど5業種の年収1075万円以上の社員を対象に労働時間の上限規制を外す制度。安倍晋三政権が政治主導で立案、過労死遺族や労働組合は「過労死を増やす」と反対したが2019年4月に導入された。今年3月末時点で21社22職場で665人に適用。2カ所の職場で在社時間と社外の労働時間の合計が月間400時間以上に達し、「過労死ライン」(残業含む労働時間月約273時間)を大幅に上回
安倍晋三元首相の国葬に関し、国会の関与がないのはおかしいとの批判がやまない。岸田政権は国葬実施を内閣の一存で閣議決定したが、自民党内からも疑問の声が出ている。法律の専門家である衆院法制局と衆院憲法審査会事務局は、憲法の趣旨を踏まえ「国会関与が求められている」との見解を示した。国葬は27日に行われる。(坂田奈央、柚木まり)
英国以外で英国王を元首とするのは14カ国あり、中米カリブ海地域にはジャマイカやバハマなど8カ国が集中している。8カ国はいずれも英国の植民地から独立しており、英国が関与した黒人奴隷貿易や経済的搾取といった負の歴史の影響も受ける。 英ITVニュースによると、このうちアンティグア・バーブーダのブラウン首相は11日、3年以内に立憲君主制を廃止して共和制を選択するかどうかの国民投票を実施する意向を表明。「敵対行為ではない。真の主権国家になるための最終ステップだ」と述べた。 米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」によると、セントルシアにも同様に国民投票を目指す動きがあるという。VOAは、ジャマイカでは8月の世論調査で56%が英国王を国家元首とするのをやめることに賛成していたと指摘。「(多くの国で)女王の死は間違いなく転換点になる」とする識者の見方を伝えた。
ウクライナ侵攻を続けるロシアが、東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)で占拠した地域のインフラなどの「再建」に、北朝鮮労働者を活用する方針が明らかになった。国連安保理の制裁下にある北朝鮮と、欧米との対立を深めるロシアの思惑が一致した格好。領土の占領、荒廃に苦しむウクライナや、欧米諸国の強い反発を招くのは必至だ。(ヨーロッパ総局、ソウル・木下大資) ロシアのフスヌリン副首相によると、既に北朝鮮に対して労働者派遣を要請済みという。「北朝鮮人は勤勉で生産性が高い」とタス通信などに説明し、早期の労働者受け入れに期待した。2017年に採択された国連安保理の対北制裁決議で各国の北労働者受け入れは制限されているが、ドンバスの親ロ派自称共和国は「国連に加盟していないため問題ない」(ロシア外務省)との立場だ。 韓国の統一研究院の趙漢凡(チョハンボム)研究委員は「ロシアはドンバス再建に提供できる人員の余
川崎市議会が2018年に可決した「家庭教育支援法の制定を求める意見書」に関し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体関係者が自民市議に意見書案の提出を働きかけていたことが分かった。神奈川県内では同じ時期、計23の市町村議会に同様の意見書を求める陳情が出され、同じ団体関係者が一部に関与していたことが判明。教団の価値観と親和性がある政策を、地方政治を通じて後押ししている実態が浮かんだ。(太田理英子、奥村圭吾) 「家庭教育支援法」は安倍晋三政権下で自民党が法制化を目指し、2017年に与党で法案を了承したが、公権力の家庭教育への介入を招くなどと野党が反発し、棚上げとなっている。 川崎市議会で可決された意見書は児童虐待の増加などを根拠に「行政のより積極的な家庭教育への支援が必要」として、法制定を求める内容だ。自民、公明両会派が18年3月に連名で提案し、賛成多数で可決。国会に送られた。 提案の経
政府は26日の閣議で、安倍晋三元首相の国葬に、国費約2億5000万円を支出することを決定した。ただ、省庁に弔旗掲揚や黙禱(もくとう)を求める閣議了解は見送り、国民に対しても弔意の表明を要望しないという。それならなぜ、多額の税金をつぎ込む国葬とするのか。位置付けにいっそう疑問が湧く。国民の批判を回避しようとする弥縫策(びほうさく)が、矛盾を拡大していないか。(特別報道部・岸本拓也、中沢佳子)
7月に行われた安倍晋三元首相の葬儀に陸上自衛隊の儀仗(ぎじょう)隊が参列したのは、戦後の首相経験者の家族葬では初めてだった。防衛省が本紙の取材に明らかにした。防衛省・自衛隊の弔意表明の一環として、安倍氏の遺族の意向を確認し、防衛相の指示で行ったと説明している。当時の防衛相は安倍氏の実弟の岸信夫氏だった。 政府がかかわった首相経験者の公的な葬儀は、1967年の吉田茂氏の国葬以降、2020年の中曽根康弘氏の内閣・自民党合同葬まで11回ある。すべて儀仗隊が参列した。安倍氏の家族葬のように、政府が関与しない首相経験者の私的な葬儀は個別に行われてきたが、儀仗隊参列は「確認できる範囲において、安倍氏以外はない」(同省陸上幕僚監部)という。 一方、防衛省の前身の防衛庁長官経験者を対象にした家族葬への参列は3例あったという。同省は「元防衛庁長官等の家族葬で、遺族の意向を踏まえ儀仗を実施した」と説明し
島津製作所(京都市)が製造した医療用エックス線装置を巡り、保守と販売を担う子会社の島津メディカルシステムズ(大阪市)熊本営業所の幹部社員が、熊本県内の公立病院に納入した装置に回路を遮断するタイマーを仕掛け、故障を装って部品を交換していたことが本紙の取材で分かった。病院は交換修理費として200万円超を支払った。島津製作所は社内調査していることを認め、自社のホームページに「事実関係が明らかになり次第、しかるべき対応を行う」とのコメントを出した。 両社の関係者は25日、この病院を訪れて謝罪し、概要を説明した。営業所を所管する熊本県は、メディカル社などから聞き取りをする考えを示した。病院を運営する自治体は、代金の返還を求めることも視野に検討するとした。 部品を交換していた装置は、エックス線で体内を撮影しながら映像を見られる「エックス線テレビシステム」で、この病院には2009年に設置された。関係者に
政治に関心のある若者でつくる「選挙ギャルズ」が20日、安倍晋三元首相の国葬や改憲に反対するパレードを東京都内で行った。インスタグラムなどの交流サイト(SNS)で呼びかけ、約110人が参加。「国葬うちらは求めていない」などと訴えながら、日比谷公園から日本橋まで約2キロを行進した。 選挙ギャルズは5月末、地方選挙のボランティア活動を通じて知り合った大学生や会社員ら平均年齢21歳の10人が結成。この日は「ラブ&ピース・パレード」と称し、軽快な音楽に合わせて「うちらは求めてない国葬」「返せようちらの民主主義」と声を上げた。「国葬に反対」「憲法改悪マジ反対」など自作のプラカードを掲げて歩いた。 メンバーの1人は取材に「国民の意見に耳を傾けず、国会の議論も経ずに国葬を決定した。民主的でないやり方は信頼できない」と話した。パレードに参加した都内の女性会社員(24)は「コロナ禍で格差が拡大したのに、手を打
自民党の藤曲敬宏県議(55)=静岡県熱海市選出、2期目=が、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体のイベント参加や、教団の古参信者とされる人物と面会するための費用を、税金が原資の政務活動費として計上していたことが分かった。藤曲県議は本紙の取材に、学生時代からの信者であることを明かした上で「県政に生かせるかどうかの観点で活動した。布教などは一切していない」と語った。 藤曲県議によると、2017年以降、古参信者とされる人物との複数回の面会のほか、関連団体のイベントに参加した交通費や参加費などに政務活動費を充てていた。19年には、同じ人物を熱海市役所で開いた県政報告会に、講師として招く費用約4万5000円も計上した。「家庭教育支援などについて、専門的な知見を持っている方として関わった。宗教のためではない」と話した。
東京都教育委員会が7月12日の安倍晋三元首相の葬儀に合わせ、半旗掲揚を求める文書を都立学校全255校に送り、複数校が掲揚したことが分かった。専門家は「政治的中立を求める教育基本法に反する恐れがある」と指摘。同様の依頼は川崎、福岡市などでも判明している。(中山岳) 都教委などによると、文書は通夜があった11日に都総務局が作った「事務連絡」。半旗掲揚について「特段の配慮をお願いしたい」とし、11、12日の掲揚を依頼した。教育庁を含む各部署にメールで送り、教育庁が都立高校や特別支援学校に転送した。 「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」などによると、23区内外の複数の都立高校で半旗が掲揚された。都教委の担当者は取材に「事務連絡を転送しただけで、掲揚するかは各校の校長に任せた。弔意を強制したつもりはない」と回答。総務局の担当者は「安倍元首相は東京五輪をはじめ都政にご尽力いただいた。
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