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『レ・ミゼラブル』の話で熱い近頃だ。 映画の観客は500万人に達し、完訳本の小説も15万部以上売れたという。 ミュージカルも満席で、アルバム販売量も記録的だ。 解説記事もあふれている。 ついては、私自身のレ・ミゼラブルを一度話したい。 何の資格で? 生涯をその本とともに生きてきた“読者”としてだ。 十才の時、田舎から釜山(プサン)に引っ越した。 田舎者とからかう地元風を吹かす雰囲気の中で、ほとんど仲間はずれにされていた。逃げ場? 学校の図書室しかなかった。 よく行くようになって、本を読む楽しさを覚えた。 本の虫になった弟のために姉が買ってきた本が『レ・ミゼラブル』だった。 私は引き込まれた。 ほとんど毎日、読んでまた読んだ。 夕方ミリエル主教に接し、夜中の12時近くには水汲みに出てきたかわいそうなコゼットに出会い、鼻の先がつーんと痛い明け方には下水道の中のジャン・バルジャンと震えながら会
twのまとめですいませんが・・・ 山極寿一『家族進化論』東京大学出版会、読了。霊長類研究の第一人者が霊長類の社会における「家族」の萌芽について様々な側面から論じた一冊。人類が「家族」を創造するきっかけになったのは多産。そして共感能力(歌と身振り)が共同体を形成した。自然科学の知見が現代を鋭利に写す一冊だから驚く。 次は、山際寿一『暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る』(NHK出版)を読んでみようと思う。 下記は朝日新聞書評(柄谷行人)。 http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011071703960.html 「類人猿のふるまいをみるとき、われわれは励まされる」。 人間は暴力的なのか。動物から学ぶことが多い。 しかし、私も門外漢だからわからないのだけど、こうした自然科学からの「家族」論の成果と、家族社会学における「家族」論の成果が相互に学ばれる
フレデリック・ダグラス(Frederick Douglass、1818年[2] - 1895年2月20日[3])は、アメリカ合衆国メリーランド州出身の元奴隷、奴隷制度廃止運動家、新聞社主宰、政治家。 編集・講演・執筆・政治家としての活動を通して、奴隷制廃止論を唱えたアフリカ系アメリカ人の活動家である。その強硬な姿勢[4]から「アナコスティア[注 1]・ライオン」などと呼ばれた。 生い立ち[編集] フレデリック・ダグラスは、メリーランド州タルボット郡にて奴隷として生を受けた。自身は1817年の生まれと思っていたが生年は定かではない[5][2]。母親とは隔離されて生活させられるが、彼が7歳の時にその母も死ぬ。父親ははっきりせず、彼の奴隷所有者 (Slave master) であった白人のアーロン・アンソニーだろうとダグラス本人が語ったこともあったが、後にそれも疑わしいことを本人も認めた[6]。
定数枠による防衛力規定は、防衛費を高騰させるだけではないのか。陸兵14万、護衛艦48、戦闘機260という定数の内側であるというだけで、吟味されることなく、無駄に高い階級配置や装備が与えられている。そこに防衛費を安く上げようとする意見は反映されない。 ■ 定数枠により、予算は吟味されない 同じ防衛費ならヨリ強力に、同じ防衛力ならヨリ安くすべきなのだが、いまのシステムではそれは実現されない。定数内にとどまるかぎりは、予算が通ってしまう。その中身については、細かい審査はされない。 現行では、防衛費を安くあげさせる仕組みはない。人件費も装備品調達も、費用と効果の検討もなく、金をつぎ込んでいるのが現状である。 人件費は定数枠に応じて自動的についてしまう。給与の高い中級以上の幹部を抑制する仕組みはない。既にできた予算定員の大概は変わらない。人件費が義務経費として自動的についてしまうので、1尉配置のまま
2010年冬コミのまえがきで見っけたのですけどね。来年の4月から「俺の妹が」の続きやるとかいうのを聞いたので、まあアップしとこうかと。 今期、白眉とすべきは『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』ですね。 物語の構造は「理不尽な妹と、それを手当てする兄」それだけです。妹が困難に行き当たると兄が助けるだけの話です。妹のオタク要素はオマケに過ぎません。単純な物語ですが、なぜか惹きこまれてしまいます。 妹の希望を叶えること自体が物語になるのでしょう。『俺妹』は昔話でよくある『求婚者の無理難題を解決する』話です。兄妹の関係は、擬似的な夫婦・恋愛関係です。物語では、妹はお姫様や女神様といった存在と等価なのです。 物語で兄が妹にコントロールされる仕組みにも不自然はありません。『をなり神の島』や『妹の力』でもあるとおり、妹は兄に対して霊的優位にあります。二重王権システムそうでしょう。高坂兄妹も、実務・世俗を
桜林美佐さんの記事を拝見して認識するのは、自衛隊への片思いのあまり、なんでも擁護してしまう自衛隊ファンの問題点を示すものでしょう。 桜林さんの「納得できない『談合』自衛官の起訴、純国産ヘリの開発こそ国益にかなう」※ですが、国防の都合の前に談合は小さい悪であるという主張です。 すでにUH-Xの開発は3年続けて予算計上を見送られてきた経緯があり、昨今のわが国をとりまく情勢に鑑みて、待ったなしのところまで来ている。これ以上の遅れは許されないのである。 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36832「昨今のわが国をとりまく情勢に鑑みて、待ったなしのところまで来ている」だから、談合でもいいので速く進めろという理由です。 不思議なのは「遅れは許されないのである」のならば、海外製を使うなり、当座は外国製、例えばベル412でも買えばいいと思うのですが、そこは防衛産業
「陸自は10万人でイイよ」本、出来ました。 まあ、18万人にも32万5000人にも根拠はなくて、結局、対日援助の交渉と日本向け支援予算の支出期限で決まっただけの数字なんですけどね。ちなみに冷戦期は定数18万、実数15万、今も実数14万です。 陸兵をあと4万減らし10万にして、その分を海空戦力に回せば防衛費の有効活用になるでしょう。1985年の新聞にも「陸自減らして海空増やすのが合理的だけど、陸自制服の抵抗でねえ」(大意)といってます。今の情勢となると、さらに海空の重要性があがってますからね。いくら戦車や大砲が優れていても、まあ10式戦車が優れていても、そんなものに金突っ込んでもしょうがないでしょう。 ストックしていた色紙の関係で、表紙が2種類になりましたが、順調に製本中です。
実写映画版島耕作、例の『原発・CIA・島耕作』の話でもしようかと思ったのですよ。 まあ『社長島耕作』『経団連会長 島耕作』から『政商島耕作』『フィクサー島耕作』と黒幕としも登りつめた。ようやくネタ切れかと思ったら、新しいシリーズですからね。米公文書公開で、島耕作情報がリリースされてCIAとの繋がりっていうのも面白い話でした。 島耕作って、いままではイザとなったら下半身でなんでも乗り切るスーパーマンってイメージがあったのですがね。個別のエピソードなんかでも、フィリピンだかビルマだかで有力者のハーレムを一回で満足させる「十五対一 比島の死闘」とか、あれが島耕作の実像ってイメージがあったのですけどね…まあ、モーニング本誌の連載で原発話やったというから、図書館行って閲覧してきたんだけれどもねえ。 でも、なに書こうとしても、3.11の以降に起きたことの前では力を失うわけですね。中でもリアリストの皆様
他国で争っている領土問題に口を出してもロクなことはなにもない。尖閣諸島で日中が争っているが、まず米国は巻き込まれまいとするだろう。たしかに、米国防権限法で「尖閣諸島に日米安保適用」が盛り込まれたけれども。実際には巻き込まれまいとするのが米国の選択だろうね。 『鏡報』最新号に、閔さんの「美国:一『魚』釣両国」※という記事が掲載されている。米国は、尖閣問題で両国から利益を得ようとソロバン弾いているんじゃね?と、興味ふかい主張をされています。中国の人の記事なんで「釣魚島が中国のモノ」「日本の主張には矛盾がある」という前提なんだが、記事中ではそのあたりの泥仕合には全く言及しない。米国がどういう立場にあるのかに絞った内容も、非常によろしいものです。 閔さんは「米国はリップサービスで日中双方をを満足させた」と書いています。「美国盤算:一『魚』釣両国」という一章です。まず、米国は、尖閣諸島問題に関する立
桜林さんの主張は「愛国無罪」そのものではないか? 三菱による防衛省への過大請求事件について、桜林さんは国防のためにやった「工夫」であると主張している。「自衛隊の活動を支えていた防衛関連企業の見えない『やり繰り』」※ では、請求書の金額を勝手に増やしたことを国のためではありながら国に補填してもらえない赤字を、自分たちの社内の工夫でなんとか乗り切っていたということだ。と述べている。 いずれにせよ、実態は詐欺でしかない。「安い金額でできる」と請け負ったけれども「利潤が上がらないから」と請求書を水増しすることは「工夫」と言うことには無理がある。そもそも、低廉応札のウラには、後の維持保守契約や、契約変更での数量増加を見越した判断がある。その目論見が外れたところで「利潤が上がらないから」水増しというのは、信義則に反しています。 しかし、防衛産業側に立った桜林さんには、それがわからない。桜林さんは事件と
余っている陸兵を増やすのは、金をドブに捨てるものなんだがね。来年度予算が閣議決定された※ のだが、前内閣と比較して、防衛予算400億が上積みされた。今の自民党は、中身も支持者も右派が大勢で、それへのサービスなわけだ。しかし、その使い道で、陸兵300名増やすとあるのだが、これって無意味だよねえ。 カメラメーカーが、いまさら銀塩カメラやフィルムに投資するようなものだ。陸兵を300増やすというのは、終わった分野への投資と同じである。カメラメーカーが、頑張って作った投資用資金をデジカメや医療用ではなく、フィルムに投資するのと変わるものではない。 実際に、陸兵は余っている。今の15万人に及ぶ陸兵は概ねお荷物である。冷戦も終わったのに、北海道には何の役にも立たない陸兵が、4万人もいる。5万人から1万人にしか減っていない。北海道での駐屯地のたぐいもほとんど維持されている。北には仕事のない部隊や、それを支
「重油は軽油よりも4-8倍も高い」わけではない。桜林美佐さんが「日本を守るためのやりくり」※で、以前に話題になった旧式護衛艦の巡視船転用について述べている。確かに、護衛艦を巡視船に転用しても使い安いものではない。人手が少ない海保にはマッチするものではないことは、世間で言われているとおりである。しかし、桜林さんが主張する理由は、あまりにも珍妙である。 桜林さんは、取材対象等から聞いたことを確認していないのだろう。護衛艦を巡視船に転用する理由として、燃料と船体を挙げている。だが、どちらも奇妙な数字である。燃料に関しては、軽油と重油の理解がおかしい。船体では、例えば小型巡視艇と比較的大型の護衛艦の船価を比較している。 桜林さんは、護衛艦と巡視船を比較する上で、まず燃料を挙げている。[自衛艦と巡視船の]双方の違いは著しいのですが、似たものではないかと認識されている方も多いようで、その点を明らかにし
余っている陸兵を増やすのは、金をドブに捨てるものなんだがね。来年度予算が閣議決定された※ のだが、前内閣と比較して、防衛予算400億が上積みされた。今の自民党は、中身も支持者も右派が大勢で、それへのサービスなわけだ。しかし、その使い道で、陸兵300名増やすとあるのだが、これって無意味だよねえ。 カメラメーカーが、いまさら銀塩カメラやフィルムに投資するようなものだ。陸兵を300増やすというのは、終わった分野への投資と同じである。カメラメーカーが、頑張って作った投資用資金をデジカメや医療用ではなく、フィルムに投資するのと変わるものではない。 実際に、陸兵は余っている。今の15万人に及ぶ陸兵は概ねお荷物である。冷戦も終わったのに、北海道には何の役にも立たない陸兵が、4万人もいる。5万人から1万人にしか減っていない。北海道での駐屯地のたぐいもほとんど維持されている。北には仕事のない部隊や、それを支
国立国会図書館に行く途中、黒塗りの中に知った顔があって、頭をペコリ挨拶をしたことがあるのだがね。あとで思い出すと福島瑞穂だった。向こうからすれば知らない顔に挨拶されて困ったのかもしれないし、政治家だからいつものことかもしれないのだけど、答礼してもらえた事があったね。 福島さんは、結構ファンなんだよね。昔、TBSラジオゆうゆうワイドで人生相談に出てらっしゃった。そこでは、弁護士として党派性は抜きに相談者の利益に則った回答をしていて好感持てたのよ。 中でも一番印象的なのは「隣の庭で爺ィが見える場所で立ちションする、どうにかできないか」という相談。回答は「お願いするしかないですね」「塀の類でも立てるとか」だったのだけど。相談者が法的処理を口にした時に、福島さんはそれを窘めた。家は個人の城であり、絶対的な自由の領域である。そこで行われる合法的な行為を妨碍する権利は誰にもない。そういった趣旨を諭すよ
中国レーダ照射の件は、おおごとにしてもあまりいい事はないんじゃないかね。 朝日新聞によると、1月30日に「射撃用の火器管制レーダーを照射」ということらしい。しかし、国家安全保障に関わる重大事であるように公表すると、両国のナショナリズムを吹き上げる方向に進むのではないかねえ。 日中間でのナショナリズム対立は拡大しやすい。中国人の行き過ぎた愛国が、日本側で針小棒大に誇張され、侮日・反日と受け取られ、ナショナリズムが吹き上がる。それを受けた日本側の対中強硬策により、中国人も侮中、反中と受け取られ、ナショナリズムが吹き上がる。 戦前に起きた日本と中国の対立も、両国でのナショナリズム対立の結果である。中国愛国主義で起きた日貨排斥そのほかが、侮日・反日と受け取られ日本ナショナリズムに火をつける。世論の圧力によって採用された、派兵他の対中強硬策が、中国ナショナリズムに火をつける。その結果が、日華事変に至
レーダー照射を「拳銃を頭につきつけた状態」とラジオで比喩した軍事評論家がいたのだけれどもね。「直ぐに攻撃できる状態で、誤発射の可能性もあり極めて危険」と言っていたのだけれども。昔、米艦艇が東京湾口で、商船に向けてやっていたよね。「誤発射の可能性もあり極めて危険」ではなかったよ。もちろん、いい気分はしないし、やめてくれという話だけどね。 まあ、今回は、大砲もミサイルも指向していないとの由。それならば、それほど危険でもないでしょ。挑発行為であることは確かだけど、途中で止めるチキンレースみたいなものなのだから、あまり沸騰してもしょうが無いと思うがね。 その先に「謝罪要求」というのは、中国の面子を潰す行為だと思うよ。どこかの国の宰相が中国に謝罪要求したというが、日本国内だけでなく、中国国内も沸騰させる原因になるという認識があるのかね。「やめてくれ」というのはともかく、非であると責め立て、謝罪しろと
◎ 大学を卒業したら豊かになれるのか? ◎ 【大学のビジネス化は中国も同じ?】 ① 中国における大学のユニバーサル化 NHK「BS1」の報道番組「世界のドキュメンタリー『中国 教育熱のゆくえ』」が,つぎの3回にわたり,再々放映されていた。 ◎-1 放 送 :2012年11月27日(火曜深夜;水曜午前 0時00分~ 0時50分) ◎-2 再放送 :2012年12月4日(火曜午後 6時00分~ 6時50分, ◎-3 再々放送:2013年1月2日(水曜午後 3時00分~ 3時50分) この番組の解説はこう記述されていた。「大学さえ出れば豊かさを手に入れられる」と,中国の親たちは貧しくても多くを犠牲にし,子ども達を大学に送りたいと願ってきた。しかしそうした “夢” は叶わず,大学を出ても就職ができない若者たちが増えつづけている。 中国では1997年に大学が民営化された。優秀な
米軍のプロキシみたいなものだから、都合の悪い話は見聞きしないようにしていたのだろう。JSFさんとだよもんさんが、「商船がレーダ照射を受けたことが分かるのか」とマヌケなこといってる。米艦艇は結構、商船や漁船を実艦的に見立てて艦砲を向けていた。中には、もちろんだけど当たらないようにして実際に発砲した件もあることを知らないわけだ。 https://twitter.com/Military_Topics/status/300461967024459777 https://twitter.com/V2ypPq9SqY/status/300462727695048704 https://twitter.com/obiekt_JP/status/300469619351760898 実際に、米艦艇や航空機は民間船ほかを標的に見立てていた。実際に発砲した件もある。航空機が商船に当ててしまった件もある。そこ
オーストラリアとの同盟はいいとして、インドとの同盟は難しいのではないか。 中国に芽生える恐れのある膨張主義を封じ込めるため、オーストラリアやインドとの同盟関係構築をやるとすれば、日本もそれなりに主張を後退させなければならない。オーストラリアであれば捕鯨取りやめ、インドであれば核兵器開発を認める必要がある。捕鯨で悶着を起こしては、オーストラリアとの同盟は上手くいかない。インドとの同盟をどうにかしようとしても、核兵器開発の問題を整理しなければ、実験の折にでも同盟は頓挫する。 オーストラリアとの同盟関係を構築する上では、南氷洋の捕鯨はやめなければならない。調査捕鯨をやれば、オーストラリア国民は面白くない。調査捕鯨のインパクトは、中国がとるかもしれない膨張主義よりも、オーストラリア国民にとって強烈である。捕鯨は、目の前の、自分たちの海と思っている地点で行われる。遠い南シナ海で、中国軍艦が大きな顔を
先日テレビで、スペインで住宅ローンが払えなくなった人たちのことが取り上げられていた。よく知らなかったのだが、スペインでのローンは債務者にとって非常に過酷なものらしい。ローンの支払いが滞った場合、住宅物件の差し押さえ、強制排除はもちろんのこと、その物件が競売でローン残高を下回る場合、残りの債務を払い続けなければならない。不況下での競売では、当初の価格を大幅に下回るに違いないから、住居を失っただけではなく、巨大な債務を抱え込まねばならないことになる確率が高い。ローンの支払いが困難になったのは、スペインの債務危機で金融引き締め政策を押し付けられた結果、金利が急上昇したことによる。住人個人には全く責任がない事情で、このような過酷な状況に立たされるのは何とも理不尽に見える。 そんなわけで、このような事態に対処するために、住民たちが共同して金融当局と交渉し、ローンの一部免除を要求しているという。テレビ
本書は経済学の所説をただ紹介するのではなく、現実を見る分析道具として、縦横無尽に使いこなしてみせる。その分析対象は多岐にわたり、日ごろ何となく我々が疑問に感じているもの(たとえば、格差問題とかデフレ不況)を含んでいるが、それらの諸問題の背景にも見かけ以上に複雑な要因が潜んでいることを解きほぐす手並みは鮮やかで、経済学というツールの切れ味を実感させてくれる。学説としては一応筋は通っていても、現実をどの程度グリップしているか疑問に思っている我々読者に対しても、経済学のありがたみを十分わからせてくれる。もっともこのような疑念は、学問を現実の鏡のように見なす誤りから来ており、むしろそれは、物差しや分度器のように見なさねばならないのである。それらを使って現実を測量する知性の能動性がなければ、どんな学問も生きてこない。 著者は、手っ取り早い答えを与えるのではなく、問いを与える。あるいは、問いのための準
山形新聞への投稿 「高名な楽人はこう歌ったが、オデュッセウスは打ち萎れて、瞼にあふれる涙は頬を濡らした」 (『オデュッセイア』第8歌) 10年に及ぶトロヤ戦争に勝利したのち、ギリシア方の司令官の一人オデュッセウスは、故郷イタケーに向けて帰路に就くが、さらに10年にわたって流浪する運命にあった。その最後の流浪地がパイアケス人の国である。引用は、その宮殿にもてなされた彼の前で、吟遊詩人がトロヤ戦争のことを歌い、それに聞き入った彼が思わず落涙する場面である。 面白いのは、ここで歌われているのがオデユッセウス自身の体験してきた冒険だということだ。ここには、英雄の偉業を詩人が歌うというギリシア人の根本経験が、くっきりと刻まれているばかりではない。当の主人公が、それを聴くことで深い感慨を催す点に、ギリシア人にとっての叙事詩の意義が示されているのだ。時とともに風化し、移り過ぎてゆく儚い人生を、ただ流れる
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 私はわりとダマされやすい人間のような気がします。もちろん、イージーモード(常識的知識があれば対処出来る)の創造論やホメオパシーなんかにはダマされませんが、ノーマルモード(本などの解説はあるがやや専門的なトピック)やハードモード(現在進行中の問題で誰も答えを知らない)になると頼りない限りです。このブログもずっと捕鯨問題にフォーカスしていましたが、振り返ってみれば最初は私も日本に流布する通俗的捕鯨観を信じており、捕鯨に反対しているのは一部のエキセントリックな外人だけと思っていました。調査捕鯨の科学的意義に疑問を持った後も、捕鯨文化論はまだしばらく信じていました。その後ようやく、文化論も広告会社によって作られた歴史という事を理解しました。(参考:http://3
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 少し前の事ですが、レイキャビクでホエールウォッチング船を見学しました(クジラを見たのではなく、港に泊まっている船の中に入っただけ)。船の中の展示から読み取れたのは、ホエールウォッチングは首都近辺に限られる一方で、捕鯨はアイスランドの周りでまんべんなく行われているということでした(カメラを無くしたので写真なし)。観光客の集まりやすい首都だとウォッチングへの鞍替えも容易かもしれませんが、田舎の漁村になるとそう簡単に行かないということでしょうか。小さな国の都市と地方の格差なのかもしれません。格差といえば、日本ではイルカ猟で有名な太地に原発誘致の話があったことがレポートされています。 捕鯨の町の未来のために ~捕鯨産業に蹂躙された町、鮎川~ より抜粋 もうひとつ
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 ああツーリング行きてぇと思っても生活が変わるとなかなか思うように行かないものです。そもそもいまバイクがありません。代償行為としてバイクの出てくる本を漁っていたところ、ゲバラの「モーターサイクル・ダイアリーズ」が出てきました。巻末にゲバラの演説が収録されていますがいま読むとまた違った輝きを感じます。 今日われわれが実践すべきことは連帯なのだ。「ほら、来ましたよ。慈善を施すために来てあげましたよ。学問を教え、あなた方の間違いや教養のなさや基礎知識のなさを直してあげるために来たのですよ」などという態度で、人民に接するべきではない。人民という、巨大な知恵の泉から学ぶために、研究心と謙虚な態度をもって、向かうべきなのだ。 慣れ親しんできた考え方がいかに間違っていたか
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 きまぐれな日々:新自由主義は「専門性」を否定する反知性的イデオロギーだ http://caprice.blog63.fc2.com/?tag=%C8%BF%C3%CE%C0%AD%BC%E7%B5%C1 上の記事は市場原理主義こそがニセ科学の根源的なイデオロギーであると論じていますが、これはサウンドサイエンスイデオロギーもよく説明できるのではないかと思ったり。そういえば、地味な科学の読み物よりも健康などへのきらびやかな効果をうたうニセ科学の方が市場には受けがいいという話を、ネットのどこかで読んだことがあります。そしてサウンドサイエンスイデオロギーも営利目的に各専門家を動員してでっち上げた科学っぽく見える屁理屈である点で、やはり市場原理主義にその根本があるよ
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 サウンドサイエンスイデオロギーは市場原理主義に根本原因があるのではないかと書いた直後に少し変わったものを見て頭を抱え込んでしまいました。 忘却からの帰還でサウンドサイエンスウォッチがされていますが、特にこの記事は概説として良く出来ています。基本的にはサウンドサイエンスは法規制をのがれるために大企業が繰り出してくるものというパターンが読み取れます。 Dr. S Fred Singer翁の、もうひとつの前哨戦"タバコ":忘却からの帰還 http://transact.seesaa.net/article/151724052.html 捕鯨の話題をあさっているうちにたどり着いたのが水産資源学者の勝川俊雄さんでしたが、勝川さんがずっーと指摘し続けているのは日本の漁
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 uchya_x 2012/10/15 12:25 明らかにセクハラか強制猥褻でしかない事を「笑い話」として「今」「誰でも見られる媒体」で放送してしまう事がおかしいとは思わないの? 「昔の話だから」「芸能界という特殊な世界の事だから」っていう受け入れ方と「半世紀以上前の話」「戦争中だから」っていう受け入れ方と何がどう違うの? http://d.hatena.ne.jp/Dr-Seton/20121012/1350050836 慰安婦の議論をみて思いだしたことや思ったことなど。慰安婦に共通してみられる被害のパターンの一つに下のようなものがあります。 さらに、吉見教授は残されている史料や信頼性が高いと判断される証言を調査し、朝鮮でいちばん多いケースは就業詐欺や誘
ツーリングの記録等に使おうと思っていたが。。。タイトルは最初の記事の3500km, 13日, 12ヶ国, 自動二輪, 空冷単気筒の意。 ドラえもんには、過去への干渉が法律で禁止されているという設定が出てくることがあります(設定に矛盾が出てくるのは長期連載の常で、他のエピソードではその禁止事項が平気で破られたりしますが)。タイムトラベルの取り扱いの設定はエピソードごとに多少変化がありますが、過去を変えることが未来に重大な影響を及ぼすことはたびたび説明されます。例えば、過去を変えたことで本来ならしなくて済んだ怪我をする話があったりします。 歴史修正主義がなぜ批判されるのかといえば、過去の事実を歪めることは、現状の認識を誤らせ、未来の問題解決を遠のかせるからでしょう。歴史や進化生物学など、技術的応用に結びつかないが人びとの世界観を規定するような分野は、学問的事実がないがしろにされやすく政治的攻撃
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