新自由主義を考える人の必読書 ―経済生活にもある大量虐殺― 書評 中山智香子著『経済ジェノサイド―フリードマンと世界経済の半世紀』(平凡社) <半澤健市(はんざわけんいち):元金融機関勤務> 《三つの観点からフリードマンをみる》 本書はミルトン・フリードマンを教祖とする新自由主義批判の書である。 見事な出来映えである。気鋭の論客である著者・中山智香子(なかやまちかこ)は1964年生まれ、早稲田大とウィーン大の大学院で学び、現在東京外語大教授。経済思想、社会思想史を専門とする。 リベラルや社会民主主義者は、今まで新自由主義を自明の悪者に仕立ててきた。条理を尽くした批判は少なかった。悪者はしぶとく生き残っている。たとえば安倍晋三の政策、旧自民党手法の復活に見えるがそうではない。新自由主義の地雷を埋め込んでいる。 私は三つの観点から本書の概要を紹介したい。一つは、新自由主義言説の実体化・現
1.協議経済化過剰の無理 ソ連東欧の集権制計画経済の危機が表面化して以来,特にその全面的崩壊以後,資本主義に降伏せず,その批判者としての社会主義に思想的意味を認める人達の間に,資本主義市場経済と対置されるべきは,官僚的計画経済ではなく,労働市民的協議経済であるとの主張が響き始めた。哲学的に一般化されて,アソシエーション論としても提起されている。耳を傾けるに値する思想であるが,その最大の弱点は,ソ連東欧と同時に崩壊したユーゴスラヴィア自主管理社会主義の理念論的・制度論的基軸がまさしく協議経済であり,アソシエーションであったと言う歴史的事実・経験を殆ど完全に無視して立論されている所に在る。 ユーゴスラヴィア社会主義は,資本主義の企業の本質を私有財産のアソシエーション(連合,結合),ソ連型社会主義の企業の本質を国有財産のアソシエーション,それに対して自主管理社会主義の企業の本質を財産(所有)では
<童子丸開> (http://doujibar.ganriki.net/webspain/Spain-2-ruling_class.htmlより転載。) ●「国家統合の象徴」が見せる破産寸前国家の惨めな姿 スペインは立憲君主国であり国王と王家はその国の象徴である。特に歴史的に複雑な関係を持つ多民族からなるスペインにとって、国家と国民の統合の象徴として、極めて重要な位置に立つ。今年で81歳になる現国王フアン・カルロス1世は、フランコ独裁終了後の37年間、まがりなりにもそのその重責を果たしてきた。腹心のアドルフォ・スアレスと共にフランコ死後の混乱を回避させ、新憲法を成立させて「法から法へ」の劇的なスペイン国家改造を成し遂げた主人公として、本来ならば世界の歴史に輝かしく刻み込まれるべき人物である。 一般のスペイン人はフアン・カルロスに対して複雑な感情を持つ。1932年のスペイン革命で共和制が
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