サッカーW杯カタール大会で優勝したアルゼンチン代表の英雄メッシ(左、朝日新聞社撮影)と、首都ブエノスアイレスの政府機関の建物前で10月末に行われていたデモ(右、星野眞三雄撮影) 観光客ら多くの人が行き交う「フロリダ通り」を歩くと、「カンビオ! カンビオ!」「ドル! ユーロ!」という男女の声がひっきりなしに聞こえてくる。 「カンビオ」とはスペイン語で「両替」を意味する。外国からの観光客に米ドルやユーロから、アルゼンチンの通貨ペソへの両替を呼びかけているのだ。 訪れた10月末、旅行客用の為替レートは1ドル=285ペソ程度だったが、「もっと良いレートで両替するよ」などと持ちかけていた。 ペソ紙幣の最高額は1000ペソなので、ドルを両替すると大量のペソ札を受け取ることになる。米国から旅行に来たという老夫婦は、25センチにもなる札束をカバンにしまいながら、「ミリオネア(百万長者)になった」と笑ってい