香港城市大学を中心とする研究チームが、落下する液滴の運動エネルギーから効率的に発電する技術を開発した。テフロンPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の薄膜を用い、液滴との摩擦から生じる瞬間電力を、電界効果トランジスター(FET)に似た構造で効率良く取り出すもので、研究成果は2020年2月5日の『Nature』誌に公開されている。 液滴が固体表面に衝突するときや、液体が永久分極するエレクトレット材料と摺動するときに、接触帯電や静電誘導などの摩擦電気効果によって、固体表面に瞬間的な電荷が発生することが知られている。この現象をマイクロ発電に利用しようとする試みにおいて、表面で発生する電荷量を蓄積し、外部に電力として取り出すことが難しく、エネルギー変換効率は極めて低いという課題がある。エレクトレット材とは、電場を自ら帯びており、電界が存在しなくても素材の表面近傍に電荷を保持できる荷電体材料のことだ
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