時間的・資源的制約があって任務や課題のすべてを実施・完了できないとき、一定の基準に従って着手の優先/非優先を判断すること。通常、災害医療などで使われる言葉で、傷病者(患者)を重症度と緊急性によって選び分ける作業をいう。 大規模災害現場や戦場などでは一度に多数の傷病者が発生し、医療機能が絶対的に不足する。こうした制約下で最大数の傷病者を救命するためには、命に別状のない軽症者や治療を行っても救命の可能性が低い重症者よりも、助かる見込みがあり、かつ緊急の対応を要する者の治療・処置を優先しなければならない。そこで生存可能性を医学的見地から基準化して、これに基づいて傷病者を選別・分類することをトリアージという。 triageはフランス語で、もともとはコーヒー豆やブドウ、羊毛などを基準に従って選別することをいい、ナポレオン戦争時代に「傷病兵の選別」の意味に使われるようになった。ナポレオン時代は戦力の減