政府が原発の新増設を進めるため、建設費などのコストを電気料金に上乗せし、消費者から広く徴収する支援制度の導入を検討している。「コストやリスクをこっそり国民に押しつける制度はおかしい」。環境団体や市民団体が、構想に反対する声を集めようと、オンライン署名活動を始めた。そもそも、この構想はどんな問題をはらんでいるのか。(太田理英子)
【モスクワ、キーウ共同】ロシアのプーチン大統領は12日、ウクライナが米欧から供与された長射程兵器によるロシア領攻撃を認めるよう求めていることに関連し「容認されれば北大西洋条約機構(NATO)諸国がロシアと戦うことを意味し、紛争の本質を変える」と表明した。ロシアは適切な決定をするとし、NATOへの攻撃を示唆して強くけん制した。 プーチン氏は滞在先のサンクトペテルブルクでロシア国営テレビの取材に応じた。米欧が直面しているのは「ウクライナに攻撃を認めるかどうかではなく、軍事衝突に直接参加するかどうかの問題だ」と指摘した。 ブリンケン米国務長官は12日、訪問先のポーランドでの記者会見で、長射程兵器による攻撃を容認するかどうかについて「われわれは適応、調整し、ウクライナが必要なものを必要な時に備えられるようにする」とし、前向きな考えを示した。
「南海トラフ地震ばかりを『えこひいき』して発生確率を水増しするあまり、他の地域に油断を生んでいる」―。私が繰り返し指摘してきたことが、能登半島地震でも現実のものとなった。 政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、全国の地震の発生確率や地震の規模を予測した「長期評価」で公表している。この長期評価と、発生確率などを地図に落とし込んだ「全国地震動予測地図」は、行政が優先的に防災に取り組む地域を選定する上での指標になっている。 しかし、ここに大きな落とし穴がある。それは危険度を比べる指標にもかかわらず評価が一律ではないことだ。南海トラフ地震の確率は30年以内に「70~80%」だが、この数値は防災予算獲得などの理由から他とは違う特別な計算式で「水増し」されたものだ。この影響は予測地図にも反映されており南海トラフ沿いは危険を示す「紫色」で塗りつぶされている。
南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」の呼びかけは、政府の発表から1週間が経過した15日、終了した。幸いにも、期間中に巨大地震は起きなかった。だが、お盆休みと重なったため観光地では予約のキャンセルなど大きな影響が出た。臨時情報に問題はなかったのか。南海トラフ地震を巡り科学と政治の密接な関係を取材し、著書「南海トラフ地震の真実」で菊池寛賞を受賞した東京新聞社会部の小沢慧一記者が、臨時情報のあり方を3回にわたって問う。
難民認定の申請中でも強制送還を可能にする改正入管難民法の救済措置として、「仮放免」にある日本生まれの子どもたちに特例的に在留特別許可(在特)を与える方針が発表されたのは1年前。非人道的な施策の唯一の光明と期待されたが、特例措置の期限だった6月10日までに少なくない子どもたちが対象外とされ、絶望感に苦しんでいる。過酷な線引きの実態を検証した。(池尾伸一、飯田克志)
是枝裕和監督「政府による放送への介入を間近に見た」放送法が形骸化した今、元BPO委員として訴えたいこと 報道機関には黒歴史がある。太平洋戦争時、大本営発表を垂れ流し、軍政と一体化して悲劇を招いた過去だ。その反省から戦後、放送局の独立を保障する放送法が成立した。ところが、成立から70年以上を経て形骸化が進んでいる。それに一石を投ずる一冊が出版された。『僕らはまだテレビをあきらめない』(緑風出版)。著者の一人で番組制作会社勤務を経て映画監督になった是枝裕和さんに真意を聞いた。(鈴木伸幸) 是枝裕和(これえだ・ひろかず) 1962年、東京都練馬区出身。早稲田大卒。番組制作会社テレビマンユニオン入社。ドキュメンタリー番組を数多く手掛ける一方、1995年に「幻の光」で映画監督デビュー。ベネチア国際映画祭で「金のオゼッラ賞」受賞。2011年に制作者集団「分福」を立ち上げ、2018年に「万引き家族」でカ
私見だが、新聞記者はアクが強く、口の悪い者が多い。しかも特ダネ記者とか優秀とされる者にその傾向は強い。 因果応報。だから優秀とされる記者ほど業界内で悪評紛々、知らぬは本人のみ。類例は掃いて捨てるほどあるが、朝日新聞の外岡秀俊さんは稀少(きしょう)な例外だった。 学生時代に発表した小説で文藝賞を受け、気鋭の作家として嘱望されながら新聞記者になった。そして端正な文章を無骨(ぶこつ)な新聞記事に落としこみ、国際政治の動向から各地の紛争や被災の現場までを、あるいは映画や芸術の分野までを縦横に往還し、秀逸なルポやコラムを紡ぎ続けた。 そんな外岡さんの名を、同時代の記者で知らぬ者はいない。だが外岡さんの悪評を、朝日社内を含め、私は聞いたことがない。それは外岡さんが常に低い目線で取材対象と向きあい、断じて驕(おご)らずに言行を一致させ、同時にジャーナリズムが守るべき原則を謙虚に貫いてきたからだろう。
交流サイト(SNS)の浸透を背景に、戦争は、人々の考え方の主体となる「脳」を巡る争い「認知戦」に発展しつつある。「人の脳が戦場になる」とは、どういうことなのか。ロシア・旧ソ連諸国を専門とする軍事研究家で、安全保障問題に詳しい小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授(42)に聞いた。(聞き手・滝沢学) 認知戦 人の脳など「認知領域」を標的にした戦い。世論の誘導や敵対勢力の撹乱を狙う「情報戦」の一つ。マスメディアを通じたプロパガンダ(宣伝)の流布だけでなく、SNSなどで刺激的な情報発信を繰り返し、人の頭の中に直接働きかけて考え方を先鋭化させ、対立をあおって社会を弱体化させる。陸海空や宇宙、サイバー空間と並ぶ6番目の戦闘領域として「認知領域」が捉えられ、各国で研究が進む。日本では2022年の防衛白書で初めて「認知戦」の用語が登場した。
ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、6月中旬に約100の国・機関が参加する「世界平和サミット」がスイスで開かれたものの、ロシアは招待されず、中国は欠席、インドなど主要新興国も共同声明への署名を見送った。ロシアの軍事に詳しい小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授(42)は「戦争は当面続く」と見通した上で「即時停戦には反対だ」と言い切った。(滝沢学) 小泉氏は「ロシアのプーチン政権は、(ウクライナが)占領地を差し出せば戦争をやめる、とは約束していない」と指摘。「ロシアの要求はウクライナの政権すげ替えや非軍事化であり、土地を渡せば停戦が可能との議論は第三者の勝手な思い込みだ」と楽観論を否定した。 ロシアの侵攻から2年となる2024年2月24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)で、献花するウクライナのゼレンスキー大統領(中央)、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(右から2人目)ら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く