小平喜一著 光人社NF文庫 休日出勤のお供にと何気に買った一冊。副題は知られざる日中戦争のインパール戦。支那戦線最大の敗戦である芷江(シコウ)作戦を描いた書。著者は独混第81旅団の下士官だった。 支那における我が軍は連戦連勝であったわけではない。例えば若林東一のデビュー戦となる良口会戦なんかも、負け戦である。しかし芷江ほどはっきりとした大敗は無い。 以下は、専田盛寿81Bs長に関する話。 ”すでに五十の坂を越えた新旅団長は、前任者に輪をかけた、特権意識過剰の我利々々亡者であった。 着任して半月も経たぬうちに、夜伽の女が欲しいと言い出した。 旅団長閣下の欲しいということは即、命令であった。 忠義面した副官は早速、治安維持会に命令して女を準備させた。 人身御供となったのは十六歳にも満たぬ花も蕾の姑娘であった。 そして「おれはサックなんか使うのは嫌いだから病気の有無をよく調べろ」と命じた。” 専
2005.08.30 インパール/高木俊朗(文春文庫) テーマ:最近、読んだ本を教えて!(24004) カテゴリ:読書記録(戦史・戦記) 高木俊朗『インパール』(文春文庫,1975) 総合評価 ★★★★★ (インパール作戦は作戦自体が無謀であったという主張を前面に出し、その実証の手段として弓兵団―宇都宮第三十三師団―の戦闘の経過に焦点をあてて描いた戦後戦記文学最初期の代表的作品。現在では主流となった牟田口第十五軍司令批判の口火を切った書としても知られています。) 内容について 本書は昭和24年に単行本として出版されたもので、その後文春文庫より昭和50年に大幅な改訂を加えて再版されています。私が今回読んだのは1997年に増刷された文庫版の第13刷です。文庫版は、単行本から別に『抗命』として出版した第三十一師団長佐藤幸徳中将の抗命事件に関する部分を大幅に削除し、その後の取材の成果により加筆訂正
2007.04.23 野口省己『回想ビルマ作戦―第三十三軍参謀痛恨の手記』 その1< テーマ:今日どんな本をよみましたか?(87550) カテゴリ:読書記録(戦史・戦記) 野口省己『回想ビルマ作戦―第三十三軍参謀痛恨の手記』(光人社NF文庫,2000) その1 総合評価 ★★★★☆ 五十六師団の情報主任参謀、三十三軍の後方主任参謀とビルマで昭和18年春から終戦までを参謀として過ごした将校による、雲南、ビルマにおける自身の参謀任務を中心とした回想です 参謀が残している回想類の中では、著者個人の視点から師団や軍首脳部の人物評や時々のやり取りなどが読み物的に語られている部分が多く読みやすく(退屈ではない)部類に入るのではないかと思います。 かといって大局的な話に流れることもなく、終始師団~軍レベルの参謀任務を中心に語られているのが珍しいと言うべきでしょう。 本書の対象期間は、雲南の五十六師団参謀
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