映画『シンドラーのリスト』を見た人は覚えているだろう。プワショフの強制収容所でユダヤ人を無慈悲に殺す所長の姿を。彼はシンドラーの友人であり、またユダヤ人を庇おうとしていたシンドラーのライバルとしても描かれている。その男の名は、アーモン・ゲート。身長192センチ、体重120キロの巨漢の男はナチス親衛隊の中でも突出した残虐な男だ。 アーモン・ゲートは各地のゲットー撤去作業で陣頭指揮をとりその異能を発揮し始める。彼が指揮した1943年のクラクフのゲットー撤去作業では二日で約千人が殺され、四千人が追い出された。その多くはアウシュビッツ強制収容所に送られたという。 各地のゲットー撤去作業での功績によりプワショフ強制労働収容所所長へと出世したゲートはこの収容所で死の嵐を巻き起こす。プワショフの生き残りシュテラ・ミュラーマーディによると「気に入らない者がいれば、髪のあたりを鷲づかみにしてその場で撃ち殺し