株式会社文藝春秋 本日9月3日(火)に第34回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(Bunkamura主催)が発表され、高野秀行さんのノンフィクション『イラク水滸伝』が選ばれました。 選考委員の桐野夏生さんに「辺境中の辺境に挑んだ怪物的著作。文句なしに面白い!」と激賞された本作は、“現代最後のカオス”ともいうべき、イラク南部の巨大湿地帯〈アフワール〉の謎に挑んだ、異色のノンフィクション作品です。 株式会社文藝春秋(東京都千代田区 社長:飯窪成幸)より23年7月26日に刊行した同書は、その果敢な冒険的探究と緻密な民族誌的記録が高く評価され第28回植村直己冒険賞を受賞しましたが、今回はそれにつづく二冠達成の快挙となりました。 中国四大奇書『水滸伝』さながら、世界史上には、ベトナム戦争時のメコンデルタ、イタリアのベニス、ルーマニアのドナウデルタのような、反骨の徒が集うアナーキーな湿地帯がいくつも存在
「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第2章「赤日の出撃」のティザービジュアル(c)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第1章「黒の侵略」が7月19日に公開された。「3199」は、福井晴敏さんが総監督を務め、シリーズ構成、脚本も担当する。福井さんは、リメークシリーズの「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」でシリーズ構成、脚本を担当しており、最新作では総監督も務めることになった。福井さんは、これまでインタビューや舞台あいさつで「3199」について「俺史上、最高傑作」と語ってきた。福井さんはなぜ“最高傑作”と言い切ったのか? そもそもタイトルの“3199”の意味は?
SFやミステリーで知られる出版社の早川書房が7月3日、新しいコミックサイト「ハヤコミ」開始を発表。7月23日にオープンする。世界的に有名なSFやミステリー作品のコミカライズを中心に、オリジナル作品も展開する予定だ。 注目の連載作品には、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』、スタニスワフ・レムの『ソラリス』、本屋大賞受賞作『同志少女よ、敵を撃て』などがある。これらの作品は、二階堂彩や森泉岳土、鎌谷悠希といった実力派漫画家が手がける。 「ハヤコミ」は、海外展開にも力を入れている点が特徴だ。すでに『そして誰もいなくなった』のコミカライズ版は6ヵ国に版権が売れているという。早川書房は、世界の名作を読みたい読者と、世界に向けて漫画を発信したい作家をつなぐ場としてこのサイトを位置付けている。 その他のラインナップには、アガサ・クリスティーのポアロシリーズや、キアヌ・リーブス原作の『BRZR
はまだ・たけふみ/1974年兵庫県宝塚市生まれ。米国・イェール大学卒業(政治学専攻)。大学在学中、学生寮のまずい食事から逃れるため、ニューヨークを中心に食べ歩きを開始。卒業後、本格的に美食を追求するためフランス・パリに留学。南極から北朝鮮まで、世界約127カ国・地域を踏破。一年の5カ月を海外、3カ月を東京、4カ月を地方で食べ歩く。2017年度「世界のベストレストラン50」全50軒を踏破。「OAD世界のトップレストラン(OAD Top Restaurants)」のレビュアーランキングでは2018年度から6年連続第1位にランクイン。国内のみならず、世界のさまざまなジャンルのトップシェフと交流を持ち、インターネットや雑誌など国内外のメディアで食や旅に関する情報を発信中。株式会社アクセス・オール・エリアの代表としては、エンターテインメントや食の領域で数社のアドバイザーを務めつつ、食関連スタートアッ
南米コロンビアのノーベル賞作家、ガブリエル・ガルシア・マルケス(1927~2014年)の代表作「百年の孤独」=新潮社、鼓直(つづみただし)訳。26日の発売を前に特設の売り場を設ける書店も出るなど、出版業界は「大事件」の到来に沸いている。(樋口薫)
『定年後に読む不滅の名著100選』(文藝春秋編) はじめに 人と本の出会いは一度きりではありません。 名著と言われる本には、必ず二読三読に耐えうる深みがあります。 歳月を重ね、人生経験を積んだからこそ発見する魅力があるでしょう。 あるいは、若い日にはおぼろげだったものが、くっきりと輪郭を持つ瞬間もあるに違いありません。 豊かな読書体験を持つ各界の識者が真の名著を選んでくださいました。 本書のタイトルは「定年後に読む~」になっておりますが、定年を迎えた方もこれからの方も、手に取ってもらえたらこれに勝る喜びはありません。 編集部識す ※選者の中には故人も含まれます。選者本人もしくはご遺族から訂正が入らない限り、肩書は初出当時のままとしました。 第一章 定年後に読みたい30冊 『触手』小田仁二郎(真善美社・絶版) 選/瀬戸内寂聴(作家) 小田仁二郎は山形県東置賜郡宮内町に生れている。父は医者で裕
2024.03.19発売情報 とてつもない富を持つ天才たちが渇望する「究極の自由」とは『テクノ・リバタリアン』ほか 【文春新書 3月のラインナップ】 そこは楽園か、ディストピアか? シリコンバレーの天才たちが希求する「数学的に正しい統治」とは? アメリカのIT企業家の資産総額は上位10数名だけで1兆ドルを超え、日本のGDPの25%にも達する。いまや国家に匹敵する莫大な富と強力なテクノロジーを独占する彼らは、「究極の自由」が約束された社会――既存の国家も民主主義も超越した、数学的に正しい統治――の実現を待ち望んでいる。 いわば「ハイテク自由至上主義」と呼べる哲学を信奉する彼らによって、今後の世界がどう変わりうるのか? ハイテク分野で活躍する天才には、極端にシステム化された知能をもつ「ハイパー・システマイザー」が多い。彼らはきわめて高い数学的・論理的能力に恵まれているが、認知的共感力に乏しい。
さまざまな分野で活躍するみなさんにお気に入りの本を教えていただくインタビュー連載「私の愛読書」。今回登場していただくのは、『最後の適当日記(仮)』(ダイヤモンド社)を刊行したばかりの高田純次さん。 挙げていただいた本は、なかなかネタバレできないミステリーやサスペンス色の濃い3作。その代わりに(?)、時代小説の不思議やおすすめの映画にまつわる話題が展開。冗談だらけの愛読書トークをお届けします。 高田純次(以下、高田):俺がひと晩で、寝ずに読んだ本だけを集めたのが、この3冊。あまりにも面白いから、読んでいたら寝られなくなっちゃって。 ——眠れないほど熱中できた3冊なんですね。 高田:そう。『火車』はずいぶん前のお話だけどね。刊行されたのは30年くらい前? だから、今の時代は携帯電話が使われちゃってるけど、昔は携帯電話が出てこない作品もあるでしょ。松本清張のシリーズなんかもそうだけど、この時代の
行動遺伝学の日本における第一人者、安藤寿康さんと対談したNHK出版新書『運は遺伝する 行動遺伝学が教える「成功法則」』のまえがき「誰も「遺伝」から逃れることはできない」を出版社の許可を得て掲載します。明日(10日)発売ですが、一部の書店さんではすでに店頭に並んでいるようです。見かけたら手に取ってみてください(電子書籍も同日発売です)。 ****************************************************************************************** どんな質問にも人間と区別のつかない返答をする生成AI(人工知能)「ChatGPT」が世界中で大きな話題になっているが、これは近年の「とてつもない」テクノロジーの進歩の一例でしかない。 分子遺伝学では、ワープロのようにゲノムを自在に挿入・削除・編集する「クリスパー・キャスナイン(C
サトウ・レン @RS_hon いくつかの投稿サイトをぐるぐるとしています。 匿名用の質問箱作ったのでもし良かったら→mond.how/ja/RS_hon ※ツイートのツリーにショートショートと付いているものは、140字の小説になります。 novelup.plus/user/184240816… サトウ・レン @RS_hon どこで発生したかは分からないのですが、「ラノベにSFジャンルはない」という言葉を見掛けました。反論するより、集めてみることにしました。 ということで、 「#SFライトノベルと聞いて最初に浮かんだ1作」 ちなみに良かったら、 「#ラノベ好きにおすすめしたいSF」 併せて使ってみてね。 2023-10-12 12:16:34
永瀬拓矢 1992年9月5日、神奈川県生まれ。2004年、安恵照剛八段門下として奨励会入り。 09年、四段昇段。18年、第4期叡王戦で初タイトルを獲得。19年、第67期王座戦で王座を獲得し、以後4連覇を果たす。22年、敬愛し練習パートナーでもある藤井聡太に棋聖戦で挑戦し、1勝3敗で惜敗。豊富な練習量を誇り、対局以外のほとんどの日は他の棋士との研究会に充てている。将棋に対する厳しい姿勢から、「軍曹」の異名を持つ。粘り強い棋風の居飛車党で、最近は終盤の切れ味も増している。マンガとアニメ鑑賞が唯一の息抜き。 「最初の10局は自分が圧倒していましたが…」 藤井聡太に永瀬拓矢が挑む棋聖戦五番勝負が2022年6月3日に開幕した。20年5月現在、将棋界には3人のタイトルホルダーがおり、そのうちの藤井と永瀬がタイトル戦で顔を合わせるのは今回が初となる。将棋ファンが待ち望んだ番勝負が、ついに実現することにな
斎藤幸平の著書『人新世の「資本論」』は、彼の想像をはるかに超えて、50万部以上を売りあげた 斎藤幸平が「脱成長コミュニズム」について書いてみようと決めたとき、担当編集者が懐疑的だったのも無理はない。日本ではコミュニズムは不人気だ。誰もが、経済成長を絶対的に良きものだと信じている。 だから、人口減少と経済停滞という日本の現状を危機としてではなく、マルクス主義的な再創造の機会として見るべきだと主張する本に、売り上げを期待するのは無謀だと思われていた。 しかし、売れた。2020年に刊行された斎藤の著書『人新世の「資本論」』は、彼の想像をはるかに超えて、50万部以上を売りあげた。斎藤は東京大学で哲学を教える准教授だが、日本のメディアに頻繁に登場して、自分の考えを訴える。『人新世の「資本論」』はすでに数ヶ国語に翻訳され、来年1月には英語版が出版される予定だ。 日本では、増加する老人の介護問題であれ、
【アメリカの経済的流動性は日本より低い】アメリカン・ドリームという幻想。マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』本文試し読み 「やればできる」という言葉に覆い隠された深刻な格差を明るみに出し、日本中で議論を生んだベストセラー、『実力も運のうち 能力主義は正義か?』(マイケル・サンデル、鬼澤忍訳、早川書房)がついに文庫化。本文の一部を特別公開します。 『実力も運のうち 能力主義は正義か?』 ハヤカワ・ノンフィクション文庫「やればできる」の空々しさ政治家が神聖な真理を飽き飽きするほど繰り返し語るとき、それはもはや真実ではないのではという疑いが生じるのはもっともなことだ。これは出世のレトリックについても言える。不平等が人のやる気を失わせるほど大きくなりつつあったときに、出世のレトリックがひどく鼻についたのは偶然ではない。最も裕福な1%の人びとが、人口の下位半分の合計を超える収入を
ダイヤモンド社と共同で行なっていた「海外投資の歩き方」のサイトが終了し、過去記事が読めなくなったので、閲覧数の多いものや、時世に適ったものを随時、このブログで再掲載していくことにします。 今回は2018年6月7日公開の「社会学の手法で解明した 超富裕層向けビジネスの内側」です(一部改変)。 ****************************************************************************************** 今回は、ブルック・ハリントン『ウェルス・マネージャー 富裕層の金庫番 世界トップ1%の資産防衛』(庭田よう子訳、みすず書房)を紹介したい。原題は“Capital without Borders(国境なき資本)”で、よくある「お金持ち本」の類ではなく、著者はコペンハーゲン・ビジネス・スクール社会学准教授だ。タックスヘイヴン(オ
こんにちは、リリースピッカーのあみです。みなさんカラスは怖いと感じますか?なぜかわからないけど、昔からカラスは不気味と感じる人が多いのではないでしょうか。今回はカラスの魅力を綴った本を紹介します。 ⇒「何杯でも」ライスおかわり自由!にんにく・鶏ガラスープを使用した特製揉みダレ「唐揚げ油淋鶏定食」発売! #Z世代Pick 株式会社 文一総合出版は、【とことんカラス】定価1,980円を2023年9月15日(金)に発売。 底なしのカラス沼へようこそ。 目次 身のまわりでかんたんに観察できて、見れば見るほどおもしろい。それが、楽しくてやみつきになってしまうカラス観察。野鳥専門誌『BIRDER(バーダー)』の編集部が総力をあげて、カラスのすべてをとことん解説。 俗に「カラス屋」と呼ばれるカラス研究者や観察者、写真家などの豪華執筆陣も名を連ね、カラスの基本知識から驚きのディープな情報まで、ビジュアル満
海外作品のヒットを発端に国内でも何度目かのブームが起こりつつあるSF小説。作家・評論家の森下一仁氏による、いま読むべき旬な作品のガイドをお届けします。 今月のベスト・ブック 装画=富安健一郎 装幀=早川書房デザイン室 『超新星紀元』 劉慈欣 著 大森望 光吉さくら ワン・チャイ 訳 早川書房 定価 2,310円(税込) 『三体』の劉慈欣さんの長編第1作が翻訳されました。14歳以上の人類がすべて死に絶えるという、ある種の“終末SF”。といっても13歳以下の子どもは生き残り、人類全体が絶滅するわけではないので、はたして子どもだけで社会が成り立つかを探ったシミュレーション小説ということもできそうです。 高齢化が進み世の中が老人だらけになる事態は誰しも思いつきますが、子どもだけという逆のケースはどうでしょう? すぐに思い浮かぶのはヴェルヌの『十五少年漂流記』(原題によれば『二年間の休暇』)。無人島
戦国時代はいつから始まったのか――。 関東では、京の「応仁の乱」より十年以上も前に、鎌倉公方が関東管領を謀殺したことを切っ掛けに関東全域を巻き込んだ大乱《享徳の乱》が勃発していた。以来三十年近くも続いた戦乱でひときわ輝いたのが、関東管領・上杉一門の扇谷上杉家を支えた太田道灌である。複雑怪奇な政治状況ゆえに語られることの少ない名将の真の姿を、真保裕一が新著『百鬼大乱』で鮮やかに描き出す。 知られざる名将・太田道灌はなぜ描かれなかったのか 「初めて江戸に城を造ったのは誰か?」というのは、有名な引っ掛け問題だろう。江戸城を拠点に江戸幕府を開いた徳川家康と答えたくなるが、これは間違いで正解は太田道灌である。ただ道灌が何をした人物で、なぜ湿地が広がるだけだった当時の江戸に城を築いたのかを説明できるのは、かなりの歴史好きだけのように思える。事実、道灌を取り上げた歴史小説は、童門冬二『小説太田道灌』、幡
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