長年ドイツの新聞雑誌の専属フォトグラファーを務めていた報道写真家、ミヒャエル・ウフル氏が、アーティストとしての活動を始めたのは彼が47歳になったときのことでした。ほどなくして、彼の作品は世界的に注目を集めることになります。 90年代半ばから香港を拠点にしているウルフ氏は、子供時代を過したアメリカや母国ドイツ、中国や日本などアジアの大都市をテーマに、その中に存在する「日常」の実態を探る作品を発表し続けています。中でも東京の通勤ラッシュを取り上げた『東京コンプレッション(圧縮)』と題されたシリーズは、彼のスタイルを強く印象づける作品となりました。 連日ラッシュを目指して駅に90日間通い続け、その後も幾度となく日本を訪れたウルフ氏、写真集完成までの4年間、彼は次々と入っては出て行く電車と人々を見続けていました。強烈な印象を残す、窓に押し付けられた人々のポートレートをご覧ください。 ウルフ氏が捉え
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