江戸時代、菱川師宣はじめほぼすべての浮世絵師たちが描いた性風俗画「春画」。2013年にロンドンの大英博物館で史上最大規模の春画展「春画-日本美術の性とたのしみ」が開催されるなど、海外で話題となる一方、あまりの赤裸々な表現に、近代以降の日本ではタブー視されていました。その「春画」が、8月8日~9月20日まで福岡市美術館で開催される特別展「肉筆浮世絵の世界」で展示されます。公立の美術館で「春画」が展示されるのは初めて!この機会は見逃せません。 春画は、宮中や大名家から庶民に至るまで、幅広い階層の人々によって愛されてきた浮世絵の重要なジャンルで、浮世絵師は技巧をこらして老若男女の性の営みを描きました。近代以降、長らく「春画=江戸時代のポルノグラフィ」という固定観念がありタブー視されてきましたが、「春画」は大名や旗本など位の高い家では大事な「嫁入り道具」でもあったそうです。 ポルノとアートの境界線