マンホールのふたをテーマにした書籍が相次いで出版された。テレビやラジオなどでも取り上げられ、女性のマンホール愛好家を指す「マンホール女子」という言葉も生まれた。何がマニアを熱くさせているのだろうか。 『マンホール 意匠があらわす日本の文化と歴史』(ミネルヴァ書房)を出版したのは、元東京都下水道局職員の石井英俊さん。変わったマンホールを探すようになったのは、20年近く前、旅行先の三重県伊勢市で「おかげまいり」のマンホールを見かけたのがきっかけ。「こんなかわいいふたがあるのか」と凝ったデザインに目を奪われた。 「マンホールの絵柄で多いのは、各自治体がシンボルとして選んでいる花や木、鳥です」。都内にある石井さんの自宅周辺を一緒に歩いてみると、すぐに都の下水道のマンホールが見つかった。中央にソメイヨシノをあしらい、周囲にイチョウ、ユリカモメを配した典型的なパターン。こうした凝ったデザインのマンホー