近年の産科を巡る医療崩壊によって「出産難民(お産難民)」という言葉を良く聞くようになった。ウィキペディアの定義によれば、「産科医や小児科医の減少に伴い顕在化した、病院出産を希望しながらも希望する地域に適当な出産施設がない、あるいは施設はあっても分娩予約が一杯で受け付けてもらえない妊婦の境遇を、行き場を失った難民になぞらえた言葉である」*1。同様な言葉として、「がん難民」という言葉も時に耳にする。なんとなく「癌なのに医師にかかれない人たち」を意味するように聞こえるが、実際にはだいぶ出産難民とは意味合いが違うようだ。 ■がん難民、推計68万人 民間研究機関が調査*2(東京新聞) 納得できる治療を求めて悩んでいる「がん難民」はがん患者の53%で、全国で推計約68万人に上ることが7日、民間研究機関の日本医療政策機構(代表理事・黒川清前日本学術会議会長)の分析で分かった。 がん難民は平均3カ所の医療