もっとも、5Gはまだ標準化が完了していない。日本では東京オリンピック・パラリンピックをショーケースとすべく、「2020年に商用化」が▼漠然と決まっているだけだ。ただし、3GPPは2017年3月、5Gの無線方式である「5G NR」(New Radio)の仕様策定を前倒しすることを決定した。LTEとの併用を前提とした「NSA」(Non-standalone)型は年内(2017年12月)に仕様が固まるため、周波数の割り当て時期によるが、2019年の商用化も現実味を帯びてきた。実際、ソフトバンクは「正式にはまだ何も決まっていないが、2019年に商用化できるように準備を進めている」(モバイルネットワーク本部ネットワーク企画統括部技術企画部の船吉秀人部長)という。 以下では、いよいよ本格化してきた実証実験を中心に5Gの現状を見ていく。まだ5Gならではのユースケースは少ないが、警備や自動車といった分野で