「声優アイコ」を名乗る人物が街で知り合った男性に睡眠薬を飲ませ、眠らせて金品を奪う――。東京都内を中心に相次いだ連続昏睡(こんすい)強盗事件。被告はいま、「自分の中の別人格が事件を起こした」と法廷で主張している。謎に包まれた事件の真相を知ろうと、傍聴席は常に満席だ。 7月27日、東京地裁710号法廷。昏睡強盗罪などに問われている神いっき被告(31)は、グレーのトレーナーに黒のジャージー姿で現れた。 被告「自分そっくりの(人物が映る)防犯カメラの映像を見た。そして、自分の中に他の人格がいることはわかり、それが犯行をしたかもしれないと思いました」 逮捕前に警視庁が公開した防犯カメラ映像の「アイコ」は、ヒョウ柄のベレー帽をかぶったロングヘアの「女」だった。ただ、昨年7月に逮捕された被告は短髪で、普段は男性として暮らしていた。自身のブログでは自ら「性同一性障害」とつづっていた。 その被告は逮捕以来