北海道新聞が速やかに果たすべき説明責任とは――「記者逮捕」を考える〈上〉 メディア界への影響は甚大 新人記者はなぜ現場に向かわされたのか 高田昌幸 東京都市大学メディア情報学部教授、ジャーナリスト 北海道新聞社旭川支社報道部の記者(22)が、旭川医科大学の学長選考会議を取材中に無断で学内の建物に入ったとして、建造物侵入容疑の現行犯で逮捕される事件があった。入社間もない試用期間中の記者が、指示に従って建物内に入った結果、逮捕に至ったとみられている。取材活動によって報道機関の記者が逮捕された例は、近年なかった。この事件をいったい、どう捉えたらいいのか。取材・報道の自由、犯罪報道における実名の是非、メディア自身による説明責任、北海道新聞社は記者を守るのか……。観点はいくつもある。そうしたポイントを3回にわたって整理し、考えたい。 連載の〈中〉はこちら、〈下〉はこちら。 記者の逮捕 現場で何が起き