「戸籍に入れたくないから」「不倫だから」。慈恵病院(熊本市)が運営する「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、熊本県の検証会議は26日に公表した最終報告で、利用した親の理由を初めて明らかにした。 体面などを優先した身勝手とも言える内容が4割に上り、子育ての大切さを教えるべき福祉・教育関係者もいた。一時保護という成果の一方で、匿名性が安易な子捨ての助長につながっている側面が浮かび上がった。 運用開始からの約2年5か月で預けられた子どもは51人。置き手紙やその後にあった電話連絡などで39人の親が判明し、うち37人が回答した。「生活の困窮」(7人)を抑え、一番多かったのは「戸籍に入れたくない」(8人)。出産した痕跡が戸籍に残ることを嫌がったためという。さらに「不倫だから」(5人)、「世間体が悪い」「未婚なので」(各3人)と続いた。子どもの障害が理由だったケースも複数あった。 母親の年