自主流通のミニコミや団体の機関紙など一般の書店では手に入りにくい品をそろえる新宿の書店「模索舎」が10月、創業50周年を迎える。1970年代、学生運動に情熱を傾けた大学生らが設立した書店は、運営スタッフが世代交代しながら、「表現の自由」「流通の自由」を守り続けている。 JR新宿駅から甲州街道沿いに東へ十分ほど歩くと、新宿二丁目のビルの一階に模索舎が見えてくる。ペンキのはがれかかった板張りの外壁に黒ずんだ木製の扉と看板、上に掲げられたランプが昭和の趣をそのままに残す。 店内は十坪ほど。左右の棚には詩人の吉本隆明さんら著名人の書籍もあるが、多くは出版取次会社を通さない自主流通本だ。サブカルチャーやLGBT、宗教などあらゆるジャンルを網羅。ミニコミ専用の棚も設けている。奥のコーナーには新左翼、新右翼など思想を問わず、各種団体の機関紙が所狭しと並ぶ。販売依頼で持ち込まれた本は原則無審査。十一年前か