「陸上自衛隊で使用している89式5.56mm小銃の後継銃を開発するための参考器材」である試験用小火器に関する陸自仕様書が公開されたのは、今年3月のことだった。その内容に衝撃を受けた私が自衛隊の次期主力小銃開発について記事を書こうと思ったのは、その頃であった。しかし結局、この記事がこうして発表されたのは、それから半年近くも後のことになってしまった。今更だと思われる読者もいるかもしれないが、どうか最後までお付き合い願いたい。 前編では、豊和工業の新型国産小銃である試験用小火器は、ベルギー/アメリカのFN SCARに強い影響を受けて開発されたものであるということに加え、「豊和工業とAR-18の関係」および「AR-18とFN SCARの関係」を考慮すれば、その類似は合理的であるということを主張した。また、89式小銃を基に試作された先進軽量化小銃や、自衛隊特殊部隊が使用する輸入小銃などを紹介すること