ベンチャー企業のBlossom Energy(ブロッサムエナジー、東京・港)が、蓄熱式蒸気ボイラーの開発を進めている。蓄熱に黒鉛を使うのが特徴だ。約400℃に熱した黒鉛の熱をボイラーに導いて水を加熱し、蒸気を製造する。2024年6月28日にコンセプトモデルを公開した。再生可能エネルギー由来の電力などで蓄熱できれば、これまで化石燃料を主な熱源としていたボイラーの脱炭素化につながるとの期待がある。
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ベンチャー企業のBlossom Energy(ブロッサムエナジー、東京・港)が、蓄熱式蒸気ボイラーの開発を進めている。蓄熱に黒鉛を使うのが特徴だ。約400℃に熱した黒鉛の熱をボイラーに導いて水を加熱し、蒸気を製造する。2024年6月28日にコンセプトモデルを公開した。再生可能エネルギー由来の電力などで蓄熱できれば、これまで化石燃料を主な熱源としていたボイラーの脱炭素化につながるとの期待がある。
デジタル技術を用いて建築や家具をつくるプロセスを一般に開かれたものとし、同時に「建築家」の仕事の在り方を変える──。建築テック系のスタートアップ「VUILD(ヴィルド)」(川崎市)が、 「つくりたいを、解き放て。」というキャッチフレーズを掲げる、ものづくりのプラットフォームを始動させている。 サービスの名称は「EMARF(エマーフ)」。デジタル木工機械と一般ユーザー向けのデザインツールを組み合わせ、オンラインによるカスタマイズ家具の販売を事業化したものだ。18年11月からのベータ版検証を経て今年4月11日に正式運用を開始。併せて同サービスの活用に向けてパナソニック、カインズ、面白法人カヤック、リビタ、LIFULL(ライフル)、富山県南砺(なんと)市の5企業・1自治体との連携も発表した。 ユーザーとなる一般層のニーズや、現状の生産体制などを考慮し、「家具づくり」の側面を強調している。しかし、
建設資材や工法の企画開発などを手掛けるピトン(東京・港)は、工場でプレカットする打ち込み型枠を用いた住宅用基礎の新工法「eLbase(エルベス)工法」を開発した。施工の容易性や再利用する型枠の在庫が不要な点を生かして新工法の普及を目指す。型枠の加工と固定方法に関する特許を出願中だ。2020年8月4日に発表した。
東北大学多元物質科学研究所の久志本築助教らの研究グループは、計算科学によって湿式ボールミル内における原料粉砕メカニズムの解析に成功した(図1)。これまでは、粉砕媒体(ボール)同士がこすれて粉砕が進むと考えられていたが、ボール同士を正面衝突させる方が粉砕が進みやすい可能性があるという。研究グループは、この解析結果を装置の設計に応用すれば粉砕の効率・速度の向上につながると見る。
ロボット技術の土台とも言える3次元空間の表現において、今、一大革新が起きているのをご存じだろうか。点群データでもなく、gridデータでもなく、voxelでもない。はたまた、ポリゴンメッシュでもない。これらとは異なる、高速さと精緻さを両立した新しいアプローチが登場し、3次元空間表現の領域で大きな注目を集めている。 その名も「Gaussian splatting」。名前はいかつい感じだが、仕組みはシンプル。点群データとRGB画像データを用意すると、独特の形式の3次元データを自動生成。そして、全く別の視点から見たその場の光景を、瞬時かつ極めて写実的に生成できる技術だ。いわゆる「novel view synthesis(NVS)」の一種である。 Gaussian splattingの特徴は、生成画像のリアリティさと高速さを両立していることだ。NVSの領域では、つい半年ほど前までニューラルネットベー
クッションを優しく包み込むロボットアームや、指先を器用に操りながらものを整列させるハンド──。パナソニック ホールディングスは、ロボット技術の展示会「2023国際ロボット展(iREX2023)」(2023年11月29日~12月2日、東京ビッグサイト)に出展し、開発中のロボットアームやハンドを披露した。同社が展示テーマとして掲げる、「Augment Possibility with Robotics(制約を超え、くらしを広げる)」にあるように、いずれもファクトリーオートメーション(FA)以外の領域で人の生活空間で作業することを想定した技術だ。 開発したロボットアームは、力制御可能なモジュール型のもの(図1)。力覚センサーやトルクセンサーなどを用いずに、駆動部一体型の独自のトルクセンシング構造を持つ関節モジュールを組み合わせてロボットアームを構成している。モジュールは、センサーやアクチュエータ
超大型機械で一発成形─。日本の製造業に新たな加工法の波が押し寄せている。米Tesla(テスラ)が実用化で先行し、トヨタ自動車が開発中の「ギガキャスティング(ギガキャスト)」は、「ギガプレス」と呼ばれる超大型ダイカストマシンによる大物アルミダイカスト製部品の成形法として一躍注目を集めている。この流れが、マグネシウム(Mg)合金製部品の成形にも波及。その波にいち早く乗ったのが日本製鋼所(JSW)だ。 同社が2023年12月に初出荷した「JLM3000-MGIIeL」は、超大型のMg射出成形機(以下Mg射出成形機、図1)。特長は、3000tf(約29.4MN)という世界最大の型締め力にある。1300tf(約12.7MN)という従来機のそれから2倍以上に高めた。狙いはずばり、次世代車載ディスプレーだ。 型締め力が3000tf(約29.4MN)と世界最大。大型の車載ディスプレー用バックプレートなどの
カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の掛け声とともに、鉄鋼メーカーや自動車向けの樹脂を手掛ける化学メーカーが、脱炭素化に向けた材料を相次いで発表した2023年。続く2024年はこの動きが加速し、材料メーカーと自動車メーカーがタッグを組むことで、脱炭素材料への転換がいよいよ進み出すと見られる(表、図1)。
東レは、押し出し成形による2軸延伸プロセスで超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)をフィルム化する製造技術を、「世界で初めて」(同社)開発した(図1)。新たな手法で造ったフィルムの引っ張り強度は1200MPaを示し、ステンレス鋼のそれに匹敵する(表)。熱伝導率の高さも特徴で18W/(m・K)とステンレス鋼並みに熱を通しやすい。電子デバイスの放熱材料や、UHMWPE固有の性質である耐薬品性や耐寒性(使用下限温度)、絶縁性(絶縁破壊電圧)などの特長を生かした保護材料としての用途を見込んでいる。
「Tkinter」というGUIライブラリを利用することで、PythonでもデスクトップのGUIアプリを作成できる。その方法を解説しよう。 第5回 PythonのGUIアプリで様々なイベントに対応する、カギは「bind関数」 実は、commandオプションはすべてのウィジェットで使えるわけではありません。Labelウィジェットのように、操作されることを前提としていないウィジェットにはcommandオプションはありません。 2024.01.12 第4回 Pythonでクリックに反応するには? イベントドリブンを利用しよう Tkinterを含む大抵のGUIライブラリは、「イベントドリブン」という仕組みを採用しています。イベントドリブンでは、ユーザーの操作などをきっかけに処理を実行します。イベントドリブンのプログラミングでは、プログラムの進行が直線的ではなくなります。 2024.01.11 第3回
「DIY-IoT(Internet of Things)」が注目を集めている。商品の検品や、機械の故障検知、商品数のカウントなどをIoTによって行うために、必要なセンサーや制御装置などのデバイスを自社で開発して利用することをいう。 自社でセンサー装置を作るといっても、制御ICなどを含む全ての部品を自作するわけではない。最近では、「Arduino」や「Raspberry Pi」といった小型の制御機能を持つコンピューター(マイクロコントローラー)を使用し、Pythonなどの言語で目的に最適化されたセンサーデバイスなどを自作することが流行している。 Arduinoのようなマイクロコントローラーは、専門のハードウエアの知識がなくても開発環境が設定しやすいように配慮されており、開発ソフトウエアも無料で提供されている。こうした事情もあり、ソフトウエアの知識があれば、簡単なセンサーデバイスを開発すること
これまでリサイクルは“加点”の取り組みだった。リサイクル材の使用がアピール材料となり、自動車メーカーの企業イメージを向上させた。だが、規制が導入される今後は対応することが義務となる。プラスチックとリチウムイオン電池の2領域で、競争の号砲が鳴った。 「規制が厳しくなるので、グローバルでリサイクル材の活用を進めていく。今、高コストだからといって(リサイクル材を)使わないということではなく、将来に向けて安くしていくために採用を拡大していく」。自動車リサイクルが転換点を迎えているのではないか―。トヨタ自動車副社長の中嶋裕樹氏が、日経Automotiveの問いにこう答えた。 潮目の変化を先読みして、リサイクル材を積極採用しているのが欧州勢である。スウェーデンVolvo Cars(ボルボ)が2023年11月に日本で発売した新型電気自動車(EV)「EX30」は、リサイクル材の比率を高めることで、従来のボ
米Siemens Digital Industries Software(シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア、以下シーメンス)とリコーは、バインダージェット(BJT)方式の金属3Dプリンティング(付加製造)に向けたソリューションの開発で協業する。リコーは、アルミニウム(Al)合金を使用したBJTプロセスの効率を向上させ、量産が可能な造形システムを製品化する(図)。 * Siemens Digital Industries Softwareのニュースリリース BJTによる3Dプリンティングは、機械加工や鋳造では不可能だった複雑な形状の金属部品の製造が可能なため、今後の需要増加が見込まれる。リコーのBJT技術は、工業用インクジェット印刷のヘッド技術を応用しており、複雑な形状の部品を安定して製造できるという。シーメンスが持つ積層造形固有のオペレーション管理ノウハウを生かし、量産に対応
英マンチェスター大学で月や火星での使用を想定した硬化体「StarCrete」の研究が進んでいる。主な材料は月や火星の表面に堆積するレゴリスを模した砂状の物質とジャガイモから採取されるデンプンなどだ。圧縮強度は月の模擬レゴリスを使用すると91.7N/mm2、火星の模擬レゴリスの場合は72N/mm2と、高強度コンクリートと同等の値を示した。 StarCreteはデンプンを意味するStarchとConcrete(コンクリート)を掛け合わせた言葉だ。一般的なコンクリートとは異なり、粗骨材の石や結合材となるセメントは使用しない。代わりに、月や火星の砂であるレゴリスをジャガイモから採取できるデンプンで結合させる。 造り方は以下の通り。まず、模擬レゴリスとデンプンを混合し、塩化マグネシウム溶液を加えて約120度で加熱する。続いて、その混合物を乾燥させて、ハンマーで砕き、水を入れて混ぜる。その後、金型に入
紙のノートやメモに愛着を持っている人は多いだろう。趣味ならば質の良い紙のノートブックに万年筆で書く――といった作業にうっとりするのも悪くない。だが、仕事など生産性を重視するなら、ノートやメモはデジタルに切り替えることを強くお勧めする(図1)。 そもそも紙のノートは、“1冊”の制約がある。ページを使い切ったら次のノートに切り替えなければならない。書けば書くほどたくさんのノートがたまり、持ち歩くのが難しくなるし置き場所を取る。また、紙は劣化するので、保存性の問題も残る。 デジタルのノートなら、何百ページ書いても置き場所に困ることはない。ストレージの容量限界まで記録できるのだ。テキスト中心のノートなら、毎日大量に書いても一生分を余裕で記録できるはず。しかも、物理的な量とは無縁なので、その全てを持ち歩ける。 また、紙の場合は、過去のノートから必要な情報を取り出そうと思うと大変な手間が掛かる。日付を
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