JR東日本は設置箇所に建設3Dプリンターで直接印刷するオンサイトプリンティング実現に向けて、現場内で印刷する「ニアサイト」で災害用ベンチを印刷した。
環境性能とデザインを両立する──。そんなニーズに応えようと、大成建設が脱炭素コンクリートと3Dプリンティング技術を掛け合わせて新たな柱部材を開発した。二酸化炭素(CO2)排出量収支をマイナスにしながら、複雑なデザインを実現できる。2025年度中に完成予定の同社の研究施設にプロトタイプを適用した。 「大成建設グループ次世代技術研究所」の研究管理棟に適用されたプロトタイプ。波形の外殻を40cmごとに積み重ね、コアのコンクリート柱を囲む。昼間(右)は外殻の凹凸が陰影を生み出し、夜間(左)は層の隙間から照明の光が漏れ出す(出所:大成建設) 今回開発した柱部材は、脱炭素コンクリートを原料に3Dプリンターで生成した外殻で、コアとなる鉄筋コンクリート柱を囲む構成。外殻は、構造体には当たらない。高さ約40cmを1ブロックとし、打ち込み型枠として利用する。 外殻の素材に用いたのは、同社が開発した「T-eCo
中国Zeekr(ジーカー)の電気自動車(EV)「007」をサーキットで走らせたときだった。これまで試乗してきたEVと比べて駆動音が小さく感じた。分解を進めていくと、電動アクスルを覆う黒いカバーが出てきた。どうやらこの見慣れないカバーが一翼を担っているらしい。
新たな建築生産の手法として注目が集まる3Dプリント技術、その材料に「木」を利用する取り組みが進んでいる。 三菱地所設計が3Dプリンターの材料に木粉を用いて製作した「TSUGINOTE TEA HOUSE」。2024年7月時点で、三菱地所設計本店の総合受付に展示している(写真:日経クロステック) 三菱地所設計は、3Dプリント技術を用いた生産システムを構築し、プロトタイプを製作した。3Dプリンターの材料には、木粉を利用する。本来廃棄される木粉を用いるため、資源を無駄にしない取り組みだ。 三菱地所設計は、新たに構築した生産システムを「Regenerative Wood(リジェネラティブ・ウッド)」と呼ぶ。デザインから施工までの一連の生産システムを指し、現時点では建物や家具などを対象にする。
LIXILはDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するため、米Google(グーグル)のノーコード開発ツール「AppSheet(アップシート)」を採用した。2022年7月29日時点で、2万個を超えるアプリケーションを内製し、このうち839個を本番運用している。AppSheet活用の狙いについて、同社の岩﨑磨常務役員デジタル部門システム開発運用統括部リーダーは「(情報システム部門に該当する)デジタル部門が開発すべきシステムやアプリにフォーカスできるようにする」と語る。 LIXILがAppSheetを導入した背景には、デジタル部門の負荷増大があるという。「社内でデジタル技術の活用が進んだことにより、デジタル部門が社内の全ての案件に対応するのが難しくなってきている」(岩﨑常務役員)。そこで経営レベルで費用対効果の大きいシステムやアプリをデジタル部門が開発し、小さいものは現場が自ら開発する
除湿暖房もできる回路 「これほど多くの機能を盛り込んだ空調システムは見たことがない」――。 自動車空調やEV熱マネを手掛けるサンデンで空調システム設計を担う技術者は、007の冷媒回路を見てこう驚きをあらわにした。「多くの自動車メーカーが空調システムのコストを削る傾向にある中、007の空調システムに関わる部品点数は、今まで調査してきたEVの中で一番多いかもしれない。空調機能にかなり力を入れていると推察できる」(同技術者)と話す。 日経BPが過去に分解調査した米Tesla(テスラ)の「Model 3」やドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン)の「ID.3」と比較すると分かりやすい。例えば、流路を制御したり冷媒を減圧したりするバルブ類の数はModel 3やID.3では5~7個程度だったが、007では10個備えており、回路もより複雑だ。 その分、007はエネルギー効率に優れた冷凍サイクル(
ベンチャー企業のBlossom Energy(ブロッサムエナジー、東京・港)が、蓄熱式蒸気ボイラーの開発を進めている。蓄熱に黒鉛を使うのが特徴だ。約400℃に熱した黒鉛の熱をボイラーに導いて水を加熱し、蒸気を製造する。2024年6月28日にコンセプトモデルを公開した。再生可能エネルギー由来の電力などで蓄熱できれば、これまで化石燃料を主な熱源としていたボイラーの脱炭素化につながるとの期待がある。
デジタル技術を用いて建築や家具をつくるプロセスを一般に開かれたものとし、同時に「建築家」の仕事の在り方を変える──。建築テック系のスタートアップ「VUILD(ヴィルド)」(川崎市)が、 「つくりたいを、解き放て。」というキャッチフレーズを掲げる、ものづくりのプラットフォームを始動させている。 サービスの名称は「EMARF(エマーフ)」。デジタル木工機械と一般ユーザー向けのデザインツールを組み合わせ、オンラインによるカスタマイズ家具の販売を事業化したものだ。18年11月からのベータ版検証を経て今年4月11日に正式運用を開始。併せて同サービスの活用に向けてパナソニック、カインズ、面白法人カヤック、リビタ、LIFULL(ライフル)、富山県南砺(なんと)市の5企業・1自治体との連携も発表した。 ユーザーとなる一般層のニーズや、現状の生産体制などを考慮し、「家具づくり」の側面を強調している。しかし、
建設資材や工法の企画開発などを手掛けるピトン(東京・港)は、工場でプレカットする打ち込み型枠を用いた住宅用基礎の新工法「eLbase(エルベス)工法」を開発した。施工の容易性や再利用する型枠の在庫が不要な点を生かして新工法の普及を目指す。型枠の加工と固定方法に関する特許を出願中だ。2020年8月4日に発表した。
東北大学多元物質科学研究所の久志本築助教らの研究グループは、計算科学によって湿式ボールミル内における原料粉砕メカニズムの解析に成功した(図1)。これまでは、粉砕媒体(ボール)同士がこすれて粉砕が進むと考えられていたが、ボール同士を正面衝突させる方が粉砕が進みやすい可能性があるという。研究グループは、この解析結果を装置の設計に応用すれば粉砕の効率・速度の向上につながると見る。
ロボット技術の土台とも言える3次元空間の表現において、今、一大革新が起きているのをご存じだろうか。点群データでもなく、gridデータでもなく、voxelでもない。はたまた、ポリゴンメッシュでもない。これらとは異なる、高速さと精緻さを両立した新しいアプローチが登場し、3次元空間表現の領域で大きな注目を集めている。 その名も「Gaussian splatting」。名前はいかつい感じだが、仕組みはシンプル。点群データとRGB画像データを用意すると、独特の形式の3次元データを自動生成。そして、全く別の視点から見たその場の光景を、瞬時かつ極めて写実的に生成できる技術だ。いわゆる「novel view synthesis(NVS)」の一種である。 Gaussian splattingの特徴は、生成画像のリアリティさと高速さを両立していることだ。NVSの領域では、つい半年ほど前までニューラルネットベー
クッションを優しく包み込むロボットアームや、指先を器用に操りながらものを整列させるハンド──。パナソニック ホールディングスは、ロボット技術の展示会「2023国際ロボット展(iREX2023)」(2023年11月29日~12月2日、東京ビッグサイト)に出展し、開発中のロボットアームやハンドを披露した。同社が展示テーマとして掲げる、「Augment Possibility with Robotics(制約を超え、くらしを広げる)」にあるように、いずれもファクトリーオートメーション(FA)以外の領域で人の生活空間で作業することを想定した技術だ。 開発したロボットアームは、力制御可能なモジュール型のもの(図1)。力覚センサーやトルクセンサーなどを用いずに、駆動部一体型の独自のトルクセンシング構造を持つ関節モジュールを組み合わせてロボットアームを構成している。モジュールは、センサーやアクチュエータ
超大型機械で一発成形─。日本の製造業に新たな加工法の波が押し寄せている。米Tesla(テスラ)が実用化で先行し、トヨタ自動車が開発中の「ギガキャスティング(ギガキャスト)」は、「ギガプレス」と呼ばれる超大型ダイカストマシンによる大物アルミダイカスト製部品の成形法として一躍注目を集めている。この流れが、マグネシウム(Mg)合金製部品の成形にも波及。その波にいち早く乗ったのが日本製鋼所(JSW)だ。 同社が2023年12月に初出荷した「JLM3000-MGIIeL」は、超大型のMg射出成形機(以下Mg射出成形機、図1)。特長は、3000tf(約29.4MN)という世界最大の型締め力にある。1300tf(約12.7MN)という従来機のそれから2倍以上に高めた。狙いはずばり、次世代車載ディスプレーだ。 型締め力が3000tf(約29.4MN)と世界最大。大型の車載ディスプレー用バックプレートなどの
カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の掛け声とともに、鉄鋼メーカーや自動車向けの樹脂を手掛ける化学メーカーが、脱炭素化に向けた材料を相次いで発表した2023年。続く2024年はこの動きが加速し、材料メーカーと自動車メーカーがタッグを組むことで、脱炭素材料への転換がいよいよ進み出すと見られる(表、図1)。
東レは、押し出し成形による2軸延伸プロセスで超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)をフィルム化する製造技術を、「世界で初めて」(同社)開発した(図1)。新たな手法で造ったフィルムの引っ張り強度は1200MPaを示し、ステンレス鋼のそれに匹敵する(表)。熱伝導率の高さも特徴で18W/(m・K)とステンレス鋼並みに熱を通しやすい。電子デバイスの放熱材料や、UHMWPE固有の性質である耐薬品性や耐寒性(使用下限温度)、絶縁性(絶縁破壊電圧)などの特長を生かした保護材料としての用途を見込んでいる。
「Tkinter」というGUIライブラリを利用することで、PythonでもデスクトップのGUIアプリを作成できる。その方法を解説しよう。 第5回 PythonのGUIアプリで様々なイベントに対応する、カギは「bind関数」 実は、commandオプションはすべてのウィジェットで使えるわけではありません。Labelウィジェットのように、操作されることを前提としていないウィジェットにはcommandオプションはありません。 2024.01.12 第4回 Pythonでクリックに反応するには? イベントドリブンを利用しよう Tkinterを含む大抵のGUIライブラリは、「イベントドリブン」という仕組みを採用しています。イベントドリブンでは、ユーザーの操作などをきっかけに処理を実行します。イベントドリブンのプログラミングでは、プログラムの進行が直線的ではなくなります。 2024.01.11 第3回
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