『WILDER MANN ワイルドマン 欧州の獣人─仮装する原始の名残』より 一部の人での間で話題になっていたシャルル・フレジェによる写真集『WILDER MANN』の日本版がついに発売された。 なぜ多くの人がこれほどまでにここに写っている獣人たちに心惹かれるのだろうか? その答えは、現代の人々が世界とネットワークで繋がっていると思い込むが故に、自己を見失い、互いを見失っているのではという思いが脅迫的に増大し、その反動として、根源的なものに憧れるからではないだろうか。 本書のロバート・マクリアム・ウィルソンの序文『心の中の野生』に書かれている。 「自己を確立するため、私たちは他者の存在を必要とする。〜まずは自分ではない何者かを定義することで、自分が何者であるかを定義しなければならない。私たちは『野人』ではなく『飼いならされた人間だ』。恐れるべきものを知るからこそ、何が信用できるかをわかる」