ヒカゲヘゴ(バラピ):奄美大島以南の琉球列島で見られる木生シダ。ヒカゲヘゴを含む木生シダはランなどの着生植物の根付きをよくする「ヘゴ板」「ヘゴ鉢」の材料として重宝される事から、絶滅の危機が危ぶまれ、動植物を国際的に取引の規制するワシントン条約に指定されている。 祖納集落の村人から「バラピを採りに行くぞ」と声をかけられた。バラピとはヒカゲヘゴというシダ植物のことで、西表島の伝統行事・節祭(シチ)で使われる食材の一つだ。 あいにくの雨模様だったが、公民館にノコギリや鉈を持った村の男たちが集合していた。男たちは数台の車に分乗し、バラピがたくさん生えている山間部の谷間へ向かった。シダ植物の食材といえば真っ先に思いうかぶのはワラビやゼンマイであろうが、ヒカゲヘゴは高さが10メートルを超える木性のシダだ。バラピ採りはワラビやゼンマイのように「摘む」というわけにはいかない。ノコギリや鉈を使って豪快に切り
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