ヤドリギ(宿り木)とは? 私たちがヤドリギの存在に気づくのは冬です。ケヤキなどの落葉樹の枝に丸い塊が着いているのを見たことがありませんか? ときには1本の落葉樹に数十個も着いていることもあります。「あれは木の病気?」などと尋ねられたりしますが、あの丸い塊がヤドリギです。 ヤドリギ自身は常緑性の低木で、けっして地表に生えることはありません。他の樹木の枝や幹に根を差し込んで水や栄養を横取りする寄生植物で、文字通り「木に宿る木」です。ただし、ヤドリギ自身も葉緑素をもっていて光合成をしています。このように栄養の一部を自力でまかなっている寄生植物を「半寄生植物」と呼びます。 寄生植物が寄生する相手のことを「寄主(きしゅ)」といい、ヤドリギはさまざまな落葉広葉樹を寄主とします。関東以西の平地ではケヤキ、エノキ、サクラなどに寄生することが多く、山地や北日本ではコナラ、ミズナラ、ブナ、シラカバといった樹木