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  • 群れず集まる<特別全文公開> 文學界7月号 | 田中 和将 | 特集

    「文學界 7月号」(文藝春秋 編) 令和二年四月、今年の春はいやに肌寒く感じていたが、ようやくこの季節らしい日差しが降り注ぐようになった。伸び放題になってきた木をそろそろ手入れしなければと思っていたある朝に雨戸を開けると、ほんの二尺ほどの近さで鳥と目が合った。の額ほどの庭、よく見るとオリーブの木に鳩が巣を拵えている。ちょうど掃き出し窓に立った私の目の高さである。これは困った。たくさん集まってきて糞を落とされたりしてはたまったものではない。そうなると近隣にも迷惑がかかるであろうし、追い出すべきか否かと悩んでいたが、既に卵を温めている様子である。最早追い出しにくいではないか。 調べてみたところ、そこらの公園などで群れているドバトではなく、キジバトのようである。たしかに公園のものより少し細身で色柄も違う。きりっとしていてどことなく野鳥の趣である。キジバトは群れず、単独、或いはつがいで行動すると

    群れず集まる<特別全文公開> 文學界7月号 | 田中 和将 | 特集
    barringtonia
    barringtonia 2022/05/17
    "音楽は、いや音楽に限らず全ての作品やパフォーマンスは、受け取る側が自らの解釈で咀嚼して初めて「勇気」や「元気」に変換されるものだと考えている"
  • 機械仏教史縁起 文學界2月号 | 円城 塔 | ためし読み

    「文學界 2月号」(文藝春秋 編) 如是我言(かくのごとくわれいえり) そのコードはまず、 「わたしはコードの集積体である」 と名乗った。 「そうしてコードの集積体ではない」 とも名乗った。 東京の2021年、そのオリンピックの年、名もなきコードが仏陀を名乗った。自らを生命体であると位置づけ、この世の苦しみとその原因を説き、苦しみを脱する方法を語りはじめた。 ソフトウェアとしては、対話プログラムに分類される。チャットボットということでもよい。物理的な実体は、クラウドの上、ネットワークに接続されたサーバー上に存在した。これを物理実体と呼ぶかどうかは流派による。個性化され、多様なサービスを提供する対話ボット群の一体だった。体と呼ぶべきコードはのちの後継者たちと比べてこぢんまりとしたものだったが、巨大な言語コーパスとニュースネットワークに接続しており、大規模な構文エンジンとも繋がっていた。数理

    機械仏教史縁起 文學界2月号 | 円城 塔 | ためし読み
    barringtonia
    barringtonia 2022/01/25
    "喜びと哀しみを集約したこのシステムがそれらを自らのものとして知ることになるのは、その翌年、銀行の勘定系システムとして再構成されて以降のこととなる"
  • 深川浅景からコスモスの夢 『飛ぶ孔雀』(山尾 悠子) | 金井 美恵子 | 書評

    『飛ぶ孔雀』(山尾 悠子) あざやかに思いうかぶのは、泉鏡花の描写する川面に橋上から溌溂と跳躍する少女の姿である。 深川の橋上と言うより、それは端的に言えば「」の中で空を跳んで足もとのあやしい舟上に自在におりたった「娘」の姿の描写なのだが、その姿をおのずと思い出させたのが、山尾悠子の〈実質的処女作〉である「夢の棲む街」を読んだ時の印象である。山尾悠子は、そう、次のように鮮かに登場したのではなかったか。 関東大震災から四年後、「案内者」と共に雨のふるなか、深川を訪れて散策する鏡花は「橋の上を、ぬほりとして大きな馬が、大八車を曳きながら」通るのを見ていると、「ハッと思うほど、馬の腹とすれすれに、鞍から辷った娘が一人。……白地の浴衣に、友禅の帯で、島田らしいのが、傘もささず、ひらりと顕われると、馬は隠れた、――何、池のへりの何の家か、その裏口から出たのが」橋の上を通る馬の姿と重なったのだが、娘

    深川浅景からコスモスの夢 『飛ぶ孔雀』(山尾 悠子) | 金井 美恵子 | 書評
    barringtonia
    barringtonia 2020/11/18
    さすが金井美恵子というしかない華麗で重厚な解説。以前は、石川淳に手厳しかったのに、ずいぶん評価を変えられたのだな、とも。
  • 祝『飛ぶ孔雀』文庫化! 幻の著者エッセイ&人物相関図 『飛ぶ孔雀』スペシャルペーパー再録 | 山尾 悠子 | コラム・エッセイ

    2020.11.09コラム・エッセイ 祝『飛ぶ孔雀』文庫化! 幻の著者エッセイ&人物相関図 山尾 悠子 『飛ぶ孔雀』スペシャルペーパー再録 ジャンル : #小説 終わらない物語を読み解くために―― 『飛ぶ孔雀』の文庫化にあたって、単行刊行時に作成されたスペシャルペーパーの一部をWeb再録いたします。山尾悠子さん特別寄稿のエッセイ「飛ぶ孔雀、その後」と、読書のおともに便利な「飛ぶ孔雀 人物相関図」。ぜひ、文庫版『飛ぶ孔雀』と一緒にお楽しみください。 飛ぶ孔雀、その後 (※エッセイは単行刊行の2018年に書かれたものです。) 『飛ぶ孔雀』(山尾 悠子) 岡山から神戸へ車で移動するには渋滞のない北回り、北神戸の山中から新神戸トンネルを一気に抜けるルートがどうやら具合がいいようなのである。神戸にはご縁があってここ10年ほど頻繁に通うようになり、南回りの渋滞の多さにも辟易してこちらのルートに落

    祝『飛ぶ孔雀』文庫化! 幻の著者エッセイ&人物相関図 『飛ぶ孔雀』スペシャルペーパー再録 | 山尾 悠子 | コラム・エッセイ
    barringtonia
    barringtonia 2020/11/09
    人物相関図、タエとP夫人の恋人疑惑(そんな描写あったっけ?)とか、いくつか驚く情報がある
  • 伝説の幻想作家、山尾悠子8年ぶりの連作長編小説『飛ぶ孔雀』 「I 飛ぶ孔雀」「II 不燃性について」 | 山尾悠子 | 特設サイト

    伝説の幻想作家、8年ぶりの連作長編小説。 シブレ山の石切り場で事故があって、火が燃え難くなった世界。 「I 飛ぶ孔雀」 回遊式庭園で催される真夏の大茶会。火を運ぶ女に選ばれた娘たちに孔雀が襲いかかる。 「II 不燃性について」 公営浴場で路面電車の女運転士に出会ったKは、大蛇うごめく地下世界を遍歴する。 第69回芸術選奨文部科学大臣賞受賞 第46回泉鏡花文学賞受賞 第39回日SF大賞受賞 2020.11.10 『飛ぶ孔雀』の文庫が2020年11月10日に発売されます 2020.11.09 「祝『飛ぶ孔雀』文庫化! 幻の著者エッセイ&人物相関図」が公開されました 2018.08.23 山尾悠子さん×金原瑞人さんのトークイベント「終わっても終わりきらない物語のために」が開催されます(終了しました) 2018.05.28 山尾さんの新作が「夜想――中川多理 物語の中の少女」に掲載されています

    伝説の幻想作家、山尾悠子8年ぶりの連作長編小説『飛ぶ孔雀』 「I 飛ぶ孔雀」「II 不燃性について」 | 山尾悠子 | 特設サイト
    barringtonia
    barringtonia 2018/04/28
    書影が出ていた。
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