ブックマーク / goldhead.hatenablog.com (3)

  • 石牟礼道子に相対するには力が要る 『水はみどろの宮』を読む - 関内関外日記

    水はみどろの宮 (福音館文庫 物語) 作者:石牟礼 道子 発売日: 2016/03/10 メディア: 単行 おれは石牟礼道子を偉大な文学者にして「おばあさま」のような存在と思っている。しかし、全部読んだとは言い難い。むしろ、あまり読んでいないといってもいいかもしれない。『苦海浄土』だけで石牟礼道子は語れない。しかし、石牟礼道子は強烈だ。強烈というのも趣のない言葉だが、あまりいい表現が思い浮かばない。そして、その強烈な存在に相対するには力が要る。おれは何作か跳ね飛ばされている。 ようやく、『水はみどろの宮』を読むことができた。おれの中では格闘のようなものである。べつに難解な言葉で綴られているわけでもない、話はちょっと突飛だけれど、べつに人を拒絶するようなものでもない。ただ、その文章の質の高さに圧倒されてしまうのだ。 村の祭りが近づくと、舟着き場から離れて、流れて大きく曲がった河原に、ときど

    石牟礼道子に相対するには力が要る 『水はみどろの宮』を読む - 関内関外日記
  • 映画感想文『天気の子』 - 関内関外日記

    美しい娘の物語は、年とった人たちの心にも、豊かな期待を起こさせるものと見えて、このわたしどもの国にも、そうした話がたくさん残っていて、幼い耳へ順ぐりに、吹き込まれ吹き込まれして参りました。これも、そう言う噂の一つなのです。 「神の嫁」折口信夫 「……なんだっけな、マーだったかな、マー君? いや、違う? ムーのあんちゃんよ、ようわしを見つけたもんよな。ようわしの話を聞きにきてくれたもんよな。そうよ、わしこそが、この国の天気を変えてな、国の形を変えた張人よ。おう、ちょっとまってくれ、準メーンの発走だ」 ずぶ濡れになった、色とりどりの勝負服を身にまとった小さな小悪魔たちに導かれ、泥水を跳ね上げながら馬たちがゴール板を通り過ぎていった。老人は、紙の馬券を握りつぶしてぽとりと落とした。 「まったく、しょうもねえなぁ……。おう知ってるか、今の府中で走ってる馬の、八割はガリレオいう馬の血を引いとるんじ

    映画感想文『天気の子』 - 関内関外日記
    barringtonia
    barringtonia 2019/07/29
    バニラの小舟、ハナザーアヤネル。
  • ニック・ハーカウェイ『エンジェルメイカー』〜軽くて重いが読む価値あり〜 - 関内関外日記

    エンジェルメイカー (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 作者: ニックハーカウェイ,Nick Harkaway,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/04メディア: 新書この商品を含むブログ (14件) を見るエンジェルメイカー (ハヤカワ・ミステリ) 作者: ニックハーカウェイ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/15メディア: Kindle版この商品を含むブログ (6件) を見る 大物ギャングの息子として生まれたジョー・スポークは、時計じかけを専門とする機械職人として静かに暮らしていた。しかし、彼が謎の機械を修理した日にすべてが変わった。客の老婦人は引退したシークレット・エージェント、謎の機械は第二次世界大戦直後に開発された最終兵器の鍵だったのだ! そしてさまざまな思惑を持つ人々がジョーの周囲で暗躍をはじめた……愛する者を悪の手から守り、世界を滅亡

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