1円玉と並んで、よく表面張力の現象として持ち出されるのが、「ショウノウ舟」です。 小さな模型舟の船尾にショウノウの塊を付けておくと、舟を水に浮かべたときに勝手に走り回る現象です。 「ショウノウ」というと防虫剤の匂いを思い出す方もいらっしゃるでしょうが、最近ではp(パラ)−ジクロロベンゼンなどにその役目を奪われてしまいましたので、入手しにくいかもしれません。 (なお、いずれも口に入れると有害ですので、食べないように。) こショウノウの分子は、水をはじく疎水基と、水になじむ親水基を持っています。舟の船尾に取り付けられたショウノウの塊が分解して、分子が水面に移ると、疎水基を上にして単分子の膜を形成します。舟の後方ではショウノウの単分子膜ができ、舟の前方には水面があります。物質は表面張力により、その面積を少なくしようとします。この場合、水の表面張力はショウノウよりも高いため、水面の面積の方がより小