その辞典──もとい “字典” と出会ったのは、大学生のときだった。ゼミに所属してあれこれと課題をこなしていくなかで、教授がたびたび引用していた一冊。 実際、課題に取り組む際にも参考文献として利用することがしばしばあり、大学の図書館で借りるたびにその分厚さに圧倒されていた覚えがある。……と同時に、それまで知らなかった「字」の世界に心惹かれ、わくわくしていた思い出。身近な漢字に、そんな意味があったのか、と。 それが本書、白川静氏の『字統』でごす。なんとなく欲しいなーと思いつつも、辞書ならではの圧倒的なほどまでのボリューム感と、相応のお値段に尻込みしていた格好。だって、普及版じゃないと2万円近くしますし……諭吉2枚とか、ガチャが何回まわせるんだ……。 あれやこれやと理由をつけて買わずにいたものの、なんか気づいたら文章に携わる仕事をするようになっていたり、昨年放送のアニメ版『舟を編む』に感化された
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