拷問——なんともいやな言葉だ。この拷問に関する資料を豊富にそろえた博物館が東京のど真ん中にある。江戸時代の拷問「石抱」の石や、さらし首、磔〈はりつけ〉の台、ヨーロッパの拷問具「ニュルンベルグの鉄の処女」、処刑台「ギロチン」など、おどろおどろしいものが陳列されているが、そこから見えてくるのは、残酷という言葉だけでは片付けられない、先人たちの知恵の積み重ねだった。 江戸の犯人逮捕は”できるだけ殺さず生け捕り” 「拷問博物館」と呼ぶ人もいるーー「明治大学博物館」は、明治大学駿河台キャンパスの地階にあった。 エスカレーターで地下1階に降り、さらに暗い階段をおそるおそる下りて地下2階へ。真っ先に目に飛び込んだのは——来たあ! 皮剥ぎの刑を受ける血塗られた恐怖の蝋人形――なんてことはまったくなくて、由緒正しき古文書だった。 それもそのはず、明治大学の前身は明治法律学校。ここはもともと学生に法学の歴史を
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