すべての生物の生命維持には「鉄」が必要です。ヒトの体内には、釘1本分(約5g)の鉄がイオンとして存在し、様々な生体機能の調節に使われています。この鉄は、食物に含まれる鉄イオンを十二指腸の柔毛で吸収することで得られることは古くから知られていましたが、詳細なメカニズムは不明でした。兵庫県立大学大学院生命理学研究科の澤井仁美助教と理化学研究所放射光科学研究センターの杉本宏専任研究員を中心とした共同研究グループは、大型放射光施設「SPring-8」を利用して、ヒトの鉄吸収メカニズムに関わる膜タンパク質の立体構造を世界で初めて解明しました。さらに、その立体構造に基づく機能解析により、食物に含まれるビタミンCや有機酸が鉄分の吸収効率を向上させる仕組みを原子レベルで明らかにしました。 詳細は兵庫県立大学のホームページをご覧ください。 報道担当 理化学研究所 広報室 報道担当 Tel: 048-467-9