本書のタイトルをみて「えー、何でこんな本をHONZで紹介するの?」と思った方、ちょっと待った。本書は凡百の嫌中書とはわけが違う。なにしろ書いたのが、あの谷崎光である。ここに注目してほしい。 彼女は小林聡美の主演で映画にもなった『中国てなもんや商社』という傑作ノンフィクションの著者である。(残念ながらDVD化されていない) 新卒でダイエーと中国の合弁商社に入社し、中国人の狡さ、強かさに驚いたあまり、会社を辞めて北京大学に入学、北京在住15年目になる作家だ。中国人の思考と行動を分析し、日本人へのアドバイスをし続けている。 そこに中国人に対する悪意はまったくない。むしろ呆れつつ尊敬していると言っていいだろう。この本にも書かれているが、長く住んでいるといつの間にか感覚が中国人ぽくなってしまい、あまりにも素直な日本人に対して怒りさえ感じることもあるようだ。本書のタイトルはその怒りが滲んでいるような気