ビデオゲームでわかる美術鑑賞 岡本太郎『今日の芸術』(光文社)を読んだ。1954年に書かれた、古い本だ。 古いということは、時として、わかりやすいということを意味する。本書の主張も、おそらく五十年前にはわかりにくかったのだろうが、今ではずいぶんわかりやすい。本書の主張のうち私が同意できる点について、ビデオゲームを例にとって紹介してみる。 ・芸術はここちよくあってはならない ゲームをプレイするということは、たいてい、緊張するということだ。少なくとも、慣れていないアクション物をプレイするときには、のんべんだらりとはしない。また、たとえ一本道のADVであっても、緊張感なくプレイさせるゲームは、なにかしらゲームとしていびつであるように思える。 また、アクション物の多くは、自機がやられてゲームオーバーという不愉快な結末を迎える。アクション物をやるプレイヤーは、丁重にここちよく扱われて満足するためでは